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日々進展する技術分野における法律の関わり方について小塚先生が執筆当時最新の事例を用いて説明
とても面白かった。また読み直したい
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AIが社会に取り込まれていく現在で、それをどう扱って行くべきかを問うた本。個人的には、倫理面の問題が面白いと思った。AIが人でさえも解決できない問題を解決できるのか。そのためには、どのようなプログラミングをすべきか。非常に難しいことだと思う。
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読みやすい
・取引の対象がモノからサービスに変化することで、法(有形物の取引(e.g.売買契約)を中心とした体系になっている)による対処が難しくなっている
・法に代わり、コード(アーキテクチャ、技術的な仕組み)によって取引のルールが決まるようになってきている(コードがトラブルの解決を図ったり消費者を保護したりするための役割を果たすようにもなってきている)
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タイトルの内容に強い関心があり、また法学は素人ということもあって、勉強しようと思い本書を手に取りました。まず本テーマに関する入門書としては素晴らしいと思います。法学を知らない人でもわかりやすい記述がなされていると思います。ただ基本的なところで違和感を持つ個所もありました。本書では冒頭に、AI時代のトレンドとして「モノからサービスへ」「財物からデータへ」「法からコードへ」という3つが提示されますが、まず「モノからサービスへ」については、別にAIに関係なく、先進国経済は1980年代くらいから進んできたわけですから、これはAI時代のトレンドではないのでは、と感じました。あえていうなら、「ハードウェアから(AIが埋め込まれている)ソフトウェアへ」という感じでしょうか。また「財物からデータへ」も、価値の源泉が変化していると言いたいのであれば、「有形資本からデータ(などの無形資本)へ」という表現の方が個人的にはしっくりきます。「法からコードへ」については違和感ありませんでした。また本書は全般的に問題提起に終始しているところがあり(AIが法学的にこういう問題を引き起こす、という形で)、もちろん本書が扱うテーマは全く結論の出ていない難問ばかりだとは思うのですが、個人的には試論でもいいので著者の思う解決策の方向についても知りたかった、という気にはなりました。やや消化不良のある読後感でした。
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AIの領域で起きている変革に法律が追いついていないことが感じられた。
印象に残ったところ
衛星から観察した石油タンクの液量をもとに、投資判断を行う投資家がいる。ふつうの人間にはこのデータの使い方は思いつかないように感じ、これはある種のインテリジェンスだと思った。
法律と法は違うらしい。法律は、国会が制定したルールのこと。一方、法は、西洋近代法をもとにつくられてきた体系で、その発展の経緯から、ヨーロッパが歴史的に経験してきた社会の仕組みを前提としてもっているそうだ。その起源はざっくりいうと、共和政時代のローマ法→ナポレオン統治下のフランス民法典→ウェストファリア条約らしい。
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2023.07.20 読了
この分野は日進月歩であり、今は少し古くなっている内容もある(例えば生成AIは当時はなかった)が、今でも十分参考になる内容が多かった。
その切り口はさまざまであるが、以下の2点が特に記憶に残った。
① 法がコードに置き換わる
現在だとメタバースなどが顕著であると思われるが、システム設計者がそもそもルールに違反する行為をシステム上「できない」ようにすることが可能である。
そうすると、その「できない」というコードを書くシステムエンジニアは立法者の役割となる。法律の重要性は劣後し、システムのほうに依存するようになる。
もっとも、かかるエンジニアは立法や法律を学んだプロではないという現状がある。
② 電子人の概念
AIが高度化し、自立判断をしたり、場合により人格を持つようになると「法人格」が必要になる。それは、現在の法律で存在する「法人格」とはまた違った「電子人」としての人格であるかもしれない。
そして、日本型コーポレートガバナンス(株主の利益を特に重視する)は、AIの設計と親和性があるというのである。日本がAIをリードする可能性についても本書で触れられている。
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契約法令に詳しい学習院大小塚教授によるAIと法令の課題フロントを巡る考察。これまでの契約や取引は物の取引を前提としており、債務と債権の相殺・発生として整理されてきたが、自然発生し共有されるデータが財の主体となる今日の経済では、従来の契約や救済(不法行為や損害賠償)では対応できなくなっている現状を導き出す。データベース権のように個体の所属に分割できない権利の存在、プラットフォーム企業に対して国家が行ってきたはずのプライバシー保護を要請し、国家は個人のプライバシー保護を放棄する中国のような共産主義国家など、現在社会が直面するAIと法の問題点は根深い。