投稿元:
レビューを見る
2009/
2009/
カポーティの恋人であるジャック・ダンフィーに捧げられた一冊です。
「私はだれ」について答えが見つからない迷宮を描くのが初期の短編の多くだとすると、この作品はむしろ「私は何」と外側から枠をはめられることからとことんすり抜けていく漂泊のヒロインの物語である。
収録作品
「ティファニーで朝食を」
「ダイヤモンドのギター」
「我が家は花ざかり」
「クリスマスの思い出」
投稿元:
レビューを見る
最初はつまらないと思って挫折。
改めてゆっくりと読み返すと…心の奥底に入ってくる。
ホリー・ゴライトリーという人間が。
訳文もなかなか良かった。
投稿元:
レビューを見る
「私は怖くてしかたないのよ。ついにこんなことになってしまった。いつまでたっても同じことの繰り返し。終わることのない繰り返し。何かを捨てちまってから、それが自分にとってなくてはならないものだったとわかるんだ。いやったらしいアカなんてどうでもいい。太っちょの女だって、なんでもない。でもこいつだけは駄目。口の中がからからで、どう力をふりしぼっても、唾ひとつ吐けやしない。」
春樹節炸裂なカポーティ。
春樹ストーリーかと思いきや、カポーティワールドになるから不思議なのです。
映画のヘプバーンのイメージが強いこの話だけれど、ちゃんとストーリーをおったのは初めて!
こういう話だったのかーと、感嘆しました。
ハッピーエンドではないし、感動することもないし、読み返そうーとかも思わないんだけど、何か心に残る話。
ホリーはどこにいっちゃったのかな?
【9/19読了・初読・個人蔵書】
投稿元:
レビューを見る
ホワイトエンジェル
きたってわけじゃないんだ。そのへんが微妙でね。だからあんたの意見を聞きたかったのさ。飲み物を作ろう。新趣向のカクテルでね、ホワイト・エンジェルっていうんだ」。彼はそう言ってウォッカとジンを半分ずつ混ぜ、ベルモットは加えなかった。できあがったものを僕が飲んでいるあいだ、ジョーは立って錠剤の胃薬を口の中で溶かしながら、語るべき言葉を頭の中で組み立てていた。
今晩の用件を切り出しにくいときは、とりあえず相手にホワイト・エンジェルをおごろう。二杯目はベルモットも加えてはいかがでしょうか。
知識
ドライ・ジン/ウォッカ/ホワイト・キュラソー/レモンジュース
※ステア
投稿元:
レビューを見る
歴史に残る名作を、村上春樹訳ということでチャレンジ。
やはり物語の雰囲気が春樹っぽくなっていることに対しては意見が分かれると思いますが、それだけ影響力のある作家だということなのでしょう。
この作品が映画化され、世界中で愛される作品となった背景には、ヒロインの新進女優ホリー・ゴライトリーの圧倒的存在感があります。
登場人物、特にヒロインについては、誰もが自分なりのイメージを頭の中に描きながら、読書するでしょう。
しかしホリーについては上手く偶像を描けませんでした。
あどけない少女の一面を見せながら、男たちを手玉にとる妖艶さ。
間の抜けたようでもあり、機知に富んでもいる言動。
性に対して開放的でもあり閉鎖的でもある。
狂人のようで聖人のよう。
うーむ…作中の男性たちがなぜ彼女に惹かれたかが分かる気がします。
彼女の壮絶な生き様をぜひ体感して下さい。
「花盛りの家」「ダイアモンドのギター」「クリスマスの思い出」の短編三作も収録していますが、実はこいつらが秀作、まとめて、良い一冊です。
投稿元:
レビューを見る
ホリー・ゴライトリーがチャーミングで魅力的。
『ティファニーで朝食を』と聞くと「あぁ。オードリー・ヘップバーンの!」と誰もが口を揃えて言うが、そういうのは作家にとっては困った話なんだ、と思った。確かにオードリー・ヘップバーンには“妖艶”よりも“純潔”のほうが勝ってしまう。
「これまで試した中でいちばん効果があったのは、タクシーをつかまえてティファニーに行くことだったな。そうするととたんに気分がすっとしちゃうんだ。その店内の静けさと、つんとすましたところがいいのよ。そこではそんなにひどいことはおこるまいってわかるの。」【本書65〜66頁】
又、〈花盛りの家〉は怖くて寒々しくなった。猫の首を鍋に入れる瞬間とかもう。。。
投稿元:
レビューを見る
カポーティは先に冷血を読んでいたので、すごくストイックな文章書くってイメージでしたが、全然ちがう。
この人のよさは、小説にある。特に短篇小説に。本編以外に収められている短篇がどれもよかった。
すばらしいストーリーテラーであるけど、どの作品も彼自身がよく投影されていて、フィクションのばつの悪さが感じられなかった。
投稿元:
レビューを見る
だぁりんにもらった本、第2弾。
村上春樹翻訳の「ティファニーで朝食を」です。
なんと!ティファニーで朝食を食べるシーンは出てこなかった!もっとかわいらしいお話だと思っていたけれど、なんだかとっても、深みのあるお話でした。ホリーははちゃめちゃなようで、やさしさがあって、やっぱり魅力的な女の子でした。(ホリーの魅力は映画のオードリーには負けちゃうかも。)だけど、映画より本の方が深みがあって、映画はラブストーリーだけど、本は、ラブストーリーではなくて、自分の居場所を見つけられない女の子のお話でした。
最後に、ねこちゃんが自分の居場所を見つけられたように、ホリーも居場所を見つけられていたらいいな。
投稿元:
レビューを見る
映画をまだ見てないまま原作をよんだ。想像してたものと違った。こんなにも儚く切ない短編集だとは…!最後のクリスマスの話がいちばん好き。
投稿元:
レビューを見る
成田空港で、飛行機の移動中に何か読もうと本屋にて出会う。
トルーマンカポティーニ著、村上春樹が翻訳という事で買ってみた。
予想してた恋愛ストーリーではなく、非常に謎に満ちたお話だった。
特に前半、いい意味で裏切られました。
映画を見た方にもお勧めです。
投稿元:
レビューを見る
「草の竪琴」が予想以上に面白かったため読んでみた。中編の表題作他、短編「花盛りの家」「ダイアモンドのギター」「クリスマスの思い出」収録。
「ティファニー」は素敵な小説だった。やはり主人公ホリーが魅力的。彼女の奔放さにつられて話も軽快にすすむ。
『誰のことだって愛そうと思えば愛せるんだって』
簡単に言えることではないと思う。でもそれを現実にし、多くの人(男?笑)に愛し、愛されているホリーのことを、私は尊敬したいと思う。
他の短編もなかなか面白く(「クリスマスの思い出」が「草の竪琴」と殆どかぶっていたのは少し残念だったけれど)、突飛な印象はないけど最後まで読ませる感じ。ただ、全体を通して感じたのは、すべて懐古的というか、過去形で書かれている為に読んでいてひどく年をとってしまったような気になること。笑
何十年か後に読めばもっと面白いのかもしれないと思いました。
投稿元:
レビューを見る
表紙がまずお洒落でしょう!昔の本って何か日本語が難しくて、なかなか理解に苦しむ感じでしたが、春樹訳のおかげですごく楽しく読めました。ホリーの魅力に私もクラクラになってしまった。小悪魔ギャルはどの時代にもいるのだな〜と思いました。
投稿元:
レビューを見る
ジョー・ベルのホリーに対する感情をしゃべっているところがとても読んだときに、印象的だったことを覚えている。
なぜかというと、そのときの自分自身と似ていたからだ。
好きな子に手を触れたいことと、彼女を好きでいることは違うんだということをそこで理解したことを覚えている。
あのときはそう自分にいいきかせ、彼女との関係を保っていこうと思っていたんだっけ・・・。
投稿元:
レビューを見る
映画を頭に置いて読んだんだけど、別の話に思えるほど違ってみえて新しかった。彼女(ホリー)は彼女なりの論理を持っていて、近いようではるかに遠い存在…。時間があれば原文で読みたい。
投稿元:
レビューを見る
元カノさんにハードカバーでプレゼントしたのだが、別れたとき返ってきちゃった笑
やっぱオードリーのホリー・ゴライトリーとは全然違う印象。