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難解ながら、なんか気になってしょうがない思想家。
わからないなりに主著的なものを読んでみて、自分なりに、こんな感じというのはあるのだが、具体的にどうしてそんな議論になるのかはあまりわかっていない。
でも、気になり続けるのは、多分、アーレントが問題にしているテーマをわたしも考え続けているから。
そして、思考の癖のようなものに、なんとなく自分と近い感じがある、と同時に、全く別の角度からやってくることもあって、その辺が面白いんだろうな〜?
というわけで、アーレント関係の本は、ときどき読む。新書でも、難解なアーレントをうまく紹介している本も結構多い。
そういうなかでのこの本は、アーレントのいわゆる主著をダイジェストしつつ、全体を通じたテーマ、一貫性、発展性を辿っていく感じ。
本と本の間の気づかないリンクがたくさんあって、参考になった。
一方、これはアーレントの本をある程度読んだ人が、その内容を確認しながら、アーレントの思想の繋がり、全体性をみるための本だな〜、とも思う。
多分、最初に読む入門書としては、難しいかな?
入門書のようで、そうではない。専門書としては、もうちょっとなにかがほしい。そんな感じでした。
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序章 アーレントを論ずるために
第1章 『アウグスティヌスの愛の概念』―哲学という源流
第2章 『ラーエル・ファルンハーゲン』―ユダヤ人問題
第3章 『全体主義の起原』―人間性への軽蔑
第4章 『人間の条件』―政治哲学の伝統
第5章 『革命について』―自由の設立
第6章 『エルサレムのアイヒマン』―悪の凡庸さをめぐる考察
第7章 『精神の生活』―他者とともに生きる
著者:森分大輔(1968-、神奈川県、政治思想史)
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アーレントの主要作品を読み解きながら、彼女の思想を理解していく構成で、文章も読みやすい。これはいけるかもと思ったけど『全体主義の起源』『人間の条件』の2作品がやっぱり分からない。明らかに読み手の力量不足だ。『エルサレムのアイヒマン』はすごく腑に落ちたのにね。もう一度勉強し直さなくちゃ。
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ハイデッガー、そしてヤスパースやフッサールに師事した若い日々。又はアーレントがアウグスティヌスの研究にも深く携わっていたことは初めて知った。アイヒマンについての説明が詳しく、アイヒマンがむしろユダヤ人を助ける役割に最初は従事していた!驚きだが、彼の小人物ぶりから考えて納得できることでもある。
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記述が詳細で、その分「入門」としてはふさわしくないが、しっかり読めばアーレントへの理解が深まる著作。
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アーレントの主要著作について、全体主義との関連から解説した本で、難解なアーレントを歯切れよく論じている。
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今アーレントの『人間の条件』と『イェルサレムのアイヒマン』を読んでいるが、全く理解が進まないので、それぞれの著書の解説を含んだ新書を読むことにしたが、それでも正直なところあまりものにできなかった。
ただ序盤に書いてあった「アーレントを形容するのに「手摺なき思考」が用いられることがある」の意味はだいぶ分かってきた(気がする)。西洋哲学から出発するも独自の理論を展開したり、アイヒマン裁判以降の一貫した姿勢を踏まえると、このような表現に着地するのだろう。
ハイデッカーやヤスパースの著書も読んで理解を深めたいところだが、全く進まない。なぜアーレントはここまで分かりにくくものを書けるのだろうと思ってしまうくらい、、