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鉄道マニアの公務員、小日向はある日、趣味が高じて、廃駅となっている地下鉄銀座線萬世橋駅へと潜り込む。そこで思いがけず出会ったのは、地下空間で暮らす謎の集団。身柄を拘束された小日向に、彼らは政府の「ある事情」により、地下で生活していると明かす。その地下空間で起こる殺人事件。彼らを互いにマークする捜査一課と公安の対立も絡み、小日向は事件に巻き込まれていく。
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突拍子もない設定ではあるが、政府の隠ぺい体質、事なかれ主義、身内第一主義等を考えると、ちょっぴり背筋が寒くなるところでもある。きわめてシリアスな舞台の中に、廃駅オタクの区役所職員が偶然紛れ込んだことで、一見穏やかだった水面にさざ波が立ち、次第に波紋が広がるように、物語がうごいていくのである。警察側の動きには、あまりスポットが当てられていないので、切迫感、緊迫感がやや薄れた感があり、だからこそ、サクサク読める印象でもある。さまざまな問題を考えさせられる一冊でもあった。
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廃駅鉄というのが本当にいるのかは知らないが、序盤はよかった。
ただのフィクションとして読めば良いのだろうが、原発問題の絡め方や役所の姿勢の描き方が単純にすぎると思える。
鉄道マニア間の連帯感は心が温まる。
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原発事故の被害者が地下鉄の廃駅で暮していることを知った廃駅マニアの公務員がかかわることになる事件とは?
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『公務員というのは何よりも異色と異例と失敗を嫌う』
なるほど
『優柔不断な人間が最後の最後に決めたことなら信用する価値がある』これはどうかなー
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タイトルに興味を惹かれて読んだがとてもがっかり。こんな内容なら他のタイトルにして欲しかった。原発を題材にすれば何でも良いってわけじゃないでしょ。筆者はよほど国に恨みでもあるのかな。ヒポクラテスシリーズ以外は遠慮することにしました。
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主人公の小日向さんの言葉「できることをする、です」胸に響きます。自分にできることをしっかりと行いたいです。
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鉄道オタク(廃線跡鉄)の公務員・小日向。廃駅・地下鉄銀座線萬世橋駅を歩いているとそこで暮らす人々に遭遇する。なぜそこで暮らしているのか。そこの住人の一人が殺され、捜査一課と公安が捜査に乗り出す。小日向も地下の仲間とともに真相を解明しようと試みる。
鉄の要素ありの私としては、その面で多少興味が沸いて読み始めた。しかしなあ、社会派なんだけれど、まあ、どうに現実味がないというか、設定が無理ありありかなあ。鉄道に関するところは目を大きく開いて読む、内容全体的には少々残念。
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警察官を含めた公務員の悲哀を感じた。
国家は国民に何を求め、何をしてくれるのか。
政治家や官僚はどこに何に対して倫理観を持つのか。
生きる幸せについて考えさせられた。
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本来、国や行政が守らなければならない人々が、逆に国によって迫害されている。帝都地下迷宮の人々は国の御都合で消された人々。彼らは主人公にとって己の良心の価値を問い直すものであった。手助けを決めた時、損得勘定はなかった。義務感と倫理感が背中を押してくれた。他人に尽くそうとする誠意は限界を作らない。ちっぽけな一人の公務員が己のできることのめいっぱいを振るって粉骨する背中は紛うことなき善。
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楽しい東京の地下の話と思いきや、廃鉄に隠れ住む原発被害者を闇に葬るために公安が暗躍!荒唐無稽と笑い飛ばせない現代社会が怖い。最後まで次々に繰り出されるどんでん返しに、頭追いつかない。
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地下に空間があったら…小学生の頃に考えていたなぁ。ふふふ。
秘密にしたいことはどうしてもあるのだろうけど、隠しておけばいいというものでもないような。認めるところは認めてほしいもんだ。
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お勧め度:☆6個(満点10個)普通に小説としては面白かったが、ミステリーとはちょっと違う気がする。プロットもしっかりしていて、読みやすかったけれど、何というかいつもの中山さんの作風らしからぬように思える。まあ、初めての鉄道ミステリーだからかもしれないけど・・・。内容は廃駅オタクの主人公が迷い込んだ地下駅で、潜んでいた集団と関わりをもつ羽目になった公務員の冒険小説みたいな感じ。その中で殺人が起きて、公安やら警視庁から追われることになる。最後に真犯人がどうなるのかはぼかされていたけど、それはそれで有りかも。
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中山七里デビュー10周年、12ヵ月連続刊行企画第2弾
初の「鉄道」ミステリー
全体的にミステリーの緊迫度が少ない仕上がりとなってしまった感があった。初めてのジャンルと言う事もあり、背景の説明、辻褄合わせに終始したのでは。
恒例の犯人の予想は、最終候補の2人に絞っれたものの、最後の最後でどんでん返しされて敗退しました。とても残念。
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東池袋の自動車暴走事故について一言しておきたかったのかな。それともそれも設定の一つとして利用しただけかな。作者の真意は分からないけど、複数の日本が抱える時事問題をうまく取り込んだもんだ。でも一番のメインであるオタクの設定が甘いと感じるんだな。もっとオタクだからこそ知っているってところがないとね。本作の廃駅って一般にも有名なものばかり。これじゃちょっとね。
もっとも誰も知らないんじゃ、リアリティに欠けることになっちゃうか。匙加減が難しいね。
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図書館で借りた本。原発事故で被爆した八ケ部町の住人達は色素性乾皮症に罹患し、太陽の光の下で暮らせなくなり、国から廃駅地下に移住させられた。国民にはその事実は知らされておらず、住人達は闇の存在に近い。その住人達と知り合った廃駅オタクで、福祉課で生活保護申請を担当する公務員の小日向は、住人達を護る為に奮闘する話だが、住人の1人が殺害される事件が起き…
犯人は誰か?の謎については、また同じ手法の結末でそろそろ飽きてきた。どんでん返しはもうお腹いっぱい。