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物心ついたときに当たり前のようにあったコンテナ。一人の起業家の一途な信念から生まれ発展を遂げます。数々の困難を乗り越えて現在に至るまでのストーリーは秀逸です。
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面白いんですけど、多過ぎるのと、冗長な表現が多い
アメリカの著者っぽいなーと思うけど、どうでしょう
ちょっと金太郎飴感を感じてしまい、全部読み切るにはしんどいと思ってしまった
頭と末だけ読みました
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普段は余り気にしない、よく普通にみるコンテナですが、実はそのコンテナの発明と普及が、世界の物流を根本的に大きく変えたという事実に驚きました。
規格の統一により船便と陸便の相互行き来を簡易にし、自動化を可能にし、物流の大きな発展につながったそうです。現在世界中の製品が手に入る便利な世の中になったのも、実はコンテナの発明が大きく寄与していたという事実に感嘆を覚えました。
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物を作って運んで売る。半世紀ちょっと前の世界を想像するところから、話は始まる。
出来上がった製品は箱詰めされて、トラックや鉄道で港のそばの倉庫に運ばれる。中身はバラされて、検品される。船が着くまで留め置かれるが、船がいつ着くのかは分からない。船がついたら倉庫から運び出されて、クレーンで吊るされて船に乗せられる。船倉内では、航海中に荷物が崩れないように、手作業で積みつけられる。
港には荷物が滞留するので倉庫が要る。荷役は全て手作業なので人手がいる。荷物が動けば傷むこともあるし、所々で盗まれることもある。荷物の保険料も高くなる。荷の積み降ろしには時間がかかり、その間船は当然停まったまま。
それが今は、製品が工場から出荷され、港まで運ばれ、そのままの姿で留め置かれ、船が着けばクレーンで積み込まれる。
買主の下に届くまで誰も荷物に触らないので、荷役の人手は減るし、荷物が傷んだり盗まれたりする事もない、保険料も軽くなる。船や港は巨大化・効率化され、運賃の単価も下げられた。
なんでそんなことができるようになったのか、それはコンテナが生まれたからだ、という話。
物流にかかる巨大で広範なインフラが整備されそこにフィットする構成要素としてコンテナが生まれたのではなく、コンテナがまず規定されてそれに合せてより大規模な船や港が規定されたという順番なのが興味深い。
そして、規格化された箱に荷物を収めるというブレークスルーが物流の諸課題を一挙に解決していく話かと思いきや、そうではないというのが本題。
既存の海運業者はコンテナ化などうまくいくはずがないと高を括った、港の労組は雇用不安から抵抗する、勝者総取りのゲームの中で港湾では投資が過熱する、鉄道・トラック輸送とは時に争い時に手を結ぶ、規格化を巡る交渉、原油価格と荷量という2つの外部要因により業況が大きく変動する、荷役という仕事には劇的な変化が起こる。
箱によるイノベーションは、一筋縄では行かなかったり、あるいは時に想像以上の変化・影響を与えたりしながら、船と荷物が世界を結んで行く、世界はもっと複雑になる。
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物流の勉強のために読み始めました。
海洋物流や国際物流は普段の生活では意識することはなかったですが、実はものすごい勢いで世界を変えたのは、コンピュータとインターネットだけではなかったということがわかります。
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「現代のワールドサプライチェーンを作ったのは紛れもなくコンテナである」
マルコムマクリーン=トラック野郎が時代を先取りしまくっていく様子が痛快に記されている。
「コンテナより、コンテナで輸送する仕組みこそがイノベーション。」
