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一時的に避難できても、逃げていては生ききれない
「家族」や「社会」と完全には離反できないのだから、辛いところだ
一歩が踏み出せない葛藤は人それぞれあるけど、安全に身の置ける場所で、自分を取り戻すほんの少しの時間があれば、俯いてても前を見られる心の隙間ができるかもしれず、たとえ受け身な自分でも何かしらの変化があるかもしれない
言葉の端には鋭いけれど思いやりがあってとても良い
しかし青年よ、それはいかんなあ
ちょっともやもや
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最初はこの共同生活が薄気味悪く感じたが読んでいくと登場人物たちの人となりがだんだんと掴めてきて絶妙なバランスで成り立っているこの生活がとてもかけがえの無いものだと気付く。
物語の結末は今までの悶々とした思いはどこへいってしまったのかというほどさっぱりとしていて、けれどそれが清々しく思いの外良い読後感を味わえた。
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夜逃げ同然で一緒に過ごした仲間たちが、それぞれ新しい道を進んでいく。
きっと、その先の未来も平穏じゃないと思うけど、一歩踏み出した時のその勇気があれば頑張れそうだね。
逃げ場所って大事。
また此処でみんなが再会出来ますように。
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自然の美しい片田舎で、お料理好きな人、介護士の資格を持つ人、野菜や果物を育てる人、立ち入り過ぎない適度な距離でみんなの得意なことを持ち寄って暮らせたら…
そういう夢のような暮らしを、みんな長くは続かないと知りながら送っている。
読んでいて、私にはこういう事情があるからこんな生活はムリ、と思ってしまうけど、登場人物たちもちゃんとそういう事情を持っていて、ただ羨ましいお話で終わらないところがいい✨
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以前ペンションだった所にシェアハウスのようにして暮らす5人。
それぞれ訳あり。
かおるさんは再び帰ってくるか、そしてマリージョイと拓海は結ばれるのか?
後は読者がそれぞれ妄想すべしということかな?
塔子さんの息子はイギリスで恋人が出来て、それは同性愛ではあるけどすんなりと受け入れてるところはいいなと思いました。その相手が母親を大切にしなさいと言ってくれているのが嬉しかったんだろうな。
虹さんはどうするのかな?
そしてムーンライトインは存続するのかな?
と色々読み終わってから思いに浸っています。
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人生で行き詰まった時、避難できる場所があるととても助かる。がんじがらめになった自分を温かく受け入れてくれる。それだけで心から安堵できる。
しかも景色も良くて食べ物も美味しくて、一緒に暮らす人達もいい人達ばかり。
そんな居心地の良い場所があれば、もう言うことはない。
トラブルを抱えた人達が夜逃げ同然に駆け込んだ先で、ひっそりと穏やかに住まいと時間をシェアする共同生活。
それぞれの悩みも取り敢えずは脇に置いて、互いに束縛することなく楽しく暮らす。
けれど、それはあくまでも一時避難でしかない。
いくら居心地が良くても、どんなに楽しくても、長く居着くことはない。長くは続かない。
束の間の長期休暇を終えると、帰るべき場所へ戻っていく者もいれば新天地へと旅立つ者もいる。
休暇っていずれ終わりが来るから休暇なんだな。
終わりが来ないと、それは日常生活になってしまって、楽しめる場ではなくなってしまう。
「いつでも戻っておいで」
そう言って自分を温かく迎え入れてくれる人がいることの心強さ。
日常に疲れてまた現実逃避したくなったら、いつでも戻れる場所がある。そんな居場所を持っていることは、日常を生きる上での励みになるはずだ。
夢のようなひと時とは、あくまでも夢であって現実ではない。
それにしても、男性ってロマンチストなのね…。一時の感情に走れる生き物なんだ。
女性の方がよっぽど冷静に現実的に物事を捉えている…まぁそれもちょっと淋しいけれどね。
フィリピン人のマリー・ジョイがいい味出していて、最後まで楽しませてくれて物語全体を救ってくれた感じ。
かおるさんはマリー・ジョイの読み通り、いつか虹サンの元へ戻ってくるかな。
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其々の事情を抱えた5人が一軒の家に一緒に住む。そこは都会から離れた寂れた避暑地の様なところ。
そこに暮らすも其々の事情は抱えたまま。
その事情がどれも中々気になる内容。
この5人がどう事情を切り抜けるのか。
事情も思いも其々なんだよね。
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著者のベスト本、更新しました!
