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本書は、切り出すことが困難である。なぜならそれは、脳の連合野だからである。視覚や聴覚に関する一時の感覚中枢や、身体運動を起こさせる一次の運動中枢なら、切り出せといわれれば、私にだって切り出せないことはなかろう。しかし、連合野は、そうした特定の具体的機能を示す中枢を切り出した「後に残る」部分として、定義されるものである。文句をいうわけではないが、切り出しにくいこと、おびただしい。
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小説家か評論か、はたまた特定不能か、謎の文章を構築する中沢。初めて読んだけれど、一発でハマりました!もっと読みます。すごいぞ!
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中沢新一 「虹の理論」 形而上学の物語集? 前半「虹の理論」は 天地創造のような神話から 自然や生物の世界の仕組みやパラドックスを 説明している。後半は意味がわからなかった。
毒と虹、蜘蛛と蠅(生物コード)、虹と大地、虹と市 などのテーマは 野生の思考的なアプローチで面白い。カイエソバージュ のように 野生の思考 から 対称性を取り出して、人間の原理を直観的に探求しているのかもしれない。
命題は「パラドックスこそ自分たちの世界を突き動かしている論理である」
虹の理論
*大地と虹の関係性
*大地の両義性
*私とは何か
私とは何か
*転生〜生きものの記憶が 個体や遺伝子の違いを超えて 永続する
*あなたは〜世界を生気あるものとして産み出し続けている 巨大な多様体。その多様体が そのまま あなたであり、私でもある
大地と虹の関係性
*大地のエネルギー→虹→光と色彩
*大地の欲望が〜空中に飛び散るとき〜虹が立つ
*大地の欲望や強度や生産力を、大地への呪縛から解き放って、自由でより高度な存在にジャンプ
大地の両義性
*生命力、欲望、快楽であり 破壊、病気、苦痛もたらすもの
人類学者の手記
*ライトモチーフ=毒、人間と動物との結婚→タブーに対する罰
*毒と虹は似ている→両義性?→生と同時に死をもたらす
*生物界の原理=生物コードの違い、生と死の移行
生物界の原理
*生と死が玉虫色の状態で お互いの間で〜移行をくりかえす
*それぞれの生きものは 違うやり方で まわりの世界を知覚し、その世界のなかで〜生きている
*蜘蛛と蠅は、生物としての構造(生物コード)が違う〜蜘蛛の巣がなければ、同じ空間のなかの違う世界を棲み分ける〜捕食行為は 異質な動物どうしの接触の瞬間
作庭家の手記
*虹がたったところに市が立つ→市を立てることで 虹の破壊性を鎮めたい
*市は「結ばれ」をほどき、あらためて結び直す空間〜自分のまわりの古いしがらみをとき、新しい世界と自由な関係を結ぶ
*虹と市は 一神教の現れ