紙の本
様々な業界における、AIに関連した近年の動向がコンパクトにまとまっています。
2020/05/01 22:43
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投稿者:Cuckoo - この投稿者のレビュー一覧を見る
AIはひとりでに出来上がるものではなく、人間の膨大な調整を経て実用化されるということがよく理解できました。
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<目次>
はじめに
第1章 誰のための技術革新なのか?~AIに翻弄される世界の労働者たち
第2章 自動運転車はなぜ人に憎まれるのか?~ギグ・エコノミーの先にあるもの
第3章 AIロボットの夢と現実~我々(人間の労働者)と競う実力はあるのか?
第4章 医療に応用されるAI~人から学ぶ人工知能は人(師)を超えられるのか?
第5章 私たちの生産性や創造性はどう引き出されるのか~GoogleとAmazonの働き方改革
<内容>
科学系ライターを経て情報セキュリティ大学院客員准教授。現状のAIについて、バラ色ではなく、かといって批判一辺倒でもなく、わりと客観的に書かれている本。5年後には笑い話かもしれないが、このルポは価値があるのではないか?
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自動運転のような未来のAI開発を縁の下で支えているが、ビッグデータ工場で働く多数のラベル付けワーカー
多面的で奥深い能力の中で、これまでAIが目立った成果を上げたのはパターン認識のみ
人から何かを学んで一人前の医療用AIに成長するという点においてワトソンとディープラーニングは基本的に同じ
ワトソンが人からマンでいるのは宣言的知識
ディープラーニングが人から学んでいるのは手続き的知識
暗黙知 言葉で明示的に説明するのが難しい知識 ディープラーニングの発達によって、そうした暗黙知までも実装できるようになった
AIが何らかの診断結果や治療法を提示したとしても、そこに至った理由や経緯を説明できなければ、患者やその家族の理解を得られない
グーグル プロジェクト・アリストテレスでわかったこと
社員一人一人が会社で本来の自分をさらけ出すことができること、そして、それを受け入れるための「心理的安全性」、つまり他者への心遣いや共感、理解力を醸成することが、長い目で見ればチームの生産性を高めることにつながる
医師の診断 過去に無数に患部画像を見てきた経験に基づいて、半ば直感的に診断している これはまさしく手続き的知識、あるいは暗黙知に該当する その点では医師の頭の中もブラックボックスといえるわけで、一概にAIだけを責めるのは不公平
アマゾン 給与水準きめるため12段階のレベルがある
レベル1−3 配送センターのアルバイトや契約社員
4 フルタイムの正規従業員
レベル12がジェフ・ベゾス
制限付き株式 restricted stock
アマゾン Lab126
Aはキンドル
B ファイアフォン 失敗
C AR失敗
D エコー
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かなりリアルタイムな時事ネタが載っていた。
働くとは何かということを問うてくる本。
つくづくAIって哲学チックだなぁと思う。
以下、印象的なシーン
・世界に行き交う大量のデータにより、そこにいる私たち自身を映し出すデータの鏡である。
→良くも悪くもデータは嘘をつかない。
・宣言的知識と手続き的知識
→演繹的か帰納的か。ルールを与えるのかルールを見つけ出させるのか。いずれにせよAIを作るのは人間なのだ。
・心理的安全性が高いほど生産性は上がる⁈
→確かに仲良い人たちで話してる方が話は盛り上がるよね。そういうことだよね?
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この種の話題は怪しい自称ITジャーナリストがいい加減な取材といい加減な理解でトンデモな話になることがままあるのだが,この著者はちゃんと取材して,理解して書いている。
断片的にしか知らなかった裏話的な話題も面白かった。
ラジオの番組で知ってAmazonで購入
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・ジョブオートメーションやギグワークに関してやや否定的な論調であるだけに、入念なファクトに基づいている内容である
・自動運転、ワトソンのヘルスケア診断、従業員のリスキル等々、根拠なく期待を煽るのではなく、現実的にできること、できないことを解説している
Author little negatively says about job-automation, gig-work, but its content based on a lot of facts.
