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21世紀最もセクシーな職業「データサイエンティスト」と呼ばれて久しいが、それがどんなもんか知りたく読了。この時点で分かる通り、データサイエンティスト=データ分析という固定観念があった。
この本の目的は、『急遽、データ分析チームを率いたり、データ分析チームメンバになったときに進むべき方向を示したガイドブック』としている。
前提としては、現在大企業に属した転職者が、長年データ分析に携わったそのまとめとして書いている。そのため、書かれてる内容はベンチャーや小規模の企業に直接当て嵌めるのはいろいろな制約(時間のなさ、お金のなさ、人のいなさなど)から難しいかもしれない。
おそらく、日本もデータ分析から始まる業務の効率化や事業の創設がこれから頻繁に行われていくだろう。その先駆けとして十分すぎるほど役立つ本だと感じた。無論、まだわたしの職場にはその波は来ておらず、データ分析を適用した業務は行ったことがないのは前提になるがそう感じた。
『データ分析』と聞くと、理系出身者や理系科目に明るい人が分析する、海外だとGAFAMがやってる、プログラミング言語を理解する必要があるといった固定概念が生まれることが多いが、そのうち崩しが多く記載される。
データ分析のやり方を、5Dフレームワークとして体系的にまとめてるところも良かった。
5Dフレームワークとは、
①Demand:要求を聞く(何をしたいか期待してるか目的は何か。問題の焦点はどこか。)
②Design:全体像を把握する(どこまで対応するかできるか。プロトタイプによる即時・途中経過・仮説の仮検証は出戻りや認識齟齬を減らせるかも。)
③Data:データを集める(分析に使えるデータとは?聞き方や集め方を考える。)
④Develop:分析する(過程や論拠は重要?説明や根拠について。何を軸に評価するか。)
⑤Deploy:展開する(形骸化を防ぐ。見せ方や訴求方法。)
サブタイトルのビジネス・トランスレーターは、現場担当(分析対象のデータ元)と分析官の橋渡しとなる役割のことと定義している。基盤とユーザ部門の中間にあたる業務層のようなもの。
本書はやり方論や技術に囚われすぎず、全体的な概念の説明、固定観念への否定が書かれてるのも良いが、読み方や章構成が企業人のそれで好きだった。
失敗エピソードや成功エピソードは珍しいなと思いつつ、体験が共有されてることの珍しさ、想像が具体的にされるのは良かった。
これからデータ分析業務は企業規模や業態、所属してる組織に依らず必須になっていくだろう。そこに向けて心構えややり方を簡単にだが要点を抑えて書いた良書だと感じた。
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めちゃめちゃ良い本。
データ分析を業務で行う方はぜひ読んだほうがいい。
データ分析のhowというよりも、データ分析業務を行う際の哲学みたいなところがきれいにまとまっている。
これを外すと「せっかくデータ分析したけど、使い物にならない…」みたいなことを起こさないでよくなるはず。
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実践5Dフレームワーク(メモ)
[1]Demand
分析の価値
解決すべき課題の背景を分析依頼者と同じレベルで理解する。
(1)これまでどんな分析をしていたかをヒヤリングする
(2)分析結果を基に何をしたいのかを理解する。
(3)課題の背景を理解するまでヒヤリングする。
(4)分析方針を提案&合意する。
(5)期待値の調整。
[2]Design
最終成果物の定義
(1)集計
(2)レポーティング(可視化)
(3)レポーティング(仮説検証)
(4)モデリング(予測)
データマイニングとは
分析の結果、何もわからなかったとしてもそれを結論としてレポートする。
そのレポートをいつでも誰でも見れるように保存・整理しておく。
目的の明確化
仮説の合意
データの合意
手段の合意
[3]Data
データの入手
データは大量である必要はない。
データベースに入っているデータでなくてもいい。
必要とするデータを伝える
明細だけor顧客情報つきなどできるだけ細かく。
どのようなデータがあるのかを知った上で依頼できるほうがいいかも
[4]Develop
最小のライセンス、ミニマム機能で始める。
AIはブラックボックスになってしまう。
社外に依頼するとき
自社の課題を明確にする。
データを用意し事前にサンプルデータを渡す
どういった分析方法を用いるのか、アウトプットイメージを明確に
スケジュール、役割分担
分析の環境を整える
分析専用ツールの導入
データが数十万行(列)を超える場合(Excel限界をこえる)
多変量解析やテキスト分析を行いたい場合
様々な条件でグラフをたくさん作り、グラフの各要素がどういったデータが
あるのかを素早く確認したい場合
地図などに集計結果をマッピングするなど
データを確認しながらデータ加工したい
データ鮮度、偏り具合、粒度を確認する
データ量
データ形式
結果をみせる際のストーリーを考える
もともとわかっていたことを説明(経験知の肯定)
次に新たに発見したことを説明(価値)
[5]Deploy
(1)1回限り型 業務効率化のための要因分析、商品開発のためのニーズ分析
(2)定型観察型(決められた指標、フォーマットを随時確認して意思決定を
替える)
(3)推薦システム型 DM最適化、など。
ダッシュボード:更新も考慮する。また極力自動化する。
引継ぎできるようにする。
教育
社内の人材を有効活用する。
分析でもデータ分析人材となれる。
外部の講習に参加する。
東洋大学情報連携学部 https://www.iniad.org/
トライ&エラーの文化を醸成する。
なんでもきける雰囲気を作る。
正当な評価。(データ分析人材は価値があるから転職してしまう)
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データ分析組織をつくるには?を実際に三井住友海上火災保険で成功と失敗を経験した人たちが実践的方法論を整理。オリジナルの5Dフレームワークで説明する。
宣言されているとおり、分析方法等の解説をするものではない。近頃流行りのデータ分析を組織的にどうマネジメントすべきかの実践的解説本である。
その点では、今の自分のニーズには合致していたし、わかるなーと思う部分も多かった。とはいえ、もう一歩踏み込んだところに本当のヒントはあるんだろう、けど、さすがにそこまでは書けないよな、という物足りなさも。
まあ、解答を求めちゃいけないよね…。あくまでこれをヒントに自分たちの組織課題に合わせたものを、自分たちで作らなきゃね。
