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小野寺さんの本が好きで、本屋で買った一冊。
「ひと」や「まち」と同じで心が温かくなる物語。
サッカーは全然詳しくないけれど、全く問題なく話に入り込むことができた。
周りから愛される人ってこんな人だよな、と思うような素敵な主人公だった。人間にとって大事なことは能力とか外見だけではないと改めて感じた。
レギュラー争いだけではなく受験や仕事なども含め、生きていく中で経験する「選ばれる側」「選ばれない側」のそれぞれの思いについて考えさせられた。主人公がレギュラーではない事を告白する場面で、叔母が「結果だけを重視する人はたくさんいる。でもそうじゃない人も、たくさんではないけど、いる。」と言ったことが心に響いた。頑張ったけれど結果を出せなかった自分の経験を思い出し、少し涙が出た。結果が重視され、批判される人も沢山いる世の中だけど、〝そうじゃない〟人がひとりでも多くいてくれたら結果が出せなかった人の心が救われるのだと思う。表には出ていない部分にまで目を向けられる人間になりたい。