「発明はされていても、それが使われるようになるまで時間がかかる。」
ビジネスの根幹を思い出させるフレーズも登場する。
コンテナ普及までの困難は以下の通り。
・沖中士組合との対立
・規格化:コンテナサイズから荷役機器、金具に及ぶ
・ICCの妨害
・鉄道輸送との対立
・ベトナム戦争
・供給過多
・規模の経済を活かすためのコンテナ船巨大化
・バービーちゃんはコンテナがもたらした産物
中でも14章ジャストインタイム、15章付加価値の内容は一番面白い。コンテナが世界の製造業、貿易を変えたことを確信させてくれる。
コンテナに関わる方、すなわち全世界の消費者にとって価値ある1冊。
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一見、金属で作られた単なる”ハコ”として極めて無機質なコンテナ。この一見何気ないように見える”ハコ”が実は国際物流のコストを劇的に下げ、そしてその結果として原材料産出・中間製造・最終製造といった各プロセスごとに最も地の利がある場所を選定することができ、それはグローバリゼーションという形で結実することになる。
本書はそうしたコンテナがいかに登場し、国際物流の極めて多岐に渡るステークホルダーの中で物流を、そして世界を変えていくかを描いたノンフィクション作品である。既にサプライチェーンという言葉が経営の世界で戦略的な重要性を持って語られるようになって久しく、サプライチェーンという概念のない企業活動というのは想像すらしにくい。
しかし、本書を読むと、国際物流というのは極めてムダと不合理に溢れ、サプライチェーンを構成する様々なプレーヤーが低コストな物流によってシームレスにつながっているというのはかつては想像すらできなかった、ということがよくわかる。コンテナという”ハコ”を船・トラック・列車といった様々なモビリティで共通的に運べるようにするという相違工夫がなければ、そのような世界はいまだに実現していなかったのかもしれない。
単なる”ハコ”に過ぎないコンテナが、当初の想定を超えて広く世界を変えていくという様は極めてエキサイティングであり、示唆に富む一冊。
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【感想】
2020年の夏ごろから、コンテナ船の運賃が徐々に上がっている。
原因の1つ目はコロナによる物流の停滞だ。本書でも述べられているとおり、コンテナがもたらした革命は箱そのものにあるのではなく、供給者から消費者までの間のサプライチェーンを効率的に融合させたことにある。
コンテナといえば船輸を思い浮かべがちだが、海上移動は運送全体の一部分でしかない。実際には荷主による出荷、トラック・鉄道会社による運送を経て船に積まれ、海上を運ばれる。揚げた先で更に陸路輸送を行い、やっと消費者のもとに届けられる。
この「陸路輸送」の部分が、コロナで停滞した。港にはコンテナの積み下ろし待ちの船が増えていき、遅延がひどく発生するようになったのだ。
原因の2つ目は、単純に需要が増加したからだ。コロナによる巣ごもり需要で、家具や家電を中心にモノの需要が上がった。需要に対して供給元はコロナで歯止めを食らったままであったが、世界の工場である中国のコロナ回復が予想以上に早かった。供給元が息を吹き返すことはできたものの、中国の取引相手である欧米の物流はストップしたままである。これが世界全体に波及し、運賃の上昇が起こった。
ちなみに、コンテナ船業界は赤字が常態化しているという。
2018年には、川崎汽船、商船三井、日本郵船の海運大手三社が定期コンテナ船事業を統合し、「ONE」を設立する。しかし収益の改善は厳しく、その後、海運業界の国際カルテルである「ザ・アライアンス」に参加。業界の再編によりなんとか生きながらえている状態だ。
コロナにより需要がいったん増加したものの、業界全体が回復できるかは分からない。まさに今潮目にいると言っていいだろう。
現状、商船の収益性を向上するためには、「積載量を増やす」か「価格を安くする」の2択であり、過当競争が避けられない。ここから収益性を改善するべくイノベーションを起こせるか。