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【総括】
データ分析で案件を回してきた人にしたわからない実体験を踏まえているため、高い説得力のある本であった。
データ分析には「ビジネス力」「データエンジニアリング力」「データサイエンス力」の3要素が必要であり、ビジネス力、データエンジニア力は机の上では勉強できない。この2つはとにかく経験から学ぶ力である。これからデータ分析を仕事していくにあたって、5Dフレームワークを意識しようと思った。
【メモ】
●1章
・「データあるから分析してみてよ」というお願いをしてくる企業はたくさんある。そんななかでどんな目的で何を分析して欲しいのか詰めていくことは大事である。とにかくwhatを見極める。
・データ分析の案件として、whatが分かれば非常にスムーズなフローで対応できる。データ分析自体がhowであるため。
●2章
・この章は実際にデータ分析の案件を持っている人にとっては痛感する箇所と思われる。
・料理と同じで調理フローの定石があり。whatに向かってどのようなhowを考えるか。
●3章
・基本的にどうでも良い内容。
・データ分析と現場担当者の意見の乖離をどのように合わせていくのか。これを2章で唱えたdemand.deployで解消していくべきだ。
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データ分析手法が体系的にまとめてあり、とても読みやすく分かりやすかったです。
文系のデータ分析未経験からデータサイエンティストとして働いている実体験を元に高度な分析スキルよりもビジネス課題を解決するビジネストランスレーター人材が重要であるという点もとても良かったです。
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「データ分析人材になる」
1.本書の読みどころ
三井住友海上火災保険 デジタル戦略部の現役社員の皆様の書き下ろし。
2020年10月現在13名。そのうち4名が執筆に関わりがあること。
会社、部門の実績のPRではなくて、
①分析手順
②分析方法
ツール、プログラミング
③分析組織の作り方
を展開してくれていること。
2.たしかに、なるほどの視点。
分析結果を報告すると、依頼元の
「だから?それで?」の反応の返り。
これを少なくするには? は、まさに、現場を司る人のリアリティ。
3.分析結果報告。依頼元の共感をつくるには?
①納得→発見の順序で、事実を展開すること。
②納得とは?
依頼元の感覚の裏づけ
③発見とは?
依頼元の課題解決のヒント。
仮説とその裏づけ。
④依頼元が行動できる道筋の提示
分析の依頼を受けるとき、依頼元が
何をしたいのか?
なぜしたいのか?
どんな行動を取りたいのか?
これを抑えること。ピンずれ防止。
4.三井住友海上火災保険の取り組み
東洋大学情報連携学部での社員研修。
デジタル戦略部以外の各部門で、データ活用できる人材づくり。地道かつ未来への取り組み。
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データ分析プロジェクトを成功に導くための5Dフレームワークに関する内容でした。内容としては面白く、読みやすいものでしたが、すごいノウハウが紹介されている訳ではなく、至極当たり前のことが記載されている印象でした。フレームワークはそれくらいシンプルのものの方が良いということなのかもしれません。
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ビックデータや様々なデータを利用したデータ分析のビジネスにおける重要性が高まっている昨今、データサイエンティスト程のスキルまでなくとも、ビジネス力を身に付けたビジネスに役立つデータ分析ができる人材を育成すること、目指すために身に付けるべきフレームワークを、筆者の経験談も交えて紹介。データ分析を直接の仕事にしていない人にも、有益なフレームワークだと思う。
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専門家向けではないけど、役には立つ。
HowよりもWhyやwhatに重きを置いてますが、ビジネス上はその通りだよね。技術者の自己満足で作られたシステムは使ってもらえない。そう考えると営業やビジネスサイドからの分析への参画はリーズナブル。
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◾️所感
ビジネストランスレーターとは何か、どうすればなれるかを知るため読みました。ビジネストランスレーターという単語が出てくるのは最終盤で、かつ割かれているページも僅かだったので私の目的には合いませんでした。SEDA人材が重要ということは理解できたので、それを実現する方法論を別途学びたいと思います。
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文系のためのデータ分析入門書
仕事の進め方や方法論について実際の事例をもとに解説してある。
反面、具体的な分析手法についてはほとんど記載がないため、データ加工、データ分析、機械学習といった手法について知りたい場合は読む必要がない。
あくまでビジネスにおいてデータ分析をなぜ、どのように使うのかを文系出身者に向けて説明した本である。
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データサイエンスというと敷居が高くてどうしたらよいか分からないが、これは自社でどのように取り組んでよいか5つのフレームワークを通して紹介しているため、とっつきやすく、AIや分析これから導入する企業の方が読むといい本
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本書のレイアウトにデータサイエンティストの特徴が現れている。
型に納めた構成をしており、形式ばったタイトルの名付けがされている。
この本が読みやすいと思えるのなら、データサイエンティストの素養がある。
逆に読みにくいのなら、感覚肌のタイプと思われる。
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めちゃくちゃ良かった。文系から分析系を目指すのって半端なく努力が必要だし心意気もそこらのものじゃ一人前なれないんだろうな〜と思っていたが、ビジネストランスレーターというポジションがあるとは!
ただやはりプログラミングできてナンボだと思うので、勉強頑張っていきたいとおもう。