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叙述トリックにやられた!
何度もページを遡りながら読んだ。
双子という単語と「ピーター」という人名が固定観念として頭にあったので見事に騙されてしまった。
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小林泰三氏の童話殺しシリーズの4作目。今回も蜥蜴のビルに癒されました(笑)
今回はピーターパン。私の中ではディズニー映画&スピルバーグ映画「フック」のイメージで読み始めたら……まぁ驚いた(笑)
とりあえず、バッサバサと人が死ぬ。虫けらみたいにサクサクと死にます。このシリーズってこんなにたくさん死ぬもんだっけ?(笑)
ピーターヤベェやつだなーと思いつつ、でも意外とコレが本質なのかな?と思っていたら、巻末の説明で納得。コレが本来のピーターパンなんだわ。夢と冒険の物語じゃないわけだ。夢と冒険がない原作の方、読んでみたいなぁ。
このシリーズならではの入れ替えトリックは、今回もまぁまぁキレキレ。
向こうの世界がなんちゅーか破茶滅茶やから、なかなか誰が誰かこんがらがったけど、後半は普通に驚いた。そっか、そういえば性別年齢関係なかったね。
てか、ラスト!え?アリス殺しに繋がるわけ?コレはシリーズ再読フラグ?(笑)
気になるやーん!!
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裏切らない面白さ。
「アリス殺し」「クララ殺し」「ドロシィ殺し」大好きな3作の続編です。
誰が誰のアーヴァータールかを推理しながら用心深く読み進めました。
が、そこかぁ!思わずとツッコミをいれてしまいました。
人を殺す事を何とも思わない純粋無垢なピーター。
強力な独裁者である彼に、従わない訳には行かない迷子達。
ピーターに思いを寄せるウエンディとティンカーベルとタイガーリリィ。
ピーターにかなわない海賊達。
残虐な行為をした「報い」は、いつものようにさらに残虐な手口で返ってきます。
描写のグロテスク感も、ミステリ感も満載で、とても好きなシリーズです。
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「アリス殺し」「クララ殺し」「ドロシー殺し」に続くこの本、前の三冊も楽しみながらも煙に巻かれるといったイメージだったけれど、こちらも。子ども向けのお話しと違いピーター・パンは途轍もないシリアルキラーでしかも記憶障害?
ある程度、あっちとこっちのアーヴァタールが関連性は理解できたけれど原作、「ケンジントン公園のピーターパン」から、並行して「アリス殺し」からすべて読み直そうかとちょっと思いがよぎる。
まだまだこの路線でシリーズが続きそうな気配。ワクワクなんだか、寒気がするんだかわからない。
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今度の題材はピーター・パン。とはいえ、童話として知っているあの物語を思い浮かべると、邪悪さへの変貌には度肝を抜かれます。でも巻末の原典についての注釈文を読むと、さほどかけ離れたものでもないのですね。意外。
今回の物語の焦点となる事件はタイトル通りティンカー・ベル殺しについてなのですが。……殺人鬼ピーター・パン、あまりに殺しすぎ! 無邪気に無造作にさくさく殺していきます。そしてそれに呼応して地球サイドでも起こる不審死の連続。シリーズ中もっとも危険な物語。この状況でよくぞ生き延びましたね、蜥蜴のビルは(笑)。
今までの作品でいろいろとやられているので、素直に読まずにいろいろ勘ぐってみましたが。それでも全部は見抜けませんでした。やっぱりやられた。そして犯人ではないけれど最低最悪だったあの人物に降りかかった報いがあまりに凄絶……そうか、そういう状況に陥ってしまうというのは思いもよらなかったなあ。恐ろしすぎる。
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最初から事件解決してないか??と思った。しかし逆にこれをどうやって物語として収束させるのかなぁという興味で読むことにしていくうちに、ちゃんと物語になっていてびっくり!!というかミステリーの罠にハマりまくりでした!世界観も全作品と被るところもなく、ネバーランドのオリジナリティに溢れていて、飽きなかったです。
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ピーターパンはよく知らないが永遠の子どもだけあって始末が悪い。ただ、常識人じゃないぶんビルとの会話にイライラさせられることがないので読む方も多少楽だったかも。名前が似ていてもアーヴァタールとは限らないのはお約束なので、その答え合わせを楽しみに読む。富久の顛末が恐ろしかった。迂闊に死ねない。さて、ビルが次に行く世界はどこかな。
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邪な感情を制御することの難しさと苦しさを痛感する作品。ネヴァーランドは人間が必死に隠している本性を写し出した世界なのかもしれない。
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メルヘン殺しシリーズ最新作。今回はピーターパン。相変わらず元ネタ童話をちゃんと知らない!けど面白い!『アリス殺し』で作り上げた舞台(設定)はとても強固で、毎回新作が出る度にワクワクさせられます。
今回はピーターパンがサイコパスな殺人鬼!?みたいな話の流れが新しい。謎解き要素としてのボリュームは過去作より大人しめな感じ。猟奇的描写も大人しめ。そもそもメインキャラが割と猟奇的なのでプラマイ0かな。
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相変わらず面白かった。『アリス殺し』の時よりも無意味で空虚でいて、しかし本質を交えるような問答は減った気がするけど、隙あらば入ってきてうんざりしつつも面白く読んだ。
