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面白かった!
コント時代から著者のファンですが、今作は前作の二段階くらい文章の綿密さ、言葉の豊富さが際立ってます。
一見、大人しく見える著者ですが、抱えてる憎悪が凄まじいもので、誰もが持つ痛みとか触れて欲しくないところを読者と著者が刺し違えて血をだらだら流すような作品でした。
痛かった…色んなところが…。
又吉氏の視線の広さ、思慮深さがより鮮明になっていると感じました。
きっと苦戦して書いたのだろう、そりゃあ楽には書けないけど、ある時にふと見せる登場人物たちの繊細さが愛おしく、ふと見せる憎悪が怖かったです。
ですが、その毒も心地よく一気読みでした。
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物を作り出す人の葛藤がたくさんあった。
私には残念ながら大きく同意できるところは無かったけど。
それは作り出す人間ではないからなのかな。
何をこれから信じていくのか
そして、やはり家族の繋がりは切ろうとしても切れないものだな。
人間をやっていくのが苦手
それが人間らしい
どなたかの受け売りですが
これに尽きるのかな
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小説っぽかったのは前半の回想部分だけで、あとは、フィクションの形をとった随筆という雰囲気でした。気取った表現を使えば、狂想曲的な作品、というべきかな。あえて実験的にこのような形をとったのか、だらだらと続けたらこうなってしまったのかはわかりませんが、あまり好みではありませんでした。
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「凡人Aの罪状は、自分の才能を信じていること」
「美術館で長い時間掛けて絵画を鑑賞したあと、外に出ると見慣れた景色のなかにある、いつも目にしていたはずの色が、異常なほど際立って、奇跡のような印象で目に映ることはある」
良過ぎた、けど、伝えたいこと?がてんこ盛り過ぎて、他の人なら10冊くらいに分散して書くんじゃないかって笑、内容を受け止めるのに疲れてきてしまった。
けど、良い、又吉さんかっこいい。
思っていることをきちんと言葉で表現できるって本当に素敵なことで、例えば同じように思っていても、どう表現するか、言葉を使うにしても人それぞれ違う言葉を紡ぐわけで、その中で、又吉さんの選んだ言葉とその繋ぎ方が好きだなぁと思った。
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人間 又吉直樹
2019 10/1 初版
2019 10/26 読了
純粋で泡立っていて
何かが生まれて何かが消えていくような
想いや時間が入り混じって
今が目の前にある。
きっと全てが一生懸命で
人間であることは儚くて美しい。
弱いのか強いのか良くわからんけど
又吉直樹
もっと読みたくなる作家だ。
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沖縄までの物語が、私には重くて仕方なかった。皆がそれぞれ苦しんでいる気がして、誰一人として幸せな人がいなかったように思えた。最後、沖縄以降は少し家族を感じてほっとできたけれど・・・感想が難しい。
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+++
僕達は人間をやるのが下手だ。38歳の誕生日に届いた、ある騒動の報せ。何者かになろうとあがいた季節の果てで、かつての若者達を待ち受けていたものとは?初の長編小説にして代表作、誕生!!
