紙の本
火村英生、国名シリーズ10作目
2022/02/10 02:38
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あおい - この投稿者のレビュー一覧を見る
国名シリーズ10作目、火村英生シリーズ。
中編と短編を交互に5つの事件が入っている。
中でも題名にもなっている3つ目の話「カナダ金貨の謎」が面白かった。初めから犯人が分かった上で入るのも、何度も視点が犯人の目線で語られるのも新鮮だった。犯人から見た探偵と助手の印象が書かれていたのも良かった。
今回も2人のおどけたやり取りもあり、楽しませてもらいました。
ストーリーには関係ないですが、2人の信頼関係がたびたび窺えるのも個人的萌えポイントでした(笑)
ファンとしては二人の出会いのストーリーが短編で読めたのも嬉しかった。
投稿元:
レビューを見る
〈国名シリーズ〉第10弾、中編3本、短編2本。
「船長が死んだ夜」は「7人の名探偵」に収録されていたものなので再読。過去の事件に関する調査に訪れていた先で事件に遭遇する。船長と呼ばれていた男が刺殺されていた現場の壁からはなぜかポスターがはがされていた。
「エア・キャット」は死に別れた猫の幻と暮らしていた被害者の話。火村が猫好きなのを改めて認識した。
「カナダ金貨の謎」は珍しい倒叙物。被害者のつけていたカナダ金貨のネックレスはなぜ持ち去られたのか。
「あるトリックの蹉跌」は有栖川と火村が大学で出会った時の話。有栖川の書く小説を読んだ火村が犯人を推理する。
「トロッコの行方」は歩道橋から落とされた事件。まさかと思う結末。
投稿元:
レビューを見る
国名シリーズ最新作はカナダ。
随分と久し振りのような気がしていたが、前作『インド倶楽部』は18年だったのか。あっちは長編だったから久し振りに感じるのかな。
JTとのタイアップ短編が紙で読めるようになったのは嬉しい。短編としても短いものだが、けっこう好きだったのだ。
投稿元:
レビューを見る
作家アリスの国名シリーズ第十弾。短編集。「エア・キャット」と「あるトリックの蹉跌」は火村とアリスのコンビが大好きな人間にはたまらない作品。特に「あるトリックの蹉跌」の若い頃の二人のやり取りは可愛い。表題作でもある「カナダ金貨の謎」は倒叙ものでもあるのだけれどあそこまで犯人の思考を読める火村先生はさすがである。
投稿元:
レビューを見る
2019年84冊目。こんなにも早く国名シリーズの新作が読めるとは。「船長が死んだ夜」アンソロジー以来の再読。些細な手掛かりから犯人特定に至るロジックが見事。「カナダ金貨の謎」表題作としては少し弱いかな。珍しく倒叙もので、犯人側からみる火村の底知れなさよ。「あるトリックの蹉跌」二人の出逢いを掘り下げた短編。この頃から慧眼の火村、さりとて見破れないものもある。
投稿元:
レビューを見る
中編と短編が交互に入っていて、サクサク読める1冊でした。
有栖川先生の書かれる「アリス視点」(通常はこのパターン)が好きですが、カナダ金貨のように「犯人目線」で書かれるものも好きです。
あまり本数がないせいかとても印象に残りやすく、どうやって火村先生が犯人を追い詰めていくのがワクワク出来るからでしょうか?
火村先生とアリスくんの出会いのお話「あるトリックの蹉跌」、良い意味で犯人が読めなかった「トロッコの行方」楽しく読ませて頂きました。
トロッコの行方はあとがきにて担当さんの発言にもあったように、残りのページ数が少なくなってきてるのに犯人が出てくる気配が全くなくて焦りました笑
序盤の話が長いというより、まさにトロッコが急停車するかのごとく終わり方でした。完敗です!
