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恐妻家の殺し屋「兜」と、その家族をテーマにした話。
殺し屋という仕事への葛藤、足を洗いたいがそれを許さない「医師」。親子愛、夫婦愛について考えさせられ、切ない気持ちになりました。何か書くとすぐネタバレになりそう。。
この結末をなんと例えればいいか分からないのでとりあえず読んで欲しい。
再読したいんだけど、したくないような、不思議な感情をもちました。
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「グラスホッパー」、「マリアビートル」に続く殺し屋シリーズです。
前二作はいずれも長編で、個性的な殺し屋が多数登場したことで、群像劇的「殺し屋列伝」のような趣でした。
今回は連作短編形式で、前二作同様に、何人かの殺し屋は登場するものの、基本的には一人の殺し屋に焦点を当てて、ストーリーは進行します。
そして、その殺し屋「兜」は妻子がいる家庭持ちというのが、これまでの殺し屋たちとは全く異なり、凄惨な雰囲気の中に(シニカルではない)笑いと涙を添えるのに成功していると思います。
それでですね、いや殺し屋なんやから、表向きどんな風貌や物腰であっても、友達にはなりたくないと思うところなんですが、結構言動に共感したりうなずけるところが多くて、ものすごい親近感が湧くんですよ。
冒頭、寝静まった我が家に帰ってきて、玄関ドアに鍵を差して回すとき、それからドアを開けるとき、極力音を立てないように気を遣うところ。
(決して僕は恐妻家ではありませんww)
夕飯の献立に悩んでいたら、パパっと手軽にできるものや店屋物をサジェストするところ。
(もちろん僕が恐妻家なわけではないですよww)
ちょっとハードルが高いことでもYouTube見て自分でやってみてしまうところ。
(これは絶対に恐妻家ではないですよねww)
などなどなど。
あと、一人息子の克巳とのやり取りもええなぁ。
殺し屋であることを、ついつい忘れてしまい、ずずずずいーっと感情移入してしまって、特に最後の二篇では涙が溢れました。
読み終わったら、家族の寝顔をしげしげと見つめたくなるような、そんないとしい物語でした。
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本屋で全面に押し出されていてずっと気になっていて、ついに手に取った初めての伊坂さん作品。
まず主人公が殺し屋、だけど物語の主軸は日常というギャップに驚きました。
「えっ?!殺し屋が普通に家庭を築いてて、しかも肝心の殺し屋業があまりにもあっさり描写されすぎてる!!」と衝撃を受けつつも、テンポ感のある物語でするすると読める。
そして色々なことがあまりにもあっさり書かれすぎていて、衝撃が止まらない…
殺し屋にも家族がいたり大事な人がいたり、人間らしい面もあるんだろう、と途中から主人公が愛おしくなっていきました。伊坂さんマジック。
そして途中途中に挟まるハンコの印が可愛い!これは伊坂さんの作品全てに言えることですが、遊び心があって素敵です。
殺し屋シリーズは他にもあるようなので、そちらも楽しみに読みたいと思います。
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泣ける殺し屋の話。
感想を書いてしまうとネタバレになってしまいそうで迂闊に書けない。
でも何回読んでもいい。人に薦められる話。
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話の繋がりの素敵さがすぎる。
近かろうが遠かろうが、何らかの形を通して
いつか思いが形になれば本当に素敵ですね。
きっと気づかないだけにみんな色んな思いに支えられて生きているんだろうなぁ。
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殺し屋シリーズのお話。
後書き含めて読むといい。
恐妻家の一面が描かれ過ぎていて、
結婚のイメージダウンにつながる作品では?
と新婚の嫁としては少し不愉快になりました。
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恐妻家でパパで凄腕の暗殺者!
