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ブクログの作品紹介
相次ぐ豪雨・台風による被害。
一気に世界中に拡大する感染症。
魚や水など、急速に身近になってきた食糧問題。
「うさんくさい」「きれいごと」だと思われてきた「地球全体の問題」について、
一般の人々も切実なテーマとして関心を寄せるようになりつつある。
企業も「規制があるから仕方なく対応」「環境問題に配慮しすぎると成長が止まる」
といった旧来型の発想からの転換を求められている。
本書は、いま世界でなにが問題視されているのか、
このままの状態が続くと近い将来世界がどうなるのかを、
一般層に向けてわかりやすく説明する。
取り上げるのは気候変動にともなう天災、食糧危機。
フードロスや、乱獲による水産資源の減少、そして「水リスク」。
コロナ問題で一気に他人ごとではなくなった感染症問題。
さらに途上国の工場をめぐる人権問題など、我々をとりまく課題について、
ひととおり理解ができるようにする。
一般ビジネスパーソンに向けて、先行する欧米企業がどのような動きをし、
投資家がどう見ているのかといった内容を紹介する。
著者プロフィール
株式会社ニューラルCEO
サステナビリティ経営・ESG投資コンサルタント
1980年生まれ。ハーバード大学大学院サステナビリティ修士課程在籍。サンダーバード国際経営大学院MBA修了。東京大学教養学部国際関係論卒。東証一部上場企業や大手金融機関をクライアントに持つ。環境省ジャパン・グリーンボンド・アワード選定委員。ハーグ宇宙資源ガバナンスWG社会経済パネル委員。
「2020年 『データでわかる 2030年 地球のすがた』 で使われていた紹介文から引用しています。」
夫馬賢治の作品
ESG思考 激変資本主義1990-2020、経営者も投資家もここまで変わった...
夫馬 賢治
いちばんやさしいSDGs入門
三瓶 裕喜
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かなり網羅的に、地球規模の危機リスクについて解説。気候変動、食料や海産資源、森林、水資源、感染症など、あまり普段は意識できてなかったが、かなり喫緊のリスクとして国際機関はもとより、国や大企業、機関投資家が動いていて、その危機がとても身近にある問題なのだと感じられた。
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2030年にはどうなるか8つの分野で解説してある、それなりに下調べはしてある。数字の扱い方が少し雑なような特に確率に関して。
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夫馬賢治氏は、2004年東大教養学部卒、サンダーバード国際経営大学院MBA修了、ハーバード大学大学院(サステイナビリティ専攻)修士。サステナビリティ経営やESG投資に関するコンサルティング会社(株)ニューラルの創業者・代表取締役CEO。環境省ESGファイナンス・アワード選定委員や国際会議での有識者委員を歴任。各種メディアへの出演・寄稿等多数。
本書の内容は、題名の通り、様々なデータの分析に基づいて2030年に予想される地球のすがたを示したものであるが、一つの特徴は、サステナビリティを専門とした著者によるものであるという点だ。
サステナビリティという単語は、国連が2015年にSDGs(Sustainable Development Goals/持続可能な開発目標)という世界共通の2030年目標を公表したことにより、ここ数年広く知られるようになったが、そのSDGsでは具体的に、「貧困をなくそう」、「飢餓をゼロに」、「安産な水とトイレを世界中に」、「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」、「人や国の不平等をなくそう」、「つくる責任 つかう責任」、「気候変動に具体的な対策を」、「海の豊かさを守ろう」、「陸の豊かさも守ろう」、「平和と公正をすべての人に」などの17のゴールが設定されている。(17色のカラフルなリング状のバッジを胸につけている人も多くなった)
そして、本書では、そのSDGsの中でも、特に危機感が強いとされる、①気候変動、②農業、③森林、④水産、➄水、⑥感染症、➆パワーシフト(世界の人口移動)⑧労働・人権の8つの分野を取り上げて、グローバルに共通認識になりつつあるデータを基に、現状と今後の見通しを俯瞰し、それぞれのテーマについて、
①国際機関の予測では海面が5m上昇し、東京も大阪も海に沈むリスクを抱える(2300年見通し)。
②既に主要国政府は食糧危機シミュレーションを始めている。
③森林を保護しなければ、そう遠くないうちにコーヒーもチョコレートも生産できなくなる。
④日本近海では水産魚種の半数以上が絶滅に近づいており、各家庭まで届かない事態が現実のものになる。
➄日本の豊かな生活は海外の水資源に依存しており、グローバルな水不足が影響する可能性がある。
⑥パンデミックリスクはますます増加する。
