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「わたし、あした高校を卒業式する」
満希は行人との出会いから今までを振り返る。満希の住む村に山村留学生として行人がやってきたのは小学5年生の冬。唯一の同級生の行人との距離感に戸惑いながらも、惹かれていく満希の気持ちの揺れが美しい言葉で丁寧に表現されている。
行人もまた繊細で他者の気持ちがわかる、よくできた子。だからこそ抱えてしまう辛さも後からわかってくるのだが…。
自分の言動が相手にどう受け止められるのかを考えてしまうふたり、そんなふたりの関係が切なくて愛しい。
冬の雪がふんわりとふたりを包み、雪が溶け春に向かう気持ちの良い物語でした。
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信州に暮らす5年生の満希の学校に山村留学として都会から行人が転校してきた。あることをきっかけに友だちになった2人は高3になりそれぞれの進路へと進む...。素敵すぎる2人の関係が美しい文章からあふれ出る。
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しんしんと降る雪のような静けさのある物語。
まっさらでまっすぐで、私には少し眩しかった。
行人君、なんて素敵な男の子なんだろう…
あとがきもよかった。
作者のごく個人的な想いから生まれたと知って、この物語がより愛おしく感じられる。
なんだか尊いものに触れた気がした
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ものすごくよかった。
雪の降る季節に読みたかったなあ。
信州のある村で暮らす女の子と、
都会からやってきた山村留学生の男の子、
ふたりの高校卒業までのお話。
雪の情景と赤いいろ、
都会と田舎、
出ていく決意と出ていかない決意と、
対比の描き方がとても素晴らしかった。
どこかでずっとただよっているふたりの別れの空気と、
図書室でのふたりの時間が切ない。
変わるものと変わらないもの。
締めくくりは3月の雪。
とても綺麗な物語でした。
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そんじょそこらの少女マンガのような設定。
長野の田舎で家業の農業を手伝う純朴な少女と、傷付いた心を持つ都会から来た少年。友情以上恋人未満の二人は付かず離れずの8年間のあと、とうとう別々の道へ、二人の行方は?みたいな。
いや、賞を取ったらしいし、なんか意外な展開とかあるんじゃない?と思って読んだけど、ありませんでした。
なぜ薄っぺらいかというと、中心の二人以外が全く描けていないから。
都会に両親がいるのかに山村留学をやめず、ずっといるんだからさ、両親とか、村で親身になってくれる人とか、彼が帰らない理由となるものをちゃんと書くべきでしょう。
同じ学年の子どもが二人だけでも、他の子どもとの交流あるでしょ。
しかもこの中心となる二人が。少年が頭が良くて(勉強頑張ってるというより探究心がある)、テレビやマンガには興味がなくて、人の悪口を言ったり意地悪したりしないし、背が高くて茶色い目で、でも心にキズがあるとう、パーフェクトな存在。つまらん。
少女も勉強はいまいちだけど、優しくて、飾り気がなくて家族想いのがんばり屋。
これ、マンガなら新味に欠けるってことで入賞したり本になったりしないと思うが、児童文学界はゆるいな。
毒にも薬にもならない、ぬるま湯のような作品。
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図書館でティーン向けに紹介されていた本。
第21回ちゅうでん児童文学賞 大賞受賞作品。
とても読みやすく2時間ほどで一気に読了。最後の方でほのかに恋愛要素もありつつ、全体的には満希と行人(ゆきと)の小学校~高校までの学校生活が瑞々しく描かれている。
行人は千葉から山村留学生としてやってきた。信州の村で小学5年だった満希にとって唯一の同級生となる。
私の出身地と近いこともあり、方言の「ずくがない」とか電車が1時間に1本だとかは懐かしかった。
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山村留学生として田舎に来た少年と、元々その村に住んでいた少女の交流、成長が爽やかにつづられています。描かれた描写ひとつひとつは、他愛ない日常ですが、その都度主人公たちの心の動きを丁寧に表現されていて、読んでいてあたたかい気持ちになりました。
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続きがとても気になる二人。
行人は、戻ってくるのかな?
満希は、農家を継ぐのかな?
あれこれ考えて、楽しい余韻がありました。
胸に秘めたものを抱えてやってきて、
満希たちと過ごしながら、
成長していく行人側の話も知りたい。
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何の気なしに読み始めたけど、美しくて、でもちゃんと匂いや手触りを感じる文章に引き込まれた。
文学的な感じと親しみのバランスがちょうどいい。
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恋愛小説のような、そうでないような。
もどかしいけど、
これぐらいの距離感がいいんやろうな。
児童文学ならば。
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「信州の村にすむ小学五年生の少女・満希は、都会からの山村留学生、行人と気の合う友人へとなっていく。
やがてふたりは同じ高校に進んだが、満希は地元で農家を継ぐことになり、行人は遠くの医大への進学を希望していた。
卒業式前日、中学時代にふたりで訪れた村の図書館で、行人は山村留学を選んだ理由を初めて語り始める。「第21回ちゅうでん児童文学賞」大賞受賞作品。(選考委員:斉藤洋、富安陽子、鷲田清一の各氏)」