テンポ良く進んでいく主人公の日常に引き込まれつつ、中盤過ぎ…
その1行に思わず読むのを止めてしまった。
主人公応援モードに入っていただけに、何とも。
そして続く物語。
この内容を最初から最後までほっこりまとめてしまえるなんて凄い。
また読み返したくなるそんなお話。
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殺し屋の兜の表の顔は文具メーカーに勤める穏やかな男であり恐妻家である。妻と息子の克巳のため、殺し屋から足を洗いたいと考えているが、斡旋元の医師に家族と自分の命を握られ、身動きがとれないでいた。仕方なく続ける現場には意外な人物たちが現れ‥。
殺し屋という物騒な世界を面白おかしく描く伊坂ワールドが繰り広げられている、と思って読み進めていくうちに、中盤でまさかの展開に。一体この後の物語はどうするつもりか、と思っていると、いつのまにか感動的ですらある家族愛や恩返しの伏線が次々と張り巡らされていたことに気づく。
久々に作者の作品を読んだが、やはり面白かった。
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殺し屋の主人公に、恐妻家というギャップ。ギャップは人を惹きつける。そんな単純なカラクリで簡単に主人公の心理描写に引き込まれる。
本の感想とは少しズレるが、物語でたまに出てくる言葉。やれるだけのことはやりなさい。出来るだけフェアであった方がいい。誰でも言えそうな、大した名言とも言えないような言葉だけど、父親が子どもに教えられることって、こんな感じで自分が実践していることだけなのかもしれない。そう思った。
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ホント、素晴らしい!好きな作家の好きなシリーズって時点で、ほぼ成功は確約されている訳だけど、今回はこうきますかっていう、同シリーズと思えんくらいの振れ幅も素敵。『ゴーメン』がしんどかった反動もあり、読みたくて読む行為が自分勝手なものである以上、これくらい惹き付けられなきゃ意味がない。やりたくねえことやってる暇はねえ、と改めて思わされた次第。”AX””BEE"から”FINE"まで。あとがきで示された、”DRIVE"も是非読んでみたかったす。
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久しぶりの伊坂幸太郎作品を読みましたが、テンポ・リズムが良くサクサク読み終えました。
主人公である兜は殺し屋であるのにも関わらず、恐妻家である二面性を持つ強烈なキャラクターを持っています。殺し屋であるにも関わらず、フェアであることを信条に持っているのも魅力だと感じました。
殺しの場面でも、軽快なリズムで書かれているためかいつ殺した?と気づかないこともあったり、妻への接し方のハウツー要素もありユーモア溢れる作品でした。
しばらく本読んでないから、サクッと一冊読みたいと思った人におすすめの一冊です。
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殺し屋シリーズの第3作目。
一流の殺し屋だが、恐妻家というアンバランスさにユーモアがある。家族愛が裏のテーマとして描かれている。
前作マリアビートルとは違い、疾走感は無いが、連作短編として一話ずつに違った味わいがある。
最後に全ての短編の要素を回収して結論をつけるのは伊坂節といった感じ。
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殺し屋シリーズの3作目。
前の2作と違って視点となる人物がほぼずっと同じだったので読みやすかった。
前の2作で出てきた人物名がところどころ出てきて懐かしい気持ちになった。
前の2作を読んだのがしばらく前だったので、次は3作通して読みたいと思う。
終盤にかけて伏線の回収とタイトルの意味がわかってくるとゾッとするほど面白い。
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グラスホッパー、マリアビートルに続く殺し屋達の物語。普通の家族(恐妻家)という一面と殺し屋という二つの世界が不思議と違和感なく混ざっている。主人公の兜が強過ぎるのか、家族との生活描写と相まってなんだか平凡な一家庭のように思えた。表題のAXが何を表してて、そしてその意味が何なのか。シンプルにわかりやすくスカッと読み終えた。
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ひとりの殺し屋の物語であり
ひとりの父親の物語であり
フェアな物語、平等な物語『AX』
どんな人にだって、平等に幸せがあり、家族の愛がある。
どんな人にだって、平等に死があり、生がある。
繋がってるし、裏表あるし、そして平等でもある。
人生ってそういうもので、そういうことを改めて感じました。