名前が似ているからといって同一人物とは限らないので、疑いながら読みつつもやっぱり見抜けなかった。
そもそもティンカー・ベル殺しがどうしてそこまでクローズアップされるのか?こんなに他にも人が死んでるのに?地の文でピーターが殺してるのに?と謎に思っていたが、最後の解決でわかってすっきり。
そして富久の罪深さよ。序盤でもしかしてと疑惑は持っていたけど、おえっ気持ち悪っていう感想。妖精の女王マブの「傷を嘗め合って」という台詞がちょっと物悲しい。
富久の最後の死に方でジョジョ5部のボスの死に方を思い出した。しかしあれでみんなの記憶から無くなれば苦しみから解放されるかもしれないなと思うとちょっと救い。熊強い。あれも伏線だったのか。
日田についても、お風呂に入っていなかった理由や享楽的な生き方の理由も説明されて悲しい気持ちになった。夢の中で殺人を何度も繰り返すとかメンタルやばい。そりゃそうだ。
そして、やっぱり最後はアリス殺しに繋がる。またか。待ってた。
次も楽しみ。
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現代の地球に生きる人間の、アバター(作中ではアーヴァタール)がおとぎの世界に存在し、そちらの世界で死ぬと、地球でも死んでしまうという設定を引き継ぎ、今作はネバーランドが舞台になっている。
いつもの噛み合わない会話(なにしろ主人公は話せるけれども、蜥蜴なので…)、ピーターの鬼畜っぷり、先生の無限ループ入りを楽しく見届けました。
巻末に出典の解説があるのだが、ディズニーアニメでしかピーターパンを履修していなかったので勉強になった。
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今回のビルが迷い込んだのは「ネヴァーランド」。
いわゆるピーター・パンの世界であるネヴァーランドと、ネヴァーランドの住人のアルヴァタールが住む「地球」の2箇所で起こる惨劇。
過去作は、不思議の国やホフマン宇宙などの「お話の世界」で起きた殺人事件を、トカゲのビルがお話の世界を、大学生の井森が地球を捜査することで犯人を突き止めようとする。お話の国で凄惨な殺人事件が起こっても地球では理不尽な事故で死ぬことが多く、井森が自発的に事件を捜査しようとして殺されることはあったものの、基本的には大学生としての日常を送っていられることが多かった。
しかし、今回はネヴァーランドの閉鎖性が反映されているのか、同窓会のために集まった旅館が大雪が閉鎖されてしまい、地球でもクローズド・サークルが発生したため地球でも緊張感が生まれている。死に方はフグにあたったり高所から落ちたりと、理不尽な事故が多いため、捜査はあくまでネヴァーランドで起きたティンカーベル殺しだけだが。
また、今回のティンカーベル殺しの犯人は、最初の方から描写されている。ピーターが殺していると、神視点で描かれているのだ。
しかし、もちろんビルはその場面を見ていないし、ウェンディから探偵役に指定されたピーター・パンはネヴァーランドでは絶大な権力(というより戦闘力)を持っている上殺した相手はすぐ忘れてしまう。
ワトソン役のトカゲのビルは当てにならないながら、なんとか海賊たちや赤膚族の証言を集めていく(その過程でピーター・パンは幾人も人を殺していくが)のだが、彼らの証言はピーター・パンのアリバイを証明するものばかり。と、一筋縄では行かない。
本作の肝はピーター・パンは双子を認識できないという原作のエッセンスを生かした叙述トリック。読んでいる間の違和感が、真実を知ったらすっと解消される。
グロ描写は最後にまとめてあるが、辛いなら読み飛ばせるくらいの量ではある。
ピーター・パンがどんどん人を殺していくが、描写自体はあっさりめ。
ピーター・パンのアルヴァタールである日田半太郎は地球でも陽気で考えなしの若者のように描写されているのだが、そんな彼の腕の下に幾多ものリストカット跡があるとわかった瞬間、世界が一変する。
陽気で悩みの無いように見えた彼が、実は簡単に人を殺すピーター・パンの所業に悩み苦しみ、自分を傷つけ、それでも救われず、だからこそ何も考えないかのように遊び暮らしてきた。それでもピーター・パンの行いは止められない。日田半太郎はピーター・パンではないから。それまで何度も言われてきた、夢の中の(ネヴァーランドの)人物の行った罪を地球の人物に被せるのは意味がないし、夢の中の人物と、地球の人物は別人である。
ネヴァーランドのピーター・パンの行いに苦しむ日田半太郎は、地球の人物の行いに苦しむウェンディと対比されるような構造になっている。
ウエンディが地球のアルヴァタールの行いに苦しむ描写は少ないが、日田半太郎のように内心ではどうにかしてやめさせたいと思っていたからこそ、ティンカーベル殺しの犯��を突き止めろとピーター・パンに命じたのかもしれない。
また、ネヴァーランドの人物の性格や行いが地球のアルヴァタールにも影響を与えるとするなら、ウェンディが永遠の少年ピーター・パンに惹かれたからこそ、ウェンディのアルヴァターレも少年に惹かれた可能性があると思い、その救えなさもいいと思った。
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一人一人と消えてゆく。
あの状況で自分自身の演じている者を言うというのは、自殺行為に近いかも知れないよな。
眠ってしまった直後に目覚めるというのは、死の概念から逃れるに最高かもしれないが彼はミスを犯したせいで一生逃れられない苦痛に飲まれてしまったのだな。
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メルヘン殺し
今回はピーター・パンの世界。
後半色々明らかになって嫌悪感を覚える中、ある人物への制裁が容赦なくてこのシリーズらしかった。
この人があの人で……とか用心してたのにもう色々気持ち良く騙された。すごく面白かった。
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シリーズ4作目。
ミステリ。グロ。理不尽。
ピーター・パンの世界。ネヴァー・ランド。
相変わらずややこしい。そこも良い。