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邦男ーーー!!!好きだーーー!!!
私が鈴木さんを尊敬した一番のとっかかりとなった、「謙虚なれ」ということが、ぎっしりと邦男さんの言葉で詰め込まれた本。
私が一番邦男さんに書いてもらいたかった、「天皇制について」「愛国心ばら撒いてるヤツらってさ……」の話が中心に盛り込まれていて、満足度100%
外人でも日本人でも関係なく、一度は読んでみたらいいと思うのです。今、日本で生きていることについて、考えることの出来る素敵な本です。
ヤマトタケル並にオススメ
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「愛国心は小声でそっと言うべき言葉」
元右翼というだけあって非常に読んでいてリアルに感じられる。また文章も堅苦しくなく読みやすい。つまるところ今話題になっている教育基本法改正や通信簿での愛国心評価にもつながると思う。
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本書は、いま、日本でも中国でも熱く熱く語られる「愛国心」を論じたもの。
著者の鈴木邦男さんは、新右翼の草分け的な存在だ。
ワタシは、たしかSPA!の連載「夕刻のコペルニクス」でその名を知った。
鈴木さんの印象は、ゴリゴリの右翼ではなく、考え方は相当柔軟であり、また、自己矛盾が少なそうなところか。たとえ主義主張に対立はあっても、暴力で解決はしないだろうということが、著作からうかがえる。そんなわけで、鈴木さんの著作を、たまに読んではいる。
本書は、「君が代」「天皇」という、日本の「愛国心」にとっては欠くことのできない要素から、愛国心を考察している。そして、鈴木さんは言う。愛国心は、国家に強制されてはいけないと。また、「愛国心を教えよ!」と叫ぶ、右派論客を厳しく批判する。そして、本書の最後で、次のように言う。
◇愛国心は国民一人一人が、心の中に持っていればいい。口に出して言ったら嘘になる。また他人を批判するときの道具になるし、凶器になりやすい。だから、胸の中に秘めておくか、どうしても言う必要がある場合には、小声でそっと言ったらいい。(p.192)
鈴木さんは自己矛盾が少ない、とワタシが思う根拠は、たとえば皇位継承の考え方に見て取れると思う。鈴木さんは、女帝を論じた後で、ある天皇尊崇者の右翼を引き合いに出す。鈴木さんが、「娘を皇室にやるか?」と聞いたところ、くだんの右翼、「そんなところに娘をやれるか」。つまり、皇室はよいよいといいながらも、中は過酷な場所だとわかっているわけだ。これは、遂行的矛盾だろう。鈴木さんは、その矛盾を指摘し、つまり、自分がいやだと思うことを皇室に押し付けてはいけないということだが、女帝をも受け入れるもっと自由な皇室のあり方を主張してる。
ワタシの政治的なスタンスは鈴木さんとは異なっているが、、愛国心については、基本的には、鈴木さんの考え方に賛同だ。
しかし、本書には、つっこみどころもいろいろある。そして、これは、右翼の考え方に共通の問題だ。たとえば、天皇家が本当に2650年以上もの伝統を持っている(と本当に信じている)のか、とか、「日本的なるモノ」って、いったいいつの時代が基準なのかとか、とかとかである。
そんなことも含めて、本書には、詰めが甘いなぁ、と思える箇所も、けっこうあるのだ。それゆえ、気楽に読める一書ではある。
ほかにも、書きたいことはあるが、またいずれ。
そうそう、ワタシ、「忠君愛国」って言葉嫌いです。
聞くだけで、ぞっとします。
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最近TVでちょくちょく見かけた鈴木邦男の本。愛国心問題入門書として読めました。自身の活動家時代を振り返りつつ、昨今の諸問題について触れている点が面白いと思う。こっちの分野の知識が乏しい自分にも理解しやすかった。
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鈴木邦男さんは、「たかじんのそこまで言って委員会」という、なんでもありの討論番組にゲスト出演されてるのを見て知りました。
余談ですが、この番組は日曜日のお昼にかかわらず、視聴率が20%を超える超人気番組です。あまりにも明け透けな発言ばかりなのと、司会者のやしきたかじんさんの意向もあって、関東では放送しない、というか、できないそうです(笑)関東在住で、この番組をどうしても見たい方は、DVDが出ていますので是非どうぞ。ちなみに私も買いました。TVで見てたのにも関わらず(笑)
閑話休題。
正直に言って、まともに読んだのは初めの50ページぐらい。あとは流し読みしちゃいました・・・。なんていうか、何が言いたいの?って感じでした。著者の考える「愛国」を、縷々と綴っているだけの平板な文章にしか思えなくてつまんなかった。
愛国心といえば、教育基本法に「愛国心」という表現をもりこむという改正案が出ていましたが、そうしたところで愛国心が本当に育まれるのでしょうか?私はそれには懐疑的です。ただ「国を愛しなさい」というだけでは愛国心は芽生えません。国を愛する心を持てと言う前に、愛される国をつくることの方が大事なんじゃないかな。
最近の日本人は、英語教育ばかりに力を入れて国語をおろそかにしたり、欧米に迎合して日本独自の文化やよさを無下にしている気がします。もっと日本語とか、日本の文化の素晴らしさを教えることに重点を置くようにしていけば、自ずと自分の国を愛するようになるのでは?
