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2010年代、この10年間は自分にとって本当にあっという間に過ぎ去ってしまった印象だったが、本書を読みこの10年でのポップカルチャー(主に欧米)の変遷を振り返ると確かにめまぐるしいものであったと気づく。10年前まではアップルミュージックもNetflixもなく、ひたすらレンタルショップとYouTubeを物色していたなあと感慨深い。著者2名の対談は溢れる知識のぶつけ合いにも取れるが読者としての自分は彼らの情報にキャッチアップすることで自分の知識量を増やすことに意味がある。もう少し体系的にわかりやすい本にしようとは2人とも考えていないだろう。
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2010年代に起きたポップ・カルチャーの目まぐるしい現象に対する背景とコンテクストを語り尽くす凄本。僕自身は音楽に偏った10年を過ごしたので映画や海外テレビシリーズを猛追するきっかけになりそうだ。本を読んだ後に読者がどう行動するか、ここからどんな出会いやコミュニティが生まれるか、生んでいけるかで完成する本かなと思った。
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田中: 最初注釈を全部付けるって話で考えてたんですけど、後半ある程度脱稿してからいや付けるのやめましょうって話になって。
三原: つけたらやばいことになる。
田中: うん。でもそれにはもうひとつコンセプトがあって、俺があの本で何回か書いてるトマス・ピンチョンの『V.』っていう小説があるんですけど、これ2011年ぐらいに読んで最初全く読めないんだけど もうそれ要するに固有名詞の嵐なわけ。でそれが歴史的な話で、例えば世界で初めてのジェノサイド、大量虐殺、民族虐殺っていうのがどこだみたいな、誰も知らないような事件とか地名とかがブワァー書いてあるの。だからその言葉の固有名詞がわからないと読み進まないんですよ。で全部ググって読んだのね。で最初は一回ばーっと飛ばしてググらないで読んだ時と、これちょっとわからないと駄目だってググって読んだら、やっぱりニュアンスわかってくるじゃないですか。感覚が全然変わって、その惨たらしさとか変わって、要するにこの本って、だから当時はね本が書かれたのは3,40年前なんですけど、Googleなんてないわけですよ。だから図書館に行ってひとつずつ調べないと読めない小説だったわけ。でもこれは要するに、いや俺だけが知ってることを書いたよってことじゃなくて、いや歴史っていうのはみなさんが知らないこといっぱいあって、でそれをひとつひとつ知るためにも時間がかかってそうじゃないと人類っていうのは前には進めないんですよっていうのを読むっていう行為を通して伝えてるんだってようやくわかったの。3回目読んだとき。これは要するに何を書くっていうことプラスアルファで形式で語っているんだと思って。真似しようと思った結果があれです。
すごいいろんなコンセプトで作ったからね。誰も気づかないからね。まだ明確に章立ての、章立ては維正さんが作ったんですけど、1章ずつのテンポ感も全部コンセプトあるし。
みんな主題で読むんだけど 形式のところ ピンチョンの『V.』を書いたときの形式で色んなことを実は語ろうとしてるんですけど、誰が気づかなくても全然気にしないって感じ。
POPLIFE #51 この20年と今のベストJ-POP作家は?
上記はspotifyのPodcastチャンネルの『POP LIFE the Podcast』より抜粋。
GOTをやっと観終わって、やっと読了しました。前半3章は音楽中心、後半3章は映像関係がメインで、それを取り巻く2010年代のポップ・カルチャーを映画音楽ジャーナリストの宇野維正氏とsnoozerの田中宗一郎氏のふたりが語り尽くす本書。超濃密。楽しかったです。音楽と映画と言っても、その背景は政治や社会情勢など、多岐に渡ることをこれでもかというほどに思い知らされますし、ちょいちょいRadioheadの話も出てくるのがなんだか嬉しかったです。
遺書とまで呼ばれたあとがきは客観田中(俺?)と主観田中(君?)と読者(あなた)への吐露も挑発的というか挑戦的というか。フランク・オーシャンの『Nights』みたい。本書を読んだだけでは完成したり、完全に補完することはできないように、上記のPodcastからの引用も含めて、ある意味ではとても親切な書き手であり、とても意地悪な書き手でもあるように思えます。あの話をしていない、あの作品が出てこない、というのは野暮なのでしませ��が、紐解きがいのある書物であることに間違いありませんし、帯に書かれている『ポップ・カルチャーは、社会を映す鏡である』ように、アンテナを張り貪欲に楽しんでいけたらいいな、という感じ。
あと書籍のデザインも最高。ビリー・アイリッシュな色味。帯いらない派ですが、これは帯があって完成してる感じがgood。保存版。
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知っていることが足りなすぎて各論のところはついていけず総論の方をざっと読む程度しかできなかった
良質なものが次々と生み出されて目に飛び込んでくる現代社会、全てを追おうとしても人間の生身ひとつに流し込める情報量を遥かに超えてしまうので、何を選び取るか、捨てるか、をまじで意識しないと浅いところで思考停止するか訳もわからないままただ場当たり的に消費して情報に溺れるかになってしまうなと本の内容とはズレたことを強く感じた
メモ:BLMは権利の主張というよりも生命の危機から
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時代を俯瞰して見ることができ、とても勉強になった。自分もハイコンテクストを読み取れる人間になりたい。それにしても自惚れがすぎる。褒め言葉です。
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今更読んだけどおもしろかった。ポップカルチャーはアーティストの手によって作られるクリエイティブであると同時に、政治・経済・産業・文化の変化の影響を受けずにはいられない社会の写し鏡であるってことがよくわかる。
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2010年を生きているものとして、とても面白かった。
政治的な問題とポップカルチャーの結びつきという視点でこれからの物事を見ようと思えた。
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2024.2.7
大衆文化は人々の生活に密接に関係している。
暗にも明にも。意識的にも無意識的にも。
って当たり前だけど真面目に考えるとしんどいねー。