投稿元:
レビューを見る
「正常とは何か?」という、ともすればタブーで偏見とも言われてしまう事柄に臆することなく踏み込んでいる。
人は誰でも数十種類の何らかの異常を抱えているらしい。
異常とは大多数の特徴を標準と定義した時に、それとは違うこと。
ならば、同じ「異常」を持った人達が集まれば正常になる?
他人とはちょっと違ういわゆる"個性"が正常から異常となる境界はどこ?
他人と違う部分に妙にこだわってしまう凝り性だと自覚している池谷先生:自閉スペクトラム症と診断された。
中村うさぎさんも同様。
こんな二人だから、あえて空気読まない発言(それ言っちゃう?)もあって面白い。
発達障害、注意欠如・多動性障害、アスペルガー症候群、自閉スペクトラム症、認知症。
昔はなかった病名?がいろいろと出てくるし定義も変わってくる。
自閉症とアスペルガー症候群は「自閉スペクトラム症」にまとめられた。
医学的な解釈が変わると認定される者の数が増減する。「障害者は社会が作るもの」とも言える。
小中学生(ごく普通のクラス)の6.5%が支援が必要な発達障害であるらしい。
ならば大人たちも同じくらいの比率でそうなんだろう。
だが、それは一つの傾向にすぎない。
異常と決めつけてはいけない。
完璧な人間なんて一人もいないはずだから。
世の中には何の躊躇もなく他人を「異常者」呼ばわりする人々がいる。
そういう人達は、疑うこともなく自分は正常だと確信しているのでしょうね。
投稿元:
レビューを見る
書店でチラ読み購入。
脳の研究者の池谷裕二氏と作家の中村うさぎ氏による「脳」について様々なテーマで交わされた対談。
本書を読むまで、中村うさぎ氏については「過激なことをやる変な人」というイメージだったが、とても知的な人だと思った。
AI、認知症、依存症、恋愛など幅広い話題で、納得したり驚いたりしながら読んだ。
投稿元:
レビューを見る
脳科学者の池谷裕二さんと作家の中村うさぎさんの対談をまとめた本です。興味のおもむくまま、脳について、人について、最新の話題から、語り合っています。二人の、特に中村うさぎさんの、脳に関する知識の多さに脱帽しました。素人が専門家の話を聞いたというより、専門家同士の対談といった印象すらありました。奔放な2人だからこそ、面白い対談になっています。特に人工知能の発達により、人とは何かが浮き彫りになるという部分は興味深かったです。後半は発達障害の話になり、自分と照らし合わせてみて、当てはまる部分が多くて、興味深く読みました。
投稿元:
レビューを見る
ただただ二人のやり取りがおもしろい。
個人的にも色々な発見があった。
社会的に生きにくさを感じている方には必見。
自閉スペクトラム症についての理解もかなり深まった。
投稿元:
レビューを見る
自閉スペクトラムについてよくわかった。
東大生にも多いらしいこの精神的?やまい。
ある項目に添って診断したら著者のふたりも”自閉スペクトラム”と診断された結果が載ってた。(末尾に)
生きにくいだろうなと思うけど、なんらか才能を持って立派に社会で活躍している(著者のふたりを含め)多いんだろうけど、それ以外の社会に出られず、自立できない自閉スペクトラムもきっとたくさんいるんだろうな。
投稿元:
レビューを見る
脳科学者の池谷先生と作家の中村うさぎさんの対談形式で脳にまつわる興味深い話題を取り上げる。最後の「脳はみんな病んでいる」の章で、二人が精神科医師からカウンセルを受けて、「自閉スペクトラム症」の診断を受けた。自閉スペクトラム症は男性に多いという。程度によっては病気というより個性であろう。ちょっと頑固な人、一人で何かをしていることが好きな人、空気を読めない人、等々。そんな人は周囲にも沢山いそうだし、自分もそんなところがあるし…。
投稿元:
レビューを見る
久しぶりに読んだよー、うさぎさん。
少しお元気になられたようで何よりです。
これ読んでたら、「私だって自閉症スペクトラム障害じゃん!」と思ってしまったわけですわ。
こんなにも無口なのは、多分無口さが生きる術になっていったんじゃねぇかとかさ。(空気読めない発言しちゃうんなら、聞き役に徹した方が楽ちん。)女子の環境に溶け込めないとか。うまくやれないつらさにうまく折り合いをつけるために今の職場を選んだとかさ。
正直自分もそのスペクトラムの中に含まれるような何かを持ってるんだって誰かに言ってもらえたら、すごく腑に落ちて前に進めそうだなぁと思ってしまいました。
自分の、不覚にも人に漏らしてしまった辛さを、「分かる。でもそれみんな同じだよ。」と、同調してるように見せかけて「みんな同じなんだからあなたの悩みは普遍的で普通のことだ」とやんわり否定されるような違和感と分かってもらえないやるせなさで終わらせるんじゃなくて、「あなたのうまくやれない辛さは、あなただけのものである。そうやって、うまくいかない辛さを抱えながらも、分かってもらえないでもがき苦しんでいる人が少なからずいっぱいいる。もがき苦しみながら、「普通」を演じて合わせてくのって、ほんと消耗されるよね。」と言ってもらえたような。