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愛国心は自己愛に収斂するのではないか、と考えている私にとって、この本の結論はとっつきやすいものでした。著者は「新右翼」の人ですが、右翼にもいろいろいるんだな、と思いました。
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安保とかあの頃の左翼、右翼、三島由紀夫のこと、時代の空気、維新からの流れなど今までよくわからなかったけれど、分かりやすかったです。
書いたのは新右翼の鈴木 邦男氏。
しかし、主張一辺倒と思いきや、すごく理性的でわかりやすい。天皇や日の丸に対して盲目的かと思ったらそうではない。
女帝も反対していない。
愛国を振りかざして利用するのは権力、体制であって
本来の愛国心は強制されたり監視されたり評価されたりするものではない、内におのずから持つものである、
愛国心を持て、と強制するより国民がおのずと恋せる国を造れ、と。
愛国でなければ非国民となじられる、糾弾される、
最近の風潮に危惧する、という内容でした。
こぼれ話でも「へえ!」と思うことがいくつも。
やんごとなきお方と三島とのデートとか、明治天皇のお座布団とか。。
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中盤以降が若干残念ではあった。簡単だし、2時間ちょいあれば全部読めてしまうと思う。三島由紀夫に関する情報(楯の会で作った憲法改正案の中に含まれた女帝を容認すべきとの考えや、三島自身は‘愛国心’という言葉に違和感を覚えていた)、また三島とともに自決した森田のエピソードなどは非常に興味深い。ただ鈴木さん自身の話に深く感銘・衝撃を受ける部分がなかったのが、期待していたが故のがっかりになってしまいました。
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異色の新右翼が「愛国心」を語るという触れ込み。三島の「愛国心といふ言葉は好きじやない」という一節は興味深い。やはり彼は思索の人。あの挙にしても、天皇の神聖性固守と英雄的行為への憧れ(中村光夫との対談で再三口にしていたオリンピック選手への憧れ)が大きいのだろうが、その裏で冷静に自らを客観視する三島がいる。
『天皇とプロレタリア』『国体への疑問」を書いた里見岸雄のことも知れて為になる。
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ワールドカップがやってくるとナショナリズムが高揚する。愛国者にとってはまさに至福の時だろうし、自称左翼の方々には日の丸の旗が観客席を埋め尽くしているさまに眉を顰める御仁もあろう。しかし、いずれにしても私たちはきちんと愛国心について考えることを避けてきたのではないだろうか。その一方で、愛国心に反発を覚えつつ、ぬくぬくと「この国」の慈愛の中で日々の平安を満喫している人もいるのかもしれない。
それはさておき、世の中には自分は愛国者だと言いつつ、実際は不忠者が多々いるようだ。記憶にあるかどうかわからないが、日の丸・君が代を無理強いしようとして「強制しないように」と天皇にたしなめられた某自治体の教育委員なんぞはその典型のようなものだ。ただただ自分の卑小な生育史の呪縛から逃れられないやつ(換言すれば、自分の都合のいいようにしか社会を見てこられなかった人々)であろう。もっともこうした人間は自称左翼の中にも多々いるようだ。
ところで、くだんの教育委員、もとい将棋差しがただその生育史の中において純朴に日の丸・君が代大好き人間であったからということで某知事の覚えめでたく教育委員になり、自分の小さな世界観を一千万の市民に押しつけていくという姿はどう見てもこの国をよくしていこうというふうには見えない。天皇がその愚かさをたしなめたのはまさしくこの国を思う天皇の見識であろう。その点からみてもこの教育委員とそれを雇用し、日の丸・君が代を強要している某知事などはまさしく不忠者ではないのだろうか。
不忠とは愛国者ならば国家に対して背信行為をするということである。もとよりこの国を天皇制国家と信ずる天皇主義者ならば天皇の望むところにそわない奴等である。古より天皇は何より民の平安な暮らしを望んだと言う。ならば国民を戦場に駆り立てる者ども、威嚇的な街宣車で恫喝していく者ども、言論を力で抑えようとする者ども、愛国心を強制する者、君が代斉唱を強要する者は皆不忠者と言ってよいのだろうと思う。
