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日本にいるCIAの工作員を養成していたのが実は日本人女性というのは驚きだったけど、そういう社会派ものというより、CIAからメダルを授与されるほどの活躍を見せ、本人も「ガラスの天井を破った」というほどの成功をおさめた、ひとりの女性の生き方を描いた本といったほうがいいかと。もっともその輝かしいキャリアの裏には、いろいろな葛藤もあったりするわけで、そのあたりもしっかり描かれるので、単なるすごいキャリアウーマン(死語)の話になっていないのがよいところ。読んだあと、彼女の人生とはどんなものだったんだろうと、ちょっと考えてみたくなる。
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【私はCIAで、ガラスの天井を突き破ったのよ】(文中より引用)
戦後間もなく英語を学習するためにアメリカに渡り、その地でCIAのスパイに日本語を教える養成官となったキヨ・ヤマダ。謎のヴェールに包まれた彼女の足跡をたどりながら、CIAと日本の関係についても踏み込んだ作品です。著者は、『ゼロデイ:米中露サイバー戦争が世界を破壊する』などで知られる山田敏弘。
一人の女性の数奇な人生を通じて国際情勢の機微を垣間見ることができるだけでなく、往時の女性が置かれた立場と社会の関係についても示唆が得られる作品。年齢を重ねるに連れて自身の秘密を吐露していく様子に、彼女の抱えていたものの大きさが感ぜられました。
複雑すぎる人生だったと言って過言ではないかと☆5つ
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図書館で借りた本。戦後、山田清はアメリカに留学中だった時に猛アタックを受けスティーブと結婚。英語を勉強中に伴侶を持ち、ますます英語上達。そしてCIAの日本語講師になる人生を歩むのだが、この人はキャリア志向が高く努力もしていた。実家にいる時は常に優秀な姉と比べられ早く自立したかった。仕事で出世する事を生きた証にしたかったのかも。
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CIAで日本語を教え、多くのスパイを育て上げというキヨ・ヤマダ。教え子たちは数々の対日工作に関わり、キヨ自らも秘匿任務に従事していたという。彼女の数奇な人生。
40半ばすぎてからCIAの世界に入ってゆくというのも、そしてその仕事で力を発揮する、すごい才能の持ち主だったのね。極秘に関わることも多いでしょうし、あまりキヨさんのことは深く描かれず。その時代のことやCIAのことが織り交ぜられ、わりにさっと読めてしまった。
『戦場のアリス』でもそういったスパイがいたんだと初めて知ることでしたが、今回もキヨさんのことを初めて知り、興味深く。この本の内容がどこまで真実か謎だし、もっとハードな内容もあったかもしれないけれど、日本人としての苦労、女性としての苦労、それに負けず活躍されていた女性がいらっしゃったのね、興味は尽きない。
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CIAで日本語を教えていた日本人女性の話。とても面白かった。
大正時代に名家で生まれ、昔ながらの男性優位・長子優先の家庭と社会が憎いほどまでになじめず、アメリカで語学の専門家としてのキャリアを目指す。CIAに入ってキャリアをスタートしたのが40代と、決して早くはないタイミング。しかし、語学のみならず、日本の文化も真摯に教えるスタイルで、CIAの語学講師として極めて優秀なポジションにつく。各国の情報収集に語学力は不可欠であり、CIAのなかで言語に関するスキルは、数ある必要な要素の中でも大きなウエイトを占める。したがって、語学講師の役割・責任は非常に大きく、その中で成し遂げた彼女の実績と貢献は、機密上、表には出ないが、しっかりと組織に認められている。