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最近、話題作が邦訳されている中国SFの新刊。
サイバーパンク的な世界と、アジア的なカオスの入り交じった作風。一筋縄ではいかない感じがする。
ちょっとパオロ・バチガルピを思い出したのは私だけ?
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近未来の中国を舞台に、電子ゴミのリサイクル事業でもうける支配階層と、劣悪な環境なリサイクル現場で働く労働者の対立?がテーマになったようなSF。
だと思うんだけど、主人公の少女が何かの力を得てしまったような感じだけど、その辺りがいまひとつよく分からなかった。
サイバーパンク的な世界観で、アクション要素が強い。
SF的な世界設定としてはあまり面白みのある部分がなかった気がする。
前評判で期待して読み始めたが、あまり入り込めないまま終わってしまった。
新型コロナウィルス感染拡大の影響で、フィクションにのめり込みにくい心理状態も影響しているのかもしれない。
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サイバーパンク的な世界観と、中国の伝統的な道教の要素が融合したSFアクション小説。随所に出てくるボディフィルムや義体部品などが世界観を表現するためのみならずにストーリーにも深く関わってきていてよかった。ストーリラインはシリコン島のゴミ人、シリコン島経営層、シリコン島再開発を目論むアメリカ人などそれぞれの視点から進み最終的に一つの終着点へと収束する。ラストも単純な勧善懲悪ではない点も良かった。
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中国のSFがすごい、とよく聞くようになり、読んでみると実際すごい。これまでの海外SFとも国産SFとも違った情緒みたいなのがある。親や土地との繋がりとかそういう。
宗教観や歴史ももちろん絡んでくるんやろうけど、そのあたり疎いのが残念……
体調と余暇の関係で細切れに読んでしまって、いまいち波に乗りきれなかったので、通して再読したい。
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まさに中華サイバーパンク。おもしろかった!
どうでもよさそうな描写が冗長だったり、逆に詳しく知りたいとこが説明不足だったりでよくわからないとこがあるけど、まあ処女長編ということで。
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誘惑に負けて読んでしまった。
三体の作者絶賛!とのことだったので読んでみた。
舞台は近未来の中国。政治、環境問題、差別問題(労働、居住区、古くからの地域の風習など)を絡めて事件は進行していく。生物学、医学的な知見をもっての科学的な描写は三体よりもライトであるが逆に生身の私たちの感覚にダイレクトに訴えてくることが多くて生々しい。ここが一番ハマるところかな。
近未来の中国の描写が、ギラギラしているのに古い中国らしさが根底にある感じがしていいなあ。
結構「血の気」の多い描写があるが、ストーリーの中心には少女と青年の純粋な想いがあり、登場人物たちもそれぞれの人生で重く暗い影を背負っていて生き様を見せてくれる。何を大事にして何を信仰しているか。そういうことの匂いが散りばめられている作品である。
ボリューム的にも三体のような読み応えはないが、人物の描き方が詩的で想像力がかき立てられる。自分の対岸にいる人間について考えることをしようという気になる。さらっと読みでも深読みでも面白く読める一冊。
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近未来の中国南東部の島を舞台にリサイクルと搾取とさらに大きなグローバル企業の搾取を背景として、サイバネティクスの行き着く先を描いた作品。ボーイミーツガールやアクションも薄らとある。
中国SFの特徴として社会的な側面が強いというものがある一方、群像劇のように登場人物が描かれていると思う。
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よくできてはいるが、アジア人の貧しい女の子がいやおうなく得てしまった異能力で人を国を歴史をすら変えようとする…って筋書きなら『ゲームの王国』のほうが上では…とかなんとか。『ねじまき少女』もあったし(ちょっと違うか)、ちょっと飽きたかもw
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好みは分かれるだろうけれど、個人的には好き。 最初は近未来を舞台にしただけの啓発系のお話かなって思っていたけれど、途中である物が出てきてから空気が変わった。冒頭からずっと「そこにある」として描かれていたサイバーパンクの各要素がぐっと太い線で繋がれてから面白さが加速。終り方も、賛否ありそうだけれど悪くはないと思う。余韻があってこれはこれであり。
