紙の本
興味深い
2023/09/01 19:04
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投稿者:なつめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
第二次世界大戦での日本の失敗が、興味深く読むことができました。過去の判断ミスから学ぶことが、多そうです。
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ボタンのかけ違いというものは存在していて、どうしようもないのだなと。良かれと思って行動したことが、どんどん深みにハマってゆく。一人の悪人がいるのではなく、「大衆」というものがどんどん悪い方向に引きずってゆく。それが怖い。
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ミャンマーの状況を見てるうちに国と軍の関係ってどうなのか…つまり軍って国の中では圧倒的に力を持っているはずでどこの国でも簡単に軍に支配されてしまうのではと思い…言わばリファレンスとして我が国の軍の成り立ちと政治との関係を知りたいと思ったので手に取ってみた。しかしこれは労作。明治維新で日本軍ができてから太平洋戦争敗戦で解体されるまでの政治と軍との関係を丹念に書き切っている。ほぼ一年毎に何があったかを書いてあるような形式なので正直ちょっと退屈になる部分や小説ではないので盛り上がりに欠ける部分はあるのだが近代日本の政治中央がどのように発展したのか、が分かる形になっている。元々は維新の勝利者である薩長の武士団を中心とした日本軍が徴兵によるあまねく国民が参加する軍へと変貌を遂げる経緯、名高い長州の奇兵隊が暴力的に解体されたことも知らなかったし、それ故に地元の武士団との柵が薄まった長州出身者が軍の中枢を担っていった、ということが意外だった。そして何より評価が変わったのは言わば藩閥政治の権化で権力を悪どく握っていたと個人的に理解していた山縣有朋が、軍を政治から分離させることに心を砕いていた、ということかな。一般的には日露戦争で慢心した帝国陸軍が日本を戦争に巻き込んだ挙句、破滅に導いた、と説明されることが多いように思うのだけど実態はかなり乖離していてそもそも清国にめちゃくちゃな要求を突きつけて国際的な孤立を招いた大元は世論とそれに乗っかったポピュリストの大隈であったとか、元々陸軍は大陸への派兵に消極的であったとか知らなかったことが多く参考になった。植民地とそこに駐留する軍は必ずおかしなことになるので、という元々の陸軍の懸念が結果的に満洲国と関東軍という形で的中してしまうところがなんとも皮肉。諸々大変参考になりかつ興味深い作品でした。
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明治新政での建軍から太平洋戦争での崩壊までを辿る一冊。何かとイメージのよくない軍部だが、日清/日露戦争から満州事変、北支事変、対米開戦といった戦時的なプロセスと並行して政党政治の内実を分析していくことで様々な視座から考えることができる。当時の世論がいわゆるポピュリズム的であり、議会政治が腐敗していたことや陸軍にも内部抗争があったことなど含めて考えると、大正から昭和戦前までの時代は本当に複雑な様相を呈している。白黒はっきりつけようとする態度は思考の停止にほかならない。一つひとつ繰り返し丁寧に歴史と向き合いたいと改めて思った。