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内容紹介で気になったので購入。
ミステリとも幻想小説ともつかない連作で、全編に漂う不穏なモチーフが非常に魅力的だった。
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36:めちゃくちゃ良かった。誰もが誰かを真摯に、敬虔なまでに想っている。様々な宗教が登場するけれども全然説教臭くなく、厳密な科学の話のように思える。水泳、宗教、友情、親子。全てが巡り巡って繋がる気持ちよさと恐ろしさを存分に堪能できるミステリ。
最初、文体がきらきらしくて装飾過多では?って思ってたんですが、もしかすると恋する人を描いていたからかもしれない……。京都、宇治が舞台なのも、祇園祭や伏見稲荷の「異界」と隣り合わせ感があってぞくぞくした。いやほんとめっちゃ面白かった……買うわ……(※買いました)
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王は崇められると同時に、世界から拒絶されていた。
なんとも残酷。
文章が美しく、瑛子とともに水の中でもがく感覚すら感じる。
登場人物たちは曲者ぞろいで、誰もが寂しく、官能的で、必死。
シャーレの上でひとりでに増殖していく細胞のような、そんな美しさもあった。
むしろ、蓮一人が浮いている。一番美しいはずなのに、彼が一番「生」を与えられていない。その無慈悲。
無慈悲。
蓮を絶望に陥れた狐塚教授は、ある意味神様だったのかも。
作者とともに、生殺与奪の権を握る。
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「すべてが定められているからこそ、人間は努力しなければならない。嘆かず驕らず、神の意図を探ることなどせず、ただ弛まず努力を重ねていかねばならない。その努力が地上で実を結ぶか結ばないかなどは、一切案じる必要がないのだ。」
面白かったです。読み返す度に深みが増しそう。
生きる意味とは何か、この本なりの答えが示されている気がする。
様々な宗教が描かれているけど、そこに共通するものは、一心に祈ること。無心で反復すること。
宗教に限らず、自分のジハードを私も見つけたいなぁ。
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綾部蓮という青年は、私たちにとって遠い国の王様のような存在だった。
神の贈り物と呼ぶべき肉体と才能に恵まれ、水泳の世界では栄冠を手中に収め、それでいていつも退屈を持て余していた。
だから彼が自殺した時、その理由を知る者もいなかった――。
誰もが彼の年齢を追い越していくなか私たちは思い出す。なぜ青年は自ら命を絶ったのか?
(アマゾンより引用)
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めっちゃよかった…鷲掴みされて死にかけた…
切なくて狂おしくて、心の漣が収まらないよ…
物語の底が見えない。ミステリーで、純文学で、恋愛小説で、青春小説で、スポーツ小説で…哲学書?
魂を燃やす人たちを冷たい水が包み込んでる。
ここは神様の夢の中?