投稿元:
レビューを見る
社会と個人の乖離の怖さなんて、一人暮らしを始めるまでこの小説でしか知らなかった。
私は幸せ者です。
投稿元:
レビューを見る
これはー、最後に震えるよ。ふふっ
人間って得体の知れない怖さがあるよね。
オースターで一番好きな作品かな。お勧め!
投稿元:
レビューを見る
推理小説のような。
そうでないような。
不思議な感覚にとらわれながら一気に読める。
読後にきっと考えさせられる。
投稿元:
レビューを見る
授業用。初めてポール・オースター読んだ。展開の大筋は読めるんだけど、それでも意外な方向へ話は進んでいく。ブルーが見張っているブラックという男は何者なのか、ホワイトは何故こんな依頼をしたのか。だんだんブルーの考え方などに変化が現れる。結末が分からなくって結構のめりこんで読んだ。ブルーの思考の進み方が結構好きかも。っていうか、心理小説でこんなにスムーズに描きつつ、丁寧なのはなかなか無いと思う。…機会があったら他の作品も読んでみたい!
投稿元:
レビューを見る
内容(「BOOK」データベースより)
私立探偵ブルーは奇妙な依頼を受けた。変装した男ホワイトから、ブラックを見張るように、と。真向いの部屋から、ブルーは見張り続ける。だが、ブラックの日常に何も変化もない。彼は、ただ毎日何かを書き、読んでいるだけなのだ。ブルーは空想の世界に彷徨う。ブラックの正体やホワイトの目的を推理して。次第に、不安と焦燥と疑惑に駆られるブルー…。’80年代アメリカ文学の代表的作品。
投稿元:
レビューを見る
80年代のアメリカ小説、推理小説の形態をとっているが、不条理な設定で、描写は細かいのに主人公が誰でもない誰かになっていくアイデンティティの問題を描いていく作品。読み終わったあと、現実感を喪失するような感覚に襲われるので、犬と遊んでしまった。
投稿元:
レビューを見る
素晴らしかった。この一言に尽きる。
アイデンティティというものの価値がどんどん消えうせていく感覚はすごいの一言です。
投稿元:
レビューを見る
ポール・オースターの作品で最初に読んだのがこれでした。薄いし、安いし・・・とちょっとした時間つぶしによかろうと購入したのがこれ。
映画「スモーク」とか見て、オースターの存在は知っていたのですが、なんとなく敬遠してたのです。が、読んでみて・・・面白い!
まずはじめにブルーがいる。次にホワイトがいて、それからブラックがいて、そもそものはじまりの前にはブラウンがいる。
名前が匿名で、地名とかもNYなのだけど、ちょっとぼやかしてあって、具体的にイメージしにくい。いや、NYは行ったこともないし、はっきり地名書かれてもわからないのは一緒なんだけど、あえてはっきりさせてないところが、なんだかわかりにくい。そのわかりにくさが全編を通して拭い去れないのだけど、わかりにくさもオースターの狙いなんだろうな。自己が自己であるようなないようななんなんだかわからないような感覚に陥っていく感じ。そこに存在しているものの実態について考えさせられるお話でした。これをきっかけに、しばらくオースターの作品をむさぼるようにして読んでました。オースターものではBEST3に入るかな、自分の中では。
投稿元:
レビューを見る
漂白されたような文章が心地よい。世間から薄皮一枚隔てるだけで、僕らは簡単に幽霊になってしまうのかもしれない。
投稿元:
レビューを見る
2009/購入日不明(三島由紀夫の獣の戯れを買った日と同じ)
2009/
橋の記述が好きです。物語とは関係ないのですが、ブラックがブルックリン橋を渡るシーンがあります。そのブルックリン橋を作った人はすごくロマンがあったのではないか、と思わせる記述がよかった。
投稿元:
レビューを見る
私立探偵ブルーはホワイトから奇妙な依頼を受ける。真向かいのブラックを見張る依頼。だが、ブラックの日常には何もない。毎日何かを書き、本を読み散歩をしているだけなのである。ブルーはブラックの正体やホワイトの目的を推理して空想に飛ぶ。オースターの代表的な作品であり、ニューヨーク三部作の1つ。
なんといっても書き出しがいい。‐まずはじめにブルーがいる。次にホワイトがいて、それからブラックがいて、そもそものはじまりの前にはブラウンがいる‐。こんな調子で続くので数ページ読むと著者近影も相まって、この作者、ムチャクチャ不器用なんじゃないかと思い親近感がわく。そしてこの小説には会話調の文はあるが、会話文がない。要するにカギカッコ付きの文が全くない。すべて地の文である。しかし(それゆえ?)読む人はあたかもブルーと会話しているような気分になる。ブルーはブラックを見張っているが、ブルーは読者に見張られているのだ。戦慄である。
投稿元:
レビューを見る
おすすめ!!
これも学生の頃に読んだ。
短いのにじゅーぶんハラハラします。
もう一回読もうっと。
投稿元:
レビューを見る
私立探偵がある男の監視を頼まれて、ずっと監視してる話。登場人物は皆、ブルーとかブラックとかの色の名前。これが、個性をへんになくす。この違和感がオースター的ってことなのか? 「偶然の音楽」がちゃんとストーリーがあったなのに対して、すごく観念的なので読みにくかったし、何が残るっていう訳じゃないんだけど、印象的。多分、しばらくしてじわじわと染み込んでくるんだろう。
投稿元:
レビューを見る
『ガラスの街』『幽霊たち』『鍵のかかった部屋』の三つがオースターの「ニューヨーク三部作」と呼ばれているそうだが、何も知らずに二番目の『幽霊たち』を最初に読んでしまったよ。三部作はそれぞれ独立した話だというから、順番はあまり関係ないかもしれないけれど。
これまで読んだことのないタイプの小説で衝撃的だった。どこでもない場所、誰でもないひとの、アイデンティティクライシス。
投稿元:
レビューを見る
NY三部作第二弾。ごく普通の男が世界との繋がりを失ってどこかへ消えていくという流れ、最終的に入れ子形式の物語となっている作りは「ガラスの街」と同じ。でもこの作品の主人公には未来の妻や尊敬する先輩がおり、自己存在について考えこむタイプでもなく、望んで孤独という迷宮に踏み込んだわけではないところが前作とは大きく違う。
世界と繋がって生きていたはずの人間が、ふと一歩横滑りしただけで世界から切り離される。与えられた観察対象が彼の世界の全てになり、気づかぬ内に世界の他の全てにとって彼は非在者となって…唯一繋がっていたその世界が裏返る時、彼の存在自体も裏返る。ブルーもブラックもホワイトもなくなる、色のない世界、でも色の名が溢れる一方でリアルな人間の表情が見えない空虚さは最初から物語全体を覆っていて、読み終わってもそれこそ全てが幽霊たちの話のよう。消失の物語のようで、全体が“非在”を語る作品と言えるかも。