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貨幣からデータ
企業から市場
集権・階層型から分権・拡散型
情報規制を収集から使用にシフトするアイデアの必要性
技術を調整という視点で捉えての考察は面白い
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従来の経済システムの需給調整メカニズムにおいて価格が代理変数(マッチングのためのシグナル)として機能してきたが、今後はデータが様々なマッチング項目に照らして突合することで取引が成立する「リッチデータの時代」に向かうと著者は説く。企業や市場、労働のあり方などがデータ資本主義への転換で大きく変わることを豊富な事例で説明している。個人的には第1章(資本主義の再起動)と第7章(資本の凋落:金融資本主義からデータ資本主義へ)が大変有益で参考になった。良書。
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所在:展示架
請求記号:332.06.Ma98
資料ID:11900493
市場vs企業をテーマに大企業の経営戦略やここ20年近くの経済市場に対する著者の世界観や税制度の考えなど意外と読みやすい本だと思います
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データの未来を考えるべく読書
メモ
・市場は意思決定が分権化されることで、優れた強靭さや回復力が生まれる重要な特徴をもつ。データリッチ市場になれば取引の効率化というメリットも。
・人類の最大の発明品は調整
・これまでは価格が情報媒体という役割を担ってきたが、あくまでわかりやすいというために使われてきた次善の策であり、様々なデータにより必要なデータを丸ごとうけとって多様な尺度に合わせて選ぶことができるようになるのではという示唆。
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ビッグデータや人工知能など新たなテクノロジーがもたらすデータドリブンな資本主義についての本。従来の貨幣に基づいた資本主義がどのように代替されていくのか、現在進行形の未来予想図です。Google検索やFacebookはタダではなく、使用料をお金ではなく個人のデータで払っている、というのがデータ資本主義なんだろうと思います。
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https://flying-bookjunkie.blogspot.com/2020/03/blog-post_15.html
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新聞レビューに魅かれて読んでみたが、私には少々難しい。ただ内容的に理解したのは、貨幣に代わるデータの価値。今までの価値観がどう変わっていく?変わったか?を丁寧に説明していると思う。確かにグーグルやフェイスブックにデータを渡している代わりにその対価を受け取っている。貨幣は渡していないが、データを渡している。そしてそのデータで世の中が円滑に回り出している。
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大量のデータが消費者自身の潜在的なニーズを引き出してくれるという考えに共感して内容に引き込まれた。これまで絶対的な価値の基準として機能していた価格(資本)がモノの価値の一要素でしか無くなるという意見はかなり思い切ったものに感じるが、そう思わせてくれるだけの内容が展開されている。
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私はむしろ「兵とは詭道なり」(『新訂 孫子』金谷治訳注)の思いを強くした。欧米人の説明能力の高さはギリシャ哲学~キリスト教文明によるものだと思われるが、大脳新皮質(=ロゴス)のレベルで戦えば、とてもかなう相手ではない。日本人の武器は万葉集である。だが三十一文字で論理を尽くすことは難しい。飽くまでも情緒で押し切る他ない。
https://sessendo.blogspot.com/2021/10/blog-post_16.html
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原題は”Reinventing Capitalism in the age of big data”、つまり、「ビッグデータ時代に資本主義を再び発明する」、というような内容で、邦題はそのエッセンスを取り込んで「データ資本主義」としています。全編読んだ率直な感想ですが、ノーベル経済学賞を受賞しているロナルド・コースの取引費用理論の色合いが非常に強い本だと感じました。本書では「市場vs企業」という対立を何度も取り上げますが、これなどはまさにコースの取引費用理論の中心論点です。コースの理論を単純化すれば、ある取引を考えた場合に、市場でのスポット取引がよいのか、自社内での内部取引がいいのか、を情報の観点から分析しようというもので、一般的に言えば、市場が未成熟でサーチコストもかかる発展途上国では企業内取引が適しているけれど、市場が成熟して透明化してきたら市場の取引(つまり外部との取引)の方が合理的だ、というものです。
これ自体はロジカルではあるのですが、データ(および情報)ですべてを説明しようとするコースの理論は非人間的な感じがするため私は正直あまり好きではありませんし、真実の一側面しか見ていないと思います。それに対して、最近ですとレイチェル・ボッツマンや、アルン・スンドララジャンなどのシェアエコの専門家が指摘しているように、「信頼」の変化が資本主義の在り方を変える、という方が本質な気がしています(詳しくは両者の本をご参照ください)。また日本が誇る経済学者の岩井克人氏も、コースの取引費用理論を表面的だと批判し、受託者責任、あるいは信任義務と呼ばれるものが企業の中核だと論じています。つまり、非常に人間臭い信頼という要素が実は経済活動の中核にあって、ビッグデータの登場は信頼の意味合いを変化させているのではないか、というのが本質的な議論だと個人的には思っています。ただこれは、どれが正しい、正しくないという議論というよりは、好き嫌いの話かもしれません。つまり本書も好き嫌いが分かれる本かもしれない、ということです。
フォローすると、著者の世界観やあるべき税制度などは面白いと感じましたし、取り上げられている事例も興味深く拝読しました。ですから、個人的に惜しむらくは、視点が情報経済学に偏りすぎ?という印象を持ってしまったことだけでしょうか。