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読書開始日:2022年6月3日
読書終了日:2022年6月11日
所感
【リリアン】
人間はなにかしていないと怖い。
リリアンはうってつけ。
意味のないものを生み出し続けるが、なにかをしてる感じは持てる。
虫も、菊池も、美沙さんも、そう。
考え始めるとなにもかも自責の念に囚われる人種。
もちもん主人公もそう。
揺れ続けている。
落ち着かない。
そんな人らの記憶を潜水している気分だった。
どんどんと暗くなるが不思議と引き込まれる。
息が続かす戻った頃に