なんだろうな。言ってることは前者とさほど変わらないのに、何が違うんだろうな。簡単に「分かる」なんて生易しい言葉で、人の苦しみをぶった切ってないところかな。うさぎさんの言葉は、別に何かを訴えかけてるわけではない…というと語弊があるけれど、他者に向けてのメッセージというよりは、自分の分からないことをまっすぐに追求してこうとしているという方が近いのだけど、それを読んでいると、すごく救われる。別に彼女は人の相談に乗ってるわけじゃない。でも、直接私が人に相談して、「分かるー。」なんてぶった切られるよりもはるかに真摯に、言葉が力をもって私に響いてくる。もちろんそれは読み手の私の錯覚も多分に関係しているのだろうけれど、目の前にいる人に分かった振りされるくらいなら、こう一人の世界に入り込んで本を相手にこんなことを考えてる私は、まぁスペクトラムの端っこあたりに引っかかっちゃいそうな人間なのかもしれません。
投稿元:
レビューを見る
自閉症スペクトラムって、
発達障害だけど自尊心が傷つかない感じ。
ひと昔前の「私って変わってるし」と
同じ感覚で周りに吹聴する人が増えそう。
語弊あるかもだけど、いわゆるめんどくさい人って、
自閉症スペクトラムかも。自分もそうかも。
投稿元:
レビューを見る
前作の著者二人の本も面白かったけど、この本も面白くなっている。
正常とは、異常とは。健康とは、不健康とは。
普通って一体何だろう。
歯に衣をきせぬ二人の対談は非常に刺激的で面白いです。
二人で精神科医に診察を受けて自閉スペクトラム症と診断された話は衝撃的でした。
投稿元:
レビューを見る
p.35 脳の第一次視覚野で入力情報のうち目から入るのは3%。脳の内部から情報を補完することで見える。
投稿元:
レビューを見る
「5時に夢中」で中瀬ゆかりさんが2/28に紹介!
この世に「完璧な脳」などあり得ない!不完全さとつきあうために。
投稿元:
レビューを見る
何が異常で何が正常か?
脳の不思議…?
おかしいと思えばおかしいし変と思えば変
決めつけず、やんわり受け入れて仕舞えばそれもあり?
↑こんなことも脳は受け入れてくれるのかも?
漠然とキャパの広い人(脳?)でありたいなぁ〜と思った次第
投稿元:
レビューを見る
いくつかテーマを設けての対談。後半に向けて面白いテーマになって行ったので、序盤で挫折しなくて良かった!自分の人を見る目の、判断方法にかなり修正が入りました。ある意味偏見増長本でもあるかも…!
読後面白かった反面、オカルト好きな私には、マジックのタネ明かしを散々されてしまった感じで、つまんない気持ちにさせられたのも正直なところ。お陰で、その後に手に取ったオカルト体験本が、中々ノリノリで読めなくて困った!
投稿元:
レビューを見る
脳とはなんだろう?知能とはなんだろう?人間とはなんだろう?
研究者である池谷裕二氏と、作家の中村うさぎ氏の対談。
88頁「教え方によっては、人口知能も人間に殺意を持つことがあると私は思います」
「結局のところ、人類の敵は、人工知能ではなく、人工知能を悪用する可能性のある人間」(池谷)
AIが言葉を覚える実験をしていると、差別的な発言が多くなっていったという記事を新聞で読んだ。
その時、渦巻くヘドロ様の言葉がAIを作っていくと考えた時、人間は完璧なものを作ろうとしているのに、どうして自分に似た愚かなモノを作ろうとしているのか、全く理解できなかった。
本書の面白いところ、そして怖いところは、例えば、
180頁「厳密に因果関係を突き止めるのは難しいのですが、IQが高い人に不安症や気分障害、自閉症、ADHDが多いのは確かなのですが、じつはアレルギーや自己免疫疾患も多い」
では、「私はアレルギーだ、だからIQが高い」と読み取ってしまう人もいるであろうところ。
対偶でなければ正ではないが、「アレルギーでないからIQは高くない」もまた正ではない。
数学的、論理学的には正になるものが現実では正にならない。
不思議だ。
人はそう簡単に理解できるものではなく、例外が多すぎる、ということか。
恐ろしいのは他にもあって、「シャーレ脳」なるもの。
脳みそだけでネズミの脳を2年生かすことができた、と…完全にSFの世界だ!
となると、実存、自分、とはなんなのか......。
私はAIでも、シャーレ脳でもないはずだけれど、私は本当に生きていて、今を生きているのか?
なんだか不安になってくる。
282頁からの、正常とはなにか、異常とは何か、という問題提起については、賛同する。
自分が理解できないことがイコール異常ではない、という主張は、私も同じ考えだ。
「普通」でない子供を抱える身としては、そのように考える人がいるというだけで、力強さを得られるのだ。
投稿元:
レビューを見る
「自閉スペクトラム症」という病気というか、個性というか、そういうものがある、それに悩んでいる人が多くいる、ということを認識。何故脳が「時間」を感じられるのか、そもそも「時間とは」?興味深い。忘れるのは夫の顔から、そうかぁ。「オキシトシンは近い者をより近くし、遠い者をより遠くする」とのこと。巣作りと外敵の排除。自分の位置付けはそうだったのかぁ、と溜息