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舞台がスワトウの沖合に浮かぶ電子ゴミが運びこまれる島、文中にメイカーフェアが注記抜きで出てくるSFというだけで満点。
しかも、作者はバイドゥのプロダクトマネージャー。
ゴミの中から見つけたインプラント義体をリサイクルして使うデジタルヒッピーでディストピアな話
翻訳で基板警察が必要なので星を一つ減らした(翻訳そのものはとてもいいです)けど、この作者の他の小説も読んでみたい。
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今ホットな中国SF
その中で「現代的問題」「近未来的問題」を併せ持つ。
一つは「島民」と「ゴミ人」の関係性
安価な労働力を欲するも自ら境界線を作るさまは、移民制度の問題に繋がる。ただ「方言」と「標準語」の立場が逆転してるところが皮肉っぽい。
また、「環境問題」に潜む「リサイクルの罠」。「エコロジー」なのか「エコノミー」なのか……。
もう一つは、人類による「人体」特に「脳」へのアプローチの功罪。
印象的だったのは科学進歩による「義体」のファッション化。火災で死亡した現場の義体から娘のものを探し、親が埋葬するシーン。
また、薬物ではなく脳への電気的刺激がもたらす幻想を用いたドラッグの常習化。スマホ依存症への警鐘か……,
科学というものの処方を誤るのは、やはりヒト。
もう一つ、考え過ぎかもしれないけど「シリコン島」が「香港島」に、一瞬見えた。
物語はスピード感抜群。
義体、電脳化で「GOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」で、米米が草薙素子……途中でエヴァンゲリオンにのる綾波レイみたいに……。
そして「終章」へ……
センチメンタルを漂わせながら、余韻の残るエンディングでした。
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サイバーパンク中国SF。電子ゴミから資源を探す過酷な労働を強いられた最下層民「ゴミ人」と、クリーンな廃棄物リサイクル事業とみせかけて更なる搾取を目論む先進国企業という構図からは、現実の社会問題へ深く切り込みたいという気概が感じられる。かといって登場人物を単純な加虐者/被虐者の立場に押し込めず、個々の立場を持つ一個人としての書き方がうまい。 ちなみに、ぐいぐい読み進ませる勢いがありながら(翻訳の力も大きいだろうけど)情景描写も非常に良い。それこそ脳裏にくっきりと映し出されるような映像的な文章だった。
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中国に住む人から見た世界(特にアメリカに対して)を感じ取るのにとてもいい作品だったと思います。三体以上に中国の感覚というものを知ることができたかなと思いました。しかし、中国の日本に対する感情って本当に複雑なのですね…。荒潮財団といい智子(こちらは三体)といい、ううむ…。
また、近年、気候変動の問題がフォーカスされることが多いですが、本作は電子ゴミの問題が中心に置かれており、環境問題について改めて考えさせられました。
終盤の米米の変貌ぶり等が、もはやSFというよりファンタジーに近かったですが、中国に暮らす人たちの肌感覚や感情を理解するのにとても良い小説だったと思います。
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グローバリゼーションや環境問題といった現在社会の問題を切り取り、壮大なSFの中に落とし込んでいる。物語の中では、国家間、シリコン島内御三家、また国家と環境団体など様々な対立によって、翻弄される人々の苦悩が描かれている。
搾取する側であるはずのスコットが、「この世は清潔にもいろいろあり、公正にもいろいろあり、幸福にもいろいろある。自分たちはその中から選ぶだけ。あるいは自分の代わりに選ばせるだけだ。」と考える場面は非常に印象的だった。
また、シリコン島の劣悪な環境が、想像力を刺激する比喩で表現されており臨場感がある。科学技術、土着宗教、人間の本能が複雑に絡み合い展開される物語は、結末の想像がつかず一気に読んでしまった
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後半の電脳的な展開は映像作品などで既視感あり。5人の主要人物を軸とした物語だが、いずれももうちょっと描ききれてない印象を受けた。面白いけどこじんまりしていて読了感が物足りない。もっと書き込んでくれたらどっぷり浸かれたと思うので少々残念。