➆今後30年で日本市場の世界に占める割合は5分の1に激減する。
⑧日本のデパートに並んでいる商品も奴隷労働に関わっているものが少なくない。
というメッセージを出している。
具体的な内容は、これまでも様々な情報メディアで見るものが多く、さほど目新しさはないが、上記のような(敢えて)衝撃的かつわかりやすいメッセージを付加しつつ、コンパクトにまとめている点では、相応の意味のある一冊と思う。
(2020年9月了)
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<目次>
まえがき
第1章 顕在化した気候変動の猛威
第2章 迫りくる食料危機の実態
第3章 消える森林と食品・小売企業への影響
第4章 食卓から魚が消える日
第5章 水をめぐる社会紛争~日本は世界有数の水リスクにさらされている
第6章 感染症の未来~コロナの次のリスクはどこに
第7章 世界のパワーソフト~日米欧の中間層割合が5割から3割に激減
第8章 サプライチェーンのグルーバル化と人権問題
第9章 メガトレンドの理解度が勝敗を決する時代へ
<内容>
ESG投資とは、E=環境、S=社会、G=コーポレートガバナンスを指す。企業や機関投資家がESG投資を気にしたり、投資したりするのは、SDG'sを「トレンド」としているわけではなく、これをないがしろにすると実際に企業の経営にダメージが及ぶと理解しているからだ。その点で、日本の企業はやはり「ガラパゴス」で、それよりも近視眼的な「利益優先」と考えている気がする。それがさらに沈没の要因となっているようだ(本書でもユニクロ・ソニーなどは手を打っていると記載がある)。この本は、そうした視点から、環境や社会問題を8つの分野に分けて、データを駆使しながら説明している。大変役に立つ。
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異常気象=温暖化だけでなく、大雪寒波などもあるため。
自然災害、海面上昇、損害保険リスク、不動産会社リスクなど。
食料危機
森林破壊
漁業の頭打ち
水危機
感染症の危機
日米欧の所得割合が5割から3割に。
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p75 炭素回収・貯留技術 CCS
p76 水素エネルギーはクリーンなエネルギーになっていない 現在使われている水素は、ガスや石炭に含まれる水素原子を化学反応させることで抽出しており、製造工程で副産物として二酸化炭素が大量にでてしまう
p90 戦後の農業技術開発 肥料 ユダヤ系ドイツ人科学者のフリッツ・ハーバーとドイツ人化学者のカール・ボッシュが1906年に開発したハーバーボッシュ法の構成が大きい 窒素と水素を人工的に合成することで、植物が吸収できる窒素化合物を作り出した
p96 大豆は食用でなく、家畜の飼料で使われている
p117 日本政府 食糧管理制度で、主要品目の食料価格をコントロールしている
p178 所有者がいない資源をみんなが奪い合うこと 経済学の用語で共有地の悲劇と呼ぶ
p214 淡水化の方法
塩水を熱で蒸留して水蒸気に変え、それを冷却して真水を抽出する方法 熱エネルギーが必要
浸透圧をつかう方法 逆浸透圧 塩分の処理が問題
p223
人類史上3回大流行を起こしたペスト
540年代の東ローマ帝国のコンスタンティノープル 2年続き5000万人死亡 皇帝のユスティニアヌス自身も感染したためユスティニアヌスのペスト
14世紀欧州 7500万人から2億人死亡 元朝時代の中国からシルクロードを経て欧州に到達 人口の3−6割が死亡 イギリスでは住民の7-8割が死亡する街もあり イギリス全体で言語がフランス語から英語に変わる景気になる
ペストの発見 あ 北里柴三郎とアレクサンドルイェルサン 有効なワクチンなし
ペスト菌の宿主となるノミとそのノミの宿主であるネズミを駆除するしかない
p225
天然痘と牛痘は免疫交差反応がないことが後にわかる
天然痘の感染を抑えることができたのは、たまたま付着していたワクシニアウイルス
p230
インフルエンザ 第一次世界大戦で蔓延
各国が被害情報を隠したが、中立国だったスペインが被害情報を隠さなかったので、メディアが大きく報じてスペイン風邪となる
2002-3 SARS
2009 H1N1型インフルエンザ
2012 MERS 中東呼吸器症候群
2019 COVID-19
p266 グローバル企業の経営が巧なことの一つは、世界の人口動態を俯瞰したマーケット戦略をとっていること
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★4.3(3.44)2020年7月発行。気候変動、農業、森林、水産、水、感染症、パワーシフト、労働・人権の8分野の2030年の姿を概観。これらはそれぞれSDGsの17のゴールにも対応するが、著者はこの分野では政府の委員等を歴任する第一人者なんですね。それもまだ40歳というのに、ESG投資、サステナビリィテイ経営の第一人者なんですね。この本を読むことにより、今そこにある危機がよくわかるとともに、国連や国際機関の動きがよくわかりますね。最近の海外の契約書に自動労働の禁止が謳われていた理由もよくわかりました。
