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表題作の主人公とはほぼ同世代。
もちろんそういう行動はとらないけど、
そういう気もちになることはよくわかる。
なので、読んでいて気持ちのいいものではなかったりするんだけど。
自分も、誕生日にほしいもの、ないかも…。
やばいー、とか考えた。
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R-18文学賞受賞作「ねむりひめ」に表題作「しゃぼん」「いろとりどり」「もうすぐ春が」の3作を加えた全部で4つの短編。表題作のサイドストーリーもあるため、収録順に読むことをオススメします。一貫して「少女」の目線で描かれているので、読み手を選ぶ作品であることは否めません。男性には理解し難い部分もいくつかあるのではないでしょうか。女性になろうとしている途中の少女は見透かされているような気持ちを、かつて少女だった女性は自分の面影をどこかしらに感じるかと思います。露骨な性描写はありませんが、それぞれの関係性が妙にエロい、雰囲気エロな1冊だと思いました。漫画を読んでるみたいに、さらりと読めます。むしろ漫画にしたら結構面白いんじゃないか。全体的に結構イライラする感じの女性が出てくるのは、というか、出てくる女性にそう感じてしまったのはなぜなんだろう。何年後かに読み返せば、答えがハッキリするのだろうか。
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******引用******
「こんなこと、あたしが言うことじゃないかもしんないけど、いや、べつにいいんだけど、花ちゃんの好きなようにしていいんだよ。この部屋で眠りたいだけ眠って、あのパンをつぶして食べようがつぶさず食べようが、そんなことはどうでもいい。好きにすりゃいいよ。なんにも文句言わない。でも、」
そこでなっちゃんは一旦、言葉を区切った。鏡の中、目だけはそらさないで。
「誕生日までにいっこだけ、なんでもいいから欲しいものを見つけなさいよ。そうしなきゃもう遊んであげないよ」
厳しい口調ではなかった。子どもをなだめるような優しい声だった。でもそれは命令だった。
―― 『しゃぼん』 p.82
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女の子、という表記は、何歳代から何歳代まで、って括られるものじゃない。
だってきっと、花のようなことでみんな悩むもの。
そんな当たり前のことを感じる本でした。
普段は表に出ない部分を言葉にしたような、そんな部分が多かった。
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想像以上に良かった。
良かったのは、表題作「しゃぼん」。
主人公・花の年代が自分にかぶっているので、
感情移入がしやすかったのもあるかも。
男の人が読んでも、きっと楽しめるはず。
自堕落な花と、
やさしいけれどどっかぬけてるハルオやなっちゃん、
周りのほんわかやわらかい雰囲気も好き。
気になって一気に読んじゃいました(^-^)
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読んで数頁で気が付いた。この本、前も買って読んだと。でも、最後まで読んだし、普通に面白い。表題作の「しゃぼん」の花の気持ちもハルオの気持ちも両方なんとなくわかっと、なんとなく悲しい。でも、このカップルが不幸せなわけでもない。それが、多分胸をつくのかな…
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インフル療養中に読了。ちょっとしたことにすごい共感。表題作の花の気持ちは、みんな持ってるものなのかもしれないなぁ。
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前読んだ同著者の本が良かったのでまた違うのを読んでみました。
今回のもやっぱりよかったなあ。
この人の作品の雰囲気は大好き。
でもあえて一番を決めるとしたらやっぱり最初の話かな…。
たぶん一番泣いたので。
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いつまでも、乙女でいたいと願う30歳目前で足掻いちゃうニートの花ちゃんのお話。
他3話。
表題のしゃぼんの、花ちゃんの気持ちに引っ張られすぎちゃった。
途中からへこんじゃった。
なんかね、訳の分からないモヤモヤで苦しい感じ。(アタシと似てる部分があったからかな?)
