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平安時代や江戸時代は平均寿命が今よりも随分と短いのは、乳児の死亡率が高かったためで、お年寄りが現代と同じく70歳、80歳過ぎても元気だったと言うのはよく知られた事だ。ただ現代とは医療技術や薬、栄養状態も違うだろうから、その様な中で長生きするご老人は、寧ろ現代のお年寄りよりも元気だったのかもしれない。
私の祖母は100歳まで生きて、晩年も亡くなる間際まで畑を毎日耕していたそうだが、それは例外的で、多くのご老人は入院したり施設などで「ご老人」として穏やかに過ごす。
本書は歴史上や昔話などに登場する元気なご老人の皆さんにフォーカスを当て、クソジジイ・クソババア達の生き方を紹介していく。なお「クソ」と言う言葉を汚い・意地悪といったネガティブな表現ではなく、元気いっぱい・パワフルという意味で使っている。決して貶すような事は書いてない(ある程度は本来の糞婆的な意味で使う箇所もある)。また記載される人物や引用する物語は誰もが一度は歴史の授業や図書室で見かけたこのあるものを対象とするため、わかりやすい。
御伽話が意外にも残酷な事はよく知られるが、やはりそこにも「おじいさんとおばあさんは」で頻繁に登場する。こうして考えてみると、幼い頃からずっとそうした物語の中のご老人にふれてきたのであるが、必ず悪者や反面教師的なお爺さんが登場し、「そうなったらダメだよ」と幼心に刷り込まれてきたようだ。なんだか漠然と、お爺さんはコワイ・ズルい・気難しいイメージがあった。その様に何か教訓的な物語であっても、ご老人は元気に活躍?しているのである。特に高齢者の性事情にも多く触れられているが、古事記の世界からそういった話題には事欠かず皆元気である。私も見習いたい所ではあるが、現代社会で同じ事をすれば社会から抹殺されるリスクもあるので控えておく。
兎に角お年寄りは元気だ。勿論そうした歴史や伝記に名が出てくるご老人は、相応しい身分と食事・安全が確保されていた事が背景にあるが、歌会でキレ出す老人や息子の嫁を愛でる姿、鬼になって身内を食べんとするお婆さんなど、一部狂気じみた世界にも感じるが、元気であることに間違いない。
超高齢社会に突入し、既に町中はお年寄りで溢れている。田舎に行けば尚のこと、腰の曲がってない人とは滅多にすれ違わない。私の両親も幸いにも両名共に80過ぎてもピンピンしてるし、母親は電子書籍などは一切読まず、紙の本だけを何万冊も読んできた本の虫、父親は肉体労働中心で定年後もだだっ広い空き地で農家ばりに畑を耕す肉体派と、元気に過ごしている(東京大空襲も見てる)。
今後も伝説に残る様なご老人はたくさん増えるだろうし、恐らくはあと数十年もすれば70歳台はおじさんおばさんになっているかもしれない。その頃に伝説になる為にも、今から頭も体も衰えを感じる暇を与えさせない生活を送りたい。
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子どもが「くそ!」という度に「なんですかそんな汚い言葉を使って!ちゃんと"うんこ"と言いなさい」と注意しては嫌な顔をされていた。
そのうち「あーはいはい
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意外と高齢な昔の人たちのお話。クソがついても悪口ではないという事。
年金とかない時代だから貴族とかVIP以外の高齢者は大変だったんだろうなぁとは思う。