それならば忠なる者とは誰か。おそらくは愛国者であるにちがいない。そしてなんと言っても愛国心といえば右翼だ。それはまっとうな右翼にちがいあるまい。ということで本書は右翼団体一水会の代表鈴木邦男による愛国者と愛国心についての提言だ。この人は元日本赤軍の連中と友誼を交わし、日教組委員長と対談したことで物議を醸すということで耳目を集めてきた人だ。愛国心についてもその立場での見識を持っているであろう。ということで、本書は世の腐敗した右翼もどき・似非愛国者たちのみならず、愛国心について考えたこともなく愛国心通信表を見過ごした左翼もどきにも是非読んでもらいたい本だ。
鈴木邦男は暴走した愛国心や強圧的に押しつけてくる愛国心を嫌う。他人と他国を愛さない、自己愛と自国愛でしかない凶器としての愛国心をまずは嫌うのである。そしてどうしたら愛国心を暴走させない、凶器にさせないかを本書を通じて考えようとしている。
例えば鈴木氏は拷問死したプロレタリア作家小林多喜二が仁徳天皇と同じように民の幸福を願っていたということを指摘する。そして彼を国家の名において虐殺した特���こそが自己愛と自国愛しか持たない似非愛国者であり、不忠者だったかもしれぬというのだ。
本書のキーワードは「愛国と憂国」に尽きる。憂国ってわかるかなぁ。その辺を読み解いていくと愛国心を押しつけたり、愛国者であると傍若無人の振る舞いをするやつらが不忠者であることがよくわかる。そういうふうに考えれば御上の真意を理解しない中間管理職って多いだろう(中間管理職っていうのは天皇と下々の中間にいる管理職ってことだから、総理大臣から教務主任までを含む)。また、愛国者気取りで恩師が左翼だからといって非難してまわっているコンドーくん(誰?)やらも不忠者だし、組合嫌いの自称体制派教師も不忠者だろうね。何しろ陛下はそんなことをお望みではないだろうから。
そんなわけで鈴木邦男は憂国を主張する。この国がもっとよき国であるように現状を憂える。腐敗した似非愛国者の横行を憂うのだ。
もっともあちきが忠義者だとは言わないが、列挙した不忠者よりはまっとうな生き方をしているとは思う。何しろこの国を不忠者が跋扈している時勢を憂いているのだから(憂国だ!)。
☆☆☆☆ 不忠者必読のわかりやすい愛国心入門書だ。その稚拙な自己チュー的愛国心を洗い直せ!なんとなくあちきも右翼になったみたいな気がしてきた。そのくらいこの人は真面目に愛国心について考えているのだ。似非右翼よりも、似非左翼よりも、そして似非人権主義者よりも。(嗚呼!憂国的になってきたわい!)
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右派の論客として理論構成が明解であり、また右左翼を問わず議論を尽くす著者が語る真の「愛国心」とは。
格好だけのエセ右翼などとは違う。我が国の場合、右派の知識人が少なく左派の愛国者もまた少ない。この人は筋金入りの右翼であるが、暴力、革命を遠ざけており、充分に論議を出来る貴重な人物である。国旗を中心に、何を尊び何を排撃の対象とするのか。その主張の一端を垣間見ることが出来た。
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このタイトルで筆者は右ってのがまず面白い。
三島由紀夫、その他色々な人の「愛国」に関する言葉・エピソードは興味深かった。
ネットなんかやってると「左翼=売国奴」というイメージが強くなるけど、「左翼の愛国者」ってのも普通にいるんだよね。当たり前なんだけど。今じゃ右翼の代名詞ですが……
三島由紀夫の憲法草案
「日本国民は祖国防衛の権利を有する。」
国防は義務でなく権利。うむむ……。
玄洋社と頭山満の話は、夢野久作「犬神博士」でも読んでたか。
杉山茂丸の話が出てこなかったのはちょい残念。
全体通して、なかなか面白く読めた。この問題を本気で考えるには、もっと勉強しないと駄目だろうけど……
「俺の恋人、誰かと思う。神のつくりし日本国」
綺麗な言葉だなあ。
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[ 内容 ]
三島由紀夫は言った「愛国心は嫌いだ」。
なぜか!?