で、最後の方に花ちゃんが北海道に住むお姉ちゃんに会いに行くんやけど、、、。
会いに行ってくれて良かったぁ。
夜中に姉妹で色んな話をするんやけど花ちゃんだけじゃなくアタシもスッキリしたもん。
ゆで卵の殻がツルツルって剥けた様な感じ♪
☆しゃぼん
☆いろとりどり
☆もうすぐ春が
☆ねむりひめ
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独特の世界観。
どこか突き抜けてるけど、たんたんとしていて、嫌いじゃない。
嫌いじゃないけど、なんか、おしい。
三十歳になりたくない女。
美を、女を失うことを悲しむくらいなら、さっさと全部捨ててしまう。
そんな主人公の話。
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表紙のイラストがあまりにも私好みで、思わず購入。
表題作とリンクしている作品があったりと、小さな発見を楽しめる。
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今まで一冊の本の中でこんなにも
「生理」という言葉を見ることはありませんでした(笑)
内容とはあまり関係ないのですが
読み進めていくうちに
「あれ?この作家さん名古屋の人かな?」と思ったのですが
解説で名古屋の方だと書かれていて
「やっぱりねー」と納得しました。
方言とまではいかないんだけど
名古屋独特の言い回しや形容詞というか。
個人的に「もうすぐ春が」には
いろいろと思うことがあったのですが
長くなるのでいずれ日記にでも書くとして。
「ねむりひめ」はどの作品よりも
一番共感しました。
ものすごく大好きで
もう別の次元で愛しちゃってるような彼ほど
セックスに意味を持ちたくないという気持ち。
えらく下世話な言葉になりますが
彼のイクときの顔は見たいのに
自分のイクときの顔は見せたくない、みたいな。
彼に知っていてほしいのは
「かわいい女の子」な私であって
決して「女」ではないんだ、というか。
多分、男性が読んだら「………」となりそうな作品ですが
自分の中には可愛い女の子がいるという
ひそかにそんな神話を抱いてる女性なら(私も含め)
多分、きっと、面白いと思う。
でもあんまり男性には読んでほしくない(笑)
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じたばたしたって、わたしもわたしの中に女の子を抱えてるんだなー。
と、気づかされました。
初めて読む作家さんで、けっこう破壊度あったりしましたけど。
(表紙絵とのギャップがぁ……。とか。
帯の小泉今日子さんの推薦文から、こうくるとは思わなかったよぉ……。とか。)
「いろとりどり」で描かれた小学生の女の子が、よかったです。
オトナ向け(?)の小説家さんが書かれる子どもと、
児童文学作家さんが書かれる子どもって、
なんか、ちがうんですよね。なんか……。
でも、この女の子は、すーって入ってきました。
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やっと読み終わった。
たしか、10月から読んでる。
最初読み始めた時、なんか主人公の花が、受け付けなくて、ほんと、すっごく受け付けなくて、一回やめたら読めなくなりそうで頑張ったけど、頑張って読むのも無理で、でも無理して読むのってなんか失礼な気がしたし、読むのやめて、もう読まないだろうと思ったけど、一昨日アメトークの、読書芸人見て、なんか触発されて、再読。読めました。ちょっと泣けました。
花は最後まで好きにはなれなかったけど、うん、まぁ、気持ちは分かるかなって。受け入れれないけど。
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吉川トリコのR-18受賞作が収録されている本が図書館にあったので、借りてきてみた。巻頭の表題作「しゃぼん」と、連作というべきか、登場人物が重なる短編がふたつ、それと巻末の「ねむりひめ」の4篇。
「しゃぼん」と「いろとりどり」がよかった。女らしくとか、女の子らしくとか、子どもらしくとか、そんなんからはみだした自覚のある女と、はみださないように目立たないようにふるまう子どもが出てくる。その二人が交差する場面がよかった。
「しゃぼん」に出てくる花(もうすぐ30歳)は、こんなことをつぶやく。
▼…女をやるのは、エネルギーが大量にいる。私のようなずぼらにはとうてい無理だ。女をやるのは疲れる。
女でないのならいったいなんなのだと訊かれたら、そんなのこっちが訊きたいよ、と思ってしまう。ニュアンスでわかってくれ、と思う。とにかく女ではないなにか。私はそれだ。これまでずっとそうやってきた。そして、ここ一年ほど、一瞬たりとも女をやってない。(pp.21-22)
「いろとりどり」に出てくるまりあ(12歳)は、こんなことを思う。
▼いったい、ほんとうの自分ってなんなんでしょう。
あたえられたお洋服を着て(そりゃあ女の子ですから、多少の好みはありますけど、ああでもその「女の子ですから」ってのがくせもので、それだってあたえられた役割をこなしているのにすぎない気もします)、あたえられたものを食べて、あたえられた屋根の下、あたえられたベッドで眠り、あたえられた時間に学校へ行き、あたえられた課題をこなし…。
だれかに(いったいだれに?)あたえられるものだけで、私たちの生活は埋め尽くされています。どうしたい、こうしたい、などと考える前に、ハイ次! 次! 次はこれ! どこからともなくスケジュールが押し寄せてきます。(pp.141-142)
連作3篇は、生理や初潮の場面があって、ちょっと血のにおいがする。
(11/3了)