人はいつになっても、何かを抱えて生きているもの。
若くても年老いても。
3世代の女性、それぞれにとても魅力的で、したたかでありそして可愛らしく描かれていました。
この先、みんなが幸せになれますように・・・。
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結局は「ウジウジ度」の問題なんだろうな。
あらすじは下に書きましたが、登場人物たちがそれぞれに問題を抱え悩み、一歩を踏み出せずにいます。それがちょっと度を過ごしていて余りにもどかしいのです。閉塞感におぼれ、中島さんの特長であるユーモアが身を潜めてしまった感じがします。
もう一つ、どうも人物像がしっくり来ません。ムーンライト・インの持ち主の虹之助さんは80歳過ぎで今も果樹栽培とジャムやジュースの工房を運営しているのですが、そういう生活感がありません。また主人公の拓海の異常なほどの引っ込み思案(ウジウジ度)とこれまでの経歴が結びつきにくく、マリー・ジョイの一見あっけからんとしたキャラは好きですが、どうにもモデルのローラさんがちらついて邪魔になります。LGBT、老人介護、親子の断絶、ワーキングプア、外国人の就労問題。少々盛沢山に世相を折り込んで話は進みます。
最終的にはそれぞれが小さな一歩を踏み出して、明るいであろう未来を感じさせて終わるのは良いのですけど。
【出版社の紹介】
だいじょうぶ。何かにつまずいた時、 あなたを待っている場所がある。
職を失い、自転車旅行の最中に雨に降られた青年・栗田拓海は、年季の入った一軒の建物を訪れる。穏やかな老人がかつてペンションを営んでいた「ムーンライト・イン」には、年代がバラバラの三人の女性が、それぞれ事情を抱えて過ごしていた。拓海は頼まれた屋根の修理中に足を怪我してしまい、治るまでそこにとどまることになるが――。
人生の曲がり角、遅れてやってきた夏休みのような時間に巡り合った男女の、奇妙な共同生活が始まる。
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マリー・ジョイのキャラが最高。期待どおりのエンディング(予定調和的とも言えるけど、、)で読後感もすっきり、、というか、この幸せ感はなんでしょう? 中島京子マジックというべきか。。。映像化して欲しい!
マシュマロの正しい(?)食べ方を学んだので、緊急事態宣言のGW中に試してみます。
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良かった。一気読みした。後半はティッシュが手離せなかった。色んな世代の親子関係や恋。主人公拓海がもう少し深く掘り下げてたら、と。
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自転車旅行の途中,雨宿りのつもりで立ち寄ったペンションならぬムーンライトイン.持ち主虹さんの他,足の悪いかおるさん,料理担当の塔子さん,父を探すフィリピン人のマリーがいて心地よい空間を作っていた.それぞれの抱える悩み,葛藤が絡まり合い助け合って解けていく,親子問題,介護の実情,海外の子供の認知の問題などさらりと物語の中に盛り込んであり考えさせられるところも多かった.
そして,それぞれの新しい出発を予感させるラストで良かった.
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もやもやしたり消えない心配を抱えていたり、自分から溢れそうになったら、こんな一時待機場所に行きたい。
なんでも万能のような人に見えた虹さんですら、そうじゃない部分を持っていて、あぁ、「人間」がいる、と思う。中島さんの人間の描き方は、駄目な部分も含めて大切に思えるから、とても好き。
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栗田拓海、新堂かおる、津田塔子、マリー・ジョイ
かつてペンションだった中林虹之助の住まいで、はからずも同居することになった5人の話。
セクハラ、パワハラ、外国人労働者、LGBT、高齢化、親子の確執など、さまざまな社会問題を「自分の問題」として抱えている登場人物の悩みやおそれ…重たいテーマが潜んでるのに読後感が清々しいのは軽井沢や清里を彷彿とさせる高原が舞台だから?転地療養…効果抜群。
女性と若者を応援する作品。
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*だいじょうぶ。何かにつまずいた時、 あなたを待っている場所がある。
職を失い、自転車旅行の最中に雨に降られた青年・栗田拓海は、年季の入った一軒の建物を訪れる。穏やかな老人がかつてペンションを営んでいた「ムーンライト・イン」には、年代がバラバラの三人の女性が、それぞれ事情を抱えて過ごしていた。拓海は頼まれた屋根の修理中に足を怪我してしまい、治るまでそこにとどまることになるが――。
人生の曲がり角、遅れてやってきた夏休みのような時間に巡り合った男女の、奇妙な共同生活が始まる*
施設入居から逃げてきた、車椅子のかおるさん。
まだ見ぬ実の父を探す27歳のマリー・ジョイ。
不慮の事故から逃げてきた塔子さん。
3人の女性のキャラが立っていて、飽きさせません。オーナーの虹之助さんの優しさも素敵。
最後のかおるさんの決断は呑み込めないけど…明るい明日を思わせる読後感も心地いい。全てが一体化された優しい世界観、お見事です。