今や、マクリーンが起こしたような「革命」を、海運業界は再び欲している。
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【まとめ】
1 コンテナはいかにして世界を変えたか?(概要版)
コンテナが出現する前の世界では、モノを輸送するのは実にカネのかかることだった。輸送費があまりに高くつくせいで、地球の裏側に送るのはもちろん、アメリカの東海岸から中西部に送るだけでも経費倒れになりかねなかった。
コンテナの登場で、モノの輸送は大幅に安くなった。そして輸送費の下落が、世界の経済を大きく変えたのである。
まず、輸送にかかるコストが大幅に安くなることは、輸出品と輸入品の増加を促す。港における作業時間も圧倒的に短くなり、取引のスパンが細かくなる。巨大なコンテナ専用船の荷役は、小さな在来船と比べ、人手も時間も60分の1で済むからだ。
変わったのはモノの値段だけではない。経済のありかたも変わった。
消費地に近いことだけが取り柄の高コスト体質のメーカーを、グローバリゼーションの競争市場に巻き込んだ。地場産業をアウトソーシングに切り替えさせ、世界経済の統合を促したのである。
おそろしいスピードで進行する港での作業によって、コンテナ貨物は全世界をカバーするシームレスな輸送システムを移動していく。1日800キロ移動し、貨物がいっぱいに詰まった35トンコンテナ1個の運賃は、ファーストクラスの航空券1枚よりも安い。港でかかるコスト――貨物を一つひとつ揚げ積みするのにかかる人件費や係船料が切り詰められたおかげで、商品価格に輸送費が上乗せされすぎることが無くなったのだ。
また、時間の節約と正確性の向上も実現する。コンテナとコンピュータの組み合わせによって荷役の時間が驚異的に短縮され、保管の手間がかからなくなった。ジャストインタイム方式で、顧客が必要なときに生産し、コンテナに収めて指定時刻に納品する、ということが可能になった。これによってメーカーは在庫を大量に抱える必要がなくなり、サプライチェーンの信頼性が高まったのである。
2 昔ながらのふ頭
かつて港湾作業が労働集約型産業であったころ、海上貨物輸送にかかる経費の60~70%は、船が海にいる間ではなく、波止場にいる場合に発生していた。そうなると、港湾設備の改善や大型船の建造に投資するのはほとんど意味を成さない。人力で荷役をする限り、作業時間を短縮し港と船を効率よく使うことは到底望めなかった。コンテナが登場してからも、しばらくの間は在来方式よりメリットがあると思われていなかった。
3 マクリーンの登場
海運業の改革は、トラック一台から財を成したマルコム・パーセル・マクリーンの登場によって始まる。
1953年、すでに運送業界のトップランナーとして活躍していたマクリーンはとあるアイデアを思いつく。混雑した沿岸道路を走るぐらいなら、トレーラーごと船に乗せて運べばいい。荷揚げ港には別のトラックが迎えに来て、トレーラーだけをピックアップすれば事足りる。また、トレーラーから車輪を取っ払ってただの箱にすれば、段積みが可能となり、より省スペースで輸送できる。
積み下ろしの際には、船に据え付けられている専用のウインチを取っ払い、ふ頭側にクレーンを設置すればよい。コンテナにスプレッダーを取りつけてウインチで吊り揚げれば、沖仲仕がコンテナの屋根によじ登ってクレーンのフックを固定する必要はない。
なによりコストが低いのだ。中型の貨物船に一般貨物を積み込む場合、56年当時はトン当たり5.83ドルかかったが、マクリーンの船ではトン当たり15.8セントしかかからなかった。
輸送コストの圧縮に必要なのは単なる金属製の箱ではなく、「貨物を扱う新しいシステム」なのだということを、マクリーンは理解していた。
ガンは「海運業界の意識」である。船よろしく変化の遅い環境に慣れきっており、潤沢な補助金のもとで経営をしているため、イノベーションを産もうという土壌もない。マクリーンは海運業界に革命を起こしてやろうと決意したのだった。
4 ニューヨーク港の没落