+++
著者が有名人であるがゆえに、どうしてもご本人に重ねて読んでしまいがちではあるが、どの登場人物も当てはまるようでいて当てはまらず、当てはまらないようでいて当てはまってしまうのだ。著者に限らず、作中の人物には多かれ少なかれ作者自身の成分が投影されているということだろう。人間という、ひとくくりにするには厄介すぎる生きものを語るのは至難だと思う。だが、誰もが少なくとも一度は、潜り抜けたであろうと思われる、自分とは何者かという命題について、そして、それを考えたときに頭をよぎるであろう答えに似たものは描かれているように思う。「凡人Aの罪状は、自分の才能を信じていること」というのが、ひとりの人間の中にある矛盾と葛藤をよく言い表していると思う。他人の悩みを見せつけられてイラっとするところもなくはないが、それもまた人間、と思わされる一冊でもあった。
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又吉が2人いて、又吉の思考をぶつけ合っている本だった。デビュー作の火花よりもさらに又吉感が出ている。こんな小説書いてしまったら、次の小説書けるのかな。書きたいこと全て書いてしまったんじゃないかな。そんなことを思わせる。傑作。
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又吉直樹の初長編小説。
3部構成になっていて、1部が過去の青春時代の栄光と破滅までの物語、2部は現在で主人公と著者モデルとの肩書論、3部は主人公の父の故郷の沖縄での物語と捉えられました。
1部はこれまでの作品の延長上のような感じです。
2部が力作で純文学ここにありという迫力で、作者の心情を対話方式で絞り出しつくしていると思います。
3部は全く別の小説を読んでいるようでしたが、ラストで2部で吐き出した毒を昇華させていると思いました。
読みやすくはあるものの、かなり読み込まないと全体像が把握できないほど奥深い作品ではないでしょうか。
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3.5
❶影島とナカノタイチのネット上での応酬
❷影島と永山とのバーでのやり取り
❸父の田舎 名護での祝宴
❶❷は難しすぎて理解し難く(再読が必要だな)
❸おまわず クスッと笑ってしまう部分もちらほら
【ハウス】
永山 凡人A
奥 = 影島道生 いつのまに、。
中野太一
飯島さん
めぐみ
カメラの田村
カスミ
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一言で言えば、深い作品だと思いました。表面的に見たら、大きな騒動に巻き込まれることなく、ちょっとビターな出来事が起きて、余韻に浸って終わりの物語です。
でも味わえば味わうほど、様々な人間の思考が見えてきます。最初の作品は「漫才」、次が「演劇」、今回は「作家」がテーマかと思います。
まず主人公と芸人の影島が、又吉さんの分身なのではないかと思うくらい、似ているところが多々ありました。又吉さんの内なる思いが、この本で爆発しているかと思うくらい、詳細に語られています。
人間誰しも、嫉妬や感に触ると、批判したくなりがちで、今やSNSなどで匿名でやりやすくなっています。
でも一呼吸置いてみることで、色んな解釈を発見することができます。安易に書くことで、それを見た他の誰かがそれに反応し、また批判をする。
この本でも似たようなことが書かれていて、又吉さんはその渦中の視点やちょっと離れた視点を取り入れていて、冷静に分析されているなという印象でした。
文章自体は、最初の作品と比べて、読みやすくなっていながらも文学的なエッセンスが含まれていて、数を重ねるごとに余分な部分を削ぎ落としているような感じがして、段々と自分独自の文章が形成されていくのではと思いました。
決して明るい内容ではないものの、物事を見る力が問われているようで、簡単には語れないなと思いました。色んな思考や視点があるこそ、人間の面白みがあるかもしれません。
安易に批判するのではなく、どのようなことが背景にあったのか、前後はどんなことがあったのかなど、自分で調べていくことが大切だと感じました。
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「火花」「劇場」「人間」
共通するのは
「漫才」「大阪弁」「恋愛」
日常人間の行動が事細かく書いてある例えば、
朝起きて珈琲を豆から引いてそれからそれから・・・
の文章3回ぐらい出てきたぞ!
読んでて最初は文章うまくなったなぁ~と思ったが中盤以降苦痛になってしまった。私
個人的には「村上春樹か?」と言いたくなる文章でした。
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青春の吹き溜まりを「ハウス」と呼ぶ。
そういえば彼氏が住んでいた上野桜木のシェアハウスも、若い社長がやってた地下アイドルの事務所も、呼び方が「ハウス」だった。
東京に住んでいてちょっと格好つけたい我々、あるいは界隈、の人々には刺さるし、刺さるとちょっと嬉しい感じ。
最後の地元沖縄の場面に至るのが新聞小説的。
読み終わったあと一週間くらいこの本のことを考えているのでいい本なんだと思う。
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「初の長編小説にして代表作」と帯に書いていたけど、本当に代表作だった。
章が進み、場面が変わるごとに人間臭いやり取りが増えてくる感じが心地よかった。
もっかい読みたい。
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読み易くはなかった。
面白い!という内容でもないと思った。
ただ、描かれる「人間」それぞれが、又吉さんを思わせる特徴を持っていると感じた。
終わり方は個人的にきれいだと思った。