新右翼の大物が問う「天皇と愛国心」。
[ 目次 ]
第1章 「愛国心は嫌いだ」と三島は言った
第2章 誰のものか―愛国心争奪の歴史
第3章 愛国と憂国―その決定的な違い
第4章 愛国者の条件
第5章 天皇制と愛国心
第6章 謙遜の日本史
第7章 天皇論の革命
第8章 過熱する女帝論議
第9章 三島の改憲・女帝論
第10章 「愛国心」の必要ない世界は来るのか
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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別の本で内田樹が「そういう話を人前でするのは止めましょう」と書いていた。本書の最後も同じような言葉で締め括られている。「愛国心」ってそういうものなのだろう。
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愛国運動歴40年の著者が語る「愛国心」。
気になった点
・あの三島由紀夫は「愛国心」という言葉が嫌いだった。これは官製で押し付けがましく、国を単なる愛玩物に貶める言葉だったからだという
・そんな三島は押し付けがましくて現状維持を是とする「愛国」に代わって、「この国はこのままでいいのか?」と憂う革新的な「憂国」を旨とした。だからこそ自衛隊に決起を促そうとしたのであろう
・明治時代の右翼団体・玄洋社は孫文の中国国民党や朝鮮の東学党を支援したことがある。玄洋社は国家権力なくしては民衆の権利は守れないと考えた。
・改憲派の憲法学者である小林節は、改憲案に愛国心を盛り込もうとした自民党に対して「いかがなものか」と言ったら学者仲間にはぶられた。愛国心は自然に育つもののはずなのに、わざわざ国の最高法規である憲法にいちいち明記することか?
・内ゲバというと、右翼団体より左翼団体の方に多く見られる現象のように思うが、右翼団体内にもあったそうな。大体は玄洋社のような伝統的な派と、今のネット右翼と同じようなことを掲げる派の二つに分かれていたという
・日の丸、君が代を式で強制したら、日の丸と君が代がかわいそう
・ドイツ出身の医学者でお雇い外国人ベルツの『ベルツの日記』にはよく言えば謙虚、悪く言えば自虐的な日本人の姿が描かれている。彼は日本人以上に日本が好きだったそうな
保守派を自認する私の愛国心に関する見解は、著者である鈴木氏にかなり近いものがあります。愛国心があるからこそ、国民が一丸となって大業丕績を成し遂げることもあれば、とんでもない惨事を招いてしまうこともあるでしょう。鈴木氏の言う「愛国心は宝石にも凶器にもなる」というのはまさに至言。
某F県では学校の通知表に「愛国心」という項目を導入したことがあります。日の丸を見て涙を流すほど感動したり、君が代を大声で歌うようなことをすれば愛国心があると見なされるのか… ましてや憲法に愛国心を盛り込む必要があるのか… 少なくとも私は反対です。
ちなみに私は日の丸のシンプルかつ鮮やかなデザインも君が代の厳かな雰囲気も大好きです。小中高時代は校歌より君が代のほうを大きな声で歌った覚えがあります。パフォーマンスでも何でもなく、自然的な感情に基づいた行動です。
学校と愛国心というと、自虐史観うんぬんの問題になることが多いですが、近現代史は授業日数の関係で深くは扱わなかったし、日本だけが特別悪く書かれているということも感じませんでした。こんなことを言っている私って暢気なのかなあ…
今でも一部の、いわゆる「ネット右翼」は排他的で偏狭で軽薄なナショナリズムを掲げ、自分たちと同じ考えを持たない人間に「国賊」、「売国奴」のレッテルを貼り、罵る。愛国心という言葉も人によって定義が大きく変わるから何とも言えない部分もあるが… まあ、彼らは不安だからこそ偏狭なナショナリズムに走るのだろう。
海外から帰ってきたとき、懐かしい気分を感じると共に白いご飯や味噌汁を頂きたくなるだろう���野球やサッカーの国際試合では日本を応援するでしょう?それで十分愛国心と呼べると思う。