コンテナリゼーションは、ふ頭に勤める労働者と、ふ頭以外で運輸業に携わる労働者にも多大な影響を与える。港に近いというメリットが用をなさなくなったのだ。ニューヨーク側のふ頭を利用する船の数は減り、トラックの数も減っていく。輸送コスト構造の変化は製造業全体にも波及し、工場が一斉にニューヨークから郊外に移転し始めたのである。
5 規格
米海自管理局は、サイズがバラバラのコンテナ開発に規制をかける。高さに関しては8フィートで各船会社から合意を得たが、幅と長さ、積載量については紛糾する。誰もが自社の流通経路に合うよう、自社製造コンテナのサイズを最適化していたからだ。
その後、長さ10、20、30、40フィートコンテナが米国規格から国際規格になったにもかかわらず、規格外のコンテナは堂々と流通していた。
1965年までは、バラバラのサイズ、バラバラの金具がコンテナリゼーションの発展を妨げていたが、1966年にサイズと隅金具が定まり、国際コンテナ輸送の見通しが立ってきたのである。
6 ベトナム戦争
1965年冬。アメリカ政府はベトナムへの緊急増派を開始し、たちまち物資補給の混乱が始まる。これを解決したのがコンテナリゼーションだった。
当初、ベトナムに積み荷を安全に下すのはほとんど不可能だった。水深が浅すぎて外航船は桟橋に近づくことさえできず、かつ米軍は16種類もの補給方式を運用していたにもかかわらず、中央管理システムの類は一切存在しなかった。港は船でパンク状態になり、ふ頭に揚げられた貨物が何日も野ざらしになっていることも少なくなかった。そして、荷の大半が混載状態だったのだ。
この事態に手を挙げたのが、マクリーンが創設した海運企業「シーランド」だ。突貫工事によりカムラン港を大型コンテナ港に生まれ変わらせ、大型コンテナ船が一週おきにコンテナ600個を規則正しく運ぶようになった。こうして、コンテナリゼーションが兵站改革の一端を担うようになったのである。
7 他国の台頭
コンテナ・ブームの第二幕が繰り広げられたのは太平洋だった。
マクリーンはベトナム戦争からの戻り船を横浜と神戸に寄港していた。この間、日本とカリフォルニアの間を行き交うコンテナ貨物の量は、重量ベースで北大西洋全体の2/3に達している。わずか3年足らずで、日本からアメリカに送られる輸出貨物の1/3がコンテナ化されたのだ。
コンテナのメリットを最初に実感したのはエレクトロニクス・メーカーであり、日本製品はアメリカ市場を、続いてヨーロッパ市場を席巻するようになる。日本以外では香港・台湾・シンガポールといったアジアの国が好調であり、コンテナ供給量はどんどん拡大していった。
そして、需要以上に供給の拡大が続いた結果、貨物の争奪戦が起こり、運賃は下がっていく。コンテナはバラ積み船に比べて建造費用が3倍もかかり、かつコンテナを港から港まで運ぶだけなので、ビジネスモデルに差がつかず、価格競争が起きやすい。そうなると有利なのは物価の安いアジア周辺国家だった。
マクリーンが持ち株を売却しR・Jレイノルズの取締役会をひっそりと去って行ったのは、1977年2月のことだった。
8 巨大化
船は大型化の一途を辿っていく。コンテナ輸送における規模の経済の効果は大きく、しかもはっきりしていたからだ。
1966年に大西洋を横断した最初のコンテナ船、シーランドの「フェアランド号」は全長140メートルにす��なかったが、1988年になるとパナマ運河を航行できないほどの大型船も発注されるようになっていた。
これに合わせて港も大型化していく。大きい港は道路や鉄道の便もよいため貨物が滞留することがなく、処理能力が高いほどコストは下がっていくからだ。
9 これからのコンテナ
市場は何度もまちがいを犯し、民間部門も政府部門も何度も判断を誤った。そのたびにコンテナリゼーションは足を引っ張られたが、ついに「貨物を箱に入れて運ぶ」メリットと劇的なコスト削減効果が威力を発揮し、コンテナリゼーションは世界を席巻した。
今やこの箱は、ひどく厄介な社会問題を引き起こすようにもなっている。
①大量のコンテナが放置されるようになった
②ディーゼル燃料で動くコンテナ船やトラックなどの排気ガスが深刻な環境汚染を引き起こしている