Self-driving, AI diagnosis by Watson, Reskilling employee etc... are explained about what they can do and what they can not do based on the facts.
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前作から5年経ち、この間の世の動きを概観した書。
大括りで理解するにはとても有用な本かと思います。
もっとページ数が多くてもよいので、個々のターム、事案についてもう少し深掘りしてあると、もっと説得力があるように思います。
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いずれAIに多くの仕事が移行していくということについて、冷静に述べられていたが、技術進歩を考えると、やはり今のままの雇用種類がそのまま維持されていくことはあり得ないなぁと。印象に残ったのは、日本もフィンランドのように、AI開発大国ではなくAI活用大国になるために、国民の一定割合にAIを活用したアプリ開発をできるスキルを与えるべきとする意見。
また、AIの軍事利用や医療利用の現状のほか、Google(心理的安全性を与える自由な職場環境)とAmazon(社内ダーウィン主義と言われる競争主義)の違いや共通点(率直であることを是とする、失敗を積極的に認める)も面白かった。
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ここ数年、自動運転やロボットなどAI 技術への期待が高まっている。しかし、本当にAIは人間の未来を幸せなものにしてくれるのだろうか?AIの今の実力を、的確に分析・評価した書籍。
今、最も普及しているAI技術は「ディープラーニング」と呼ばれる人工知能だ。これを教育するには、人間が大量の画像データ等を教材にAIシステムを訓練する「機械学習」が必要になる。すなわち、ディープラーニングは人が手間暇かけて面倒を見て、何とか使い物になるレベルである。
AIによるジョブ・オートメーション(仕事自動化)が進行すると、多くの雇用が失われる。経営者らは、こうした雇用喪失への対応を考えていると言うが、実際には自動化が労働市場にもたらす衝撃については、ほとんど考えていない。
AIによる雇用破壊について、最近、研究者の共通認識となりつつあるのは、「仕事が丸ごと奪われるというより、仕事の構成要素であるタスク(作業)がAI・ロボットによって置き換えられていく」という見方だ。
もしも、そうであれば、人はAIを敵視せず、AIを上手く活かすことを考えるべきだろう。
Uberは自動運転技術の研究を進めている。だが、自動運転車の試験走行中、信号無視や死亡事故などが発生。同社は「自動運転技術の開発は失敗に終わる可能性もある」と言う。
AIロボットの開発の現状は、次のようなものだ。
・グーグルは、ヒューマノイド(ヒト型ロボット)の開発計画を進めた。しかし、目立った成果を上げられず、もっと現実的なロボット開発にシフトすることとなった。
・アマゾンは、搬送用や梱包用のロボットを倉庫に導入した。だが、商品を適切な力で掴つかみ、壊さずに取り出す技術などは、まだ実用化のレベルに達していない。よって、倉庫業務の全てが、人からロボットに置き換わる未来はまだ遠い。
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アメリカの軍事関係者もIT奇異業への技術依存を懸念する向きがある。中国はアメリカの後を追うように自律型巡行ミサイルの開発にも着手している。
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「こんなことを言ったらチームメートから馬鹿にされないだろうか」、あるいは「リーダーから叱られないだろうか」といった不安を、チームのメンバーから払拭する。心理学の専門用語では「心理的安全性」と呼ばれる、こうした安らかな雰囲気をチーム内ではぐくめるかどうかが、成功のカギを握っている。
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AIが発達した今後、世界的に仕事がどう変革するかを描いた一冊。
著者は日本の未来に希望的だが、実際のところは難しいのではないかと感じている。
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内容としては、AIやテクノロジーの話よりもその背景となる企業の利益追求の課題という話。メリットばかりではないよ、というデメリット中心なので、そういう負の要素を知りたい人にはいいかも。
ただ、両論では書かれていないことと、警鐘ばかり鳴らしても、建設的なアプローチではないよなと個人的には感じたので、これだけを読むはいかがなものかと。
シン・ニッポンのような本との違いは感じる。(あれもポジティブ寄りかもしれないけど)