投稿元:
レビューを見る
『インド倶楽部の謎』から1年でまた国名シリーズに出会えるとは! ファンを喜ばせる短編から切れ味鋭い中編まで、火村シリーズ新作におおいにこころ躍らせた。『船長~』のみ既読だが、内容を忘れていたので問題なく(?)楽しんだ。『エア・キャット』のアリスだから見当がついただろう結末、『~の蹉跌』の「カレー食べたい!」とおもわせるワクワク感、のあいだに配置された表題作。これがもう、有栖川先生の持ち味が中編とはおもえないほど出ており、しばらく余韻に浸った。『トロッコ~』はいつの間に? という感覚が拭えない。読み返そう。
投稿元:
レビューを見る
20190925 読了
変わらずいつもの上品な筆致、長さもバラバラの短編集。
毎回どこかの地の文でクスッと笑わせてくれるところがあって好きなんだけれど、「船長が死んだ夜」については野上さんの登場シーンで声を上げて笑ってしまった。
准教授の免停も。
警察関係者が大勢出てくるシリーズだけど、野上さん大好きだなぁ。火村先生が免停だって事情は聞いたのかな。どんな顔をしたろうか。
表題作「カナダ金貨の謎」は、倒叙もの。倒叙物でもそうでなくても、普段の語り手アリスが第三者の視点で描写される作品は、その描写に注目してしまう。普段、准教授のファッションについてはアリスの視点から語られるけど、本人自分の服装については語らないし。
読み進めるうちに過去の「スイス時計の謎」を読みたくなる。記憶にないから、たぶん読んでないんだと思う。読みたい本が増えて困るな。
その他印象。
「エア・キャット」火村先生と猫。
「あるトリックの蹉跌」学生時代の2人。
「トロッコの行方」トロッコ問題への火村先生の解釈。
投稿元:
レビューを見る
読んだことあるやつも2編あったけど、どれもよかった。
好きなのはエアキャットだけど、トロッコが印象深いかな。
投稿元:
レビューを見る
国名シリーズ10冊目。表題は珍しく倒叙なのでちょっと雰囲気が違う。『トロッコの行方』も全体のまとまりとラストのスパッと感が好き。掌編だけどアリスと火村の出会いの時の『あるトリックの蹉跌』が1番好き。
投稿元:
レビューを見る
有栖川有栖は僕に本格ミステリの面白さを教えてくれた大恩人なのです。
それは「本格ミステリ」とはなにか?の答を示してくれた作家とも言えます。
本格ミステリとは、探偵役が真実に辿り着く過程(推理)の流れが美しい作品である。それが僕が有栖川有栖作品から読み取ったものです。
国名シリーズ最新刊。表題作ほか中編短編が5編収録。
驚愕のトリックだとか、大どんでん返しとか、そんな派手なものはありません。どちらかと言えば地味な作品ばかりかも知れません。しかし滅法面白いのです。
ミステリ的な面白さはもちろんのこと、このシリーズの魅力は何より火村とアリスの掛け合いでしょう。今回はふたりの出会いの場面がより詳細に書かれたものもあり、シリーズのファンを楽しませてくれます。
何故金貨のペンダントは絞殺された男から奪われていたのか、殺された男の部屋から無くなっていたものが意味することは、歩道橋から突き落とされた被害者に投げ掛けられた「たかりや」という言葉。その謎を火村が美しく解き明かします。
投稿元:
レビューを見る
短編集ですね。
図書館で待たされ、借りる時はどばっと来て延滞したので、急いで読んだ。
この国名シリーズは、新刊が出れば読むと思う。
投稿元:
レビューを見る
短篇3作中篇2作からなる国名シリーズ。珍しく1年という短いスパンで刊行されました。
表題作は珍しく倒叙もの。どこから綻びが生じるのかドキドキしながら読みました。
「あるトリックの蹉跌」はファンサービス的な火村とアリスの出会いの詳細。アリスの作品に対して気を使う様子の火村が初々しい。
投稿元:
レビューを見る
国名シリーズの中短編集。これが第十弾で、本家エラリー・クイーンのシリーズを数では超えた事になる。あちらは長編だし、比べる必要は無いのだが・・・。
今作もまあ、安定というか、普通に面白い謎解きミステリだった。3つの中編にしても、限られた容疑者の中から犯人を捜すのであって、火村の推理が冴え渡るという程では無い。そこだけが若干不満だけど、相変わらず有栖との掛け合いは楽しいし、フェアプレイに徹しているのも素晴らしい。大好きな作家だから評価は甘くなるが、今作も傑作だったと言いたい。
投稿元:
レビューを見る
火村英生と有栖川有栖との出会いの場面があった。
ドラマも見ました。火村英生の斎藤さんはいいのですが、有栖川有栖の窪田正孝さんはなんかイメージが私の中で違っていてしっくり来ないのです…。