③コンテナがテロに使われるようになり、公安局がセキュリティ強化に頭を抱えている
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ニューヨークを拠点にした、ギャングの起源を知ることができる。なるほどそういうことか!そして、偉大なイノベーションを、もたらした、マルコムマクレーン。全く知らなかった…。今なお、物流業界は変化しつつある。
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書店で購入し、読了。イノベーションのきっかけや生み出し方が知りたくて読み始めた。ビルゲイツやひろゆきなどもこの本を称賛しておりそれも読もうと思ったきっかけのひとつ。
この本の主題は「コンテナという一つのただの箱が世界を変えている」ということだ。この箱をきっかけに、コスト削減、時間短縮、生産性の効率化、ひいてはグローバリゼーションを育んだ。
特に印象に残ったのはマルコム・マクリーンというコンテナ輸送の父と呼ばれる人物だ。22歳で運送会社を正式に設立し、徹底的なコスト意識とマネジメント力で会社を成長させていった。またこの会社の成功に留まることなく、海運業界にも参入し、グローバリゼーションの流れを担った。そして財務に精通していたマクリーンはアメリカ初のLBOも行った。また彼は海運業界に参入する際、資産を全て注ぎ込んだ。「本気で取り組むには退路を断たなければならない」というマインドがあったからだ。起業家にとって、このマインドは一番大切だと感じた。
電球という発明は実用化までに数十年かかった。発明の経済効果を生み出すのは発明そのものではない。「それを実用化するイノベーションなのである、もっと厳密には、組織制度の変革が必要なのである。」自分は後者を生み出せるような人物になりたいと思った。
コンテナのおかげでベトナム戦争などで物資の供給を可能にしたし、日本の輸出力が高まり経済成長につながった。
「大事を成し遂げるには退路を断つ」
「自分の成るべき姿は発明家ではなく、それを実用化させるイノベーターになること」
この二つを学んだ。輸送の歴史を学びたくなったらもう一度この本を読もうと思う。
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やっと読了!超長かったけど超面白かった。コンテナなんて当たり前の物だと思ってたけど実はインターネット並みの大発明だった。自分の仕事にはなんの関係もないけど、こういう発想がいい参考になる。読んで良かった!!
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1960年代後半から起きた、コンテナ普及による物流の革新について触れた本……と書くと本書が物流分野のビジネス書で、物流の仕事をしている人以外には関係がないように思うかもしれない。ただ、その先入観でこの傑作を読み逃すのは、あまりにもったいない。
コンテナ物流が普及する前は、海運は小口の荷物をバラバラに積んでいたため、非効率な輸送手段だった。とにかく時間がかかる港での積み卸し作業(大型船だと、数日かかる場合も!)、揺れによる積荷の破損、仕事をしてくれない港湾労働者(組合が強い港では、労働時間の半分が休憩時間ということも)。海運業界自体がカルテルと政府からの補助がベースの、文字通り護送船団方式で、改善の兆しもなかった。
それが「規格化されたコンテナにあらかじめ荷を入れて、コンテナごと目的地まで運ぶ」という方法の普及によって、様変わりした。まず、船への荷の積載量が増えた。積卸作業はクレーンとコンピュータで効率化・自動化された。荷を港で保管するときも、倉庫などを必要とせず、そのまま積んでおけば良い。積荷の破損も少ない。何より、大量の貨物を一度に大型コンテナ船で運送し、港でトラックや鉄道にコンテナを機械で乗せ替え、そのまま目的地に運搬できるようになったことがメリットだった。コンテナのおかげで、物流が世界規模で規格化され、時間やコストが正確に計算ができるようになったのだ。これは、工場の立地を考えるうえで、大きなインパクトがある。それまでは、工場は消費地の近く、または原材料の生産地の近くに立地することが多かったが、コスト計算をして予算に見合うのであれば、世界中のどこに立地してもよくなったからだ。グローバリゼーションが、「人・物・金」の国際的な横断であると考えると、コンテナが「物」のグローバリゼーションの大きなきっかけとなった言えるだろう。
コンテナによって、船や港も姿を変えた。船は積載量を増やすために大型化が進み、それを建造できる船社も限られるようになる。かつては国家との結びつきが強かった船社が、国際的な合併が進んで、いまやグローバルな巨大企業しか生き延びていけない。港も大型のコンテナ船が寄港できるような、巨額の設備投資が必要となる。一方で、船の積載量が増えるということは、寄港回数自体は減少するということでもある。港にとっては、設備投資をいかに回収していくかということも争点になってくる。これらは、都市計画にも大きな影響を与える。もっとも顕著な成功例は、シンガポールや釜山である。ここ20年で、アジアの物流拠点として、国際物流に欠かせない存在となった。
一方、本書は、コンテナというイノベーションが、どのように社会に実装されていったか、その苦難の歴史を追った本でもある。コンテナによる労働者削減を阻もうとする労働組合との交渉、コンテナの統一規格化、港湾当局との調整――。どれも一筋縄ではいかないものであり、コンテナを普及させようとする船社のもくろみは、常に想定外の事態に転がっていく。この様子が、とにかく読み物としておもしろい。「イノベーション」というとスマートな響きだが、社会に実装するには関係者との利害調整や、場合によっては妨害を排除するといった泥臭い過程が必要である。本書を読むと、そのことが嫌というほどよくわかるのだ。
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コンテナの歴史およびその普及が与えた経済的影響をデータを元に解説している本。
AIやITの発展によって刻一刻と産業構造が変化している昨今において、この書籍が与える規格化の重要性に関する知見は、ビジネスパーソンや就活生に対して有用ではないかと感じた。
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ー 「コンテナは単なる輸送手段の一種と考えるべきではない」とベッソンは1970年に議会で力説している。「コンテナリゼーションはシステムである。コンテナの全面活用を念頭において設計されたロジスティクス・システムで使われてはじめて、コンテナの効果は最大化される」。これは、民間の荷主がようやく気づき始めた事実であった。 ー
すごく自明で当たり前のことが、当たり前と受け入れられるようになるまでの物語。これは小説にしても面白いけど、これでも十分に面白い。港、港湾のお仕事、船、海上輸送、コンテナリゼーションの歴史がよく分かる作品。
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1 なんで読んだの?
(1) 友人の勧め
(2) 新しい興味、読書力向上
(3) カテゴリー本のレベルを理解し次の選書に活か
せる状態
2 どんな本?
全15章構成でただの箱の生い立ちから始まり付加
価値で終わる。コンテナがいかにして世界を変貌さ
せたかを綴っている本
3 問題提起
問題提起してない。
4 命題に至った理由
書いてない。
5 著者の解
解無し
6 重要な語句
(1) 沖仲仕
(2) コンテナ
(3) ILU、ILWU
(4) ロジスティックス
(5) ジャストインタイム
7 感 想
単純にこれを面白いと思える人はとても頭が良い
と思う。理解しやすい文章で分かりやすいが面白い
事ではないので、海運や経済に興味がある人で無け
れば面白いと思えるものではない。斜め読みとか出
来なかったけど初めてチャレンジできたのが収穫。
内容的には勉強にはなった。人にお勧めはしませ
ん。賢い人には勧めたいけど、賢なひとにお勧め聞
かれる事は無いと思う。
8 todo
この手の本に出会ったら斜め読み。