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地震保険 一定以上の損害で政府が大半を肩代わりする
東日本大震災 死者1.6万人
保険金5.5兆円のうち政府4.3億円
地震以外の台風や豪雨は 年1兆円以上損保会社負担 再保険会社でリスク回避
世界最大の保険会社アクサ 4℃気温が上がると成り立たなくなる
CO2排出企業から投資を引き下げ、保険契約禁止
世界で年間400億トンのCO2排出
日本でお化石燃料で最もCO2の多い石炭発電が31.6%とガスに次いで多い
RE100 再生可能エネルギーのみを使う企業宣言
1961年からの56年間 穀物3倍(面積1.1倍)、野菜は2倍(面積2.8倍)の収量
化学肥料(窒素化合物) 機械化 品種改良
大豆 食用13% 飼料72%(48%が鶏用)
生産世界2位 ブラジル 1961年から56年間で面積141倍、収量3倍、生産量422倍
動物性たんぱく質 途上国で需要増加
異常気象が食糧価格の上昇へ 「アラブの春」の原因へ
食糧自給率 国土の広い国は高い
日本 37% 小麦、大麦、乳製品政府が価格統制し安定
フェアトレード(生産者配慮)、リジェネラティブ(環境再生型有機農業)
森林破壊 樹高低下し炭素吸収量低下
アマゾンの大豆畑、インドネシア、マレーシアのパーム油、
アフリカのカカオ、コーヒー
ビーガン(肉食をやめる動き
牛肉1kgのために大豆20kg、豚肉では7.3kg、鳥肉4.5kg、鶏卵2.8kg
食卓まで運ぶには大豆に比べCO2 牛肉13倍、豚肉6倍、鶏肉3.5倍
日本 杉、ヒノキの人工林 40%
国際認証監理8% 管理しないと樹木が瘦せる
漁業
漁獲量も養殖も中国がトップ
絶滅種ウナギ 公海での捕獲 IATTC規制 マグロカツオ
養殖 飼料費用 6割以上 魚粉
回収プラスチック 日本 59%をエネルギー回収(ごみ発電) リサイクル24%
マイクロプラスチック:タイヤ、衣料、塗料、道路舗装
サプライチェーン可視化
バーチャルウオーター 日本は世界最大の輸入量 (牛肉、小麦、大豆)
感染症 ペスト ワクチンなし
野生の動物ではなく、家畜から人へのリスク
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いろいろな側面からの多くの情報を、よくまとめられていると思う。
即時的な利益だけでなく、長い目でメリットデメリットを考慮した行動を取る必要があるのだと、改めて感じさせられる。集団としての長期的な利益と、個人個人の短期的な利益はしばしば相反するので、そこをどう折り合いをつけるか。
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サステナビリティを学んだ作者の、情報の量と認識の深さはとてもすごいと思った。サステナビリティは総合格闘技と言っているが、たしかにいろんな学問と関わっていて、あらゆる学問を知っているからこそ考えることのできることもあるなと、1年間法律をみっちり勉強して思った。
この本では、環境問題や人権問題の実態と、それに対して企業や政府がどのように動こうとしているかが世界とも比較しながら書いてあって分かりやすかった。メガトレンドに注意することは大事だと思ったので、今後も勉強してついていきたい。
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タイトル通り、データをもとに説明されているのがいい。普段のニュースや新聞だけでは得られない情報も多々あり、特に食糧危機やバーチャルウォーターについては危機感を持った。
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( オンラインコミュニティ「Book Bar for Leaders」内で紹介 https://www.bizmentor.jp/bookbar )
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令和4年のGWに部屋にある本を全て整理することにしました、この本は読みかけの本でした。読むことでためになるポイントはあるとは思いますが、部屋の整理を優先することにしました。いずれ読む時間が取れれば嬉しく思っています。
評価は星一つとなっておりますが、内容に問題があるのではなく、時間が取れず読了できなかったためにこの評価になっています。
2022年5月3日作成
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気候変動、食糧問題、水、感染症、人権など、近年のテーマに触れたもの。
初版が出たのは2020年なので、ウクライナの戦争などには触れられていないが、それが緊迫している今読むと、また感じるものが違うというか。
著者の別書「ESG思考」はそれほど興味深いと思わなかったが、この本は切り口が違うせいか、非常に興味深く読んだ。https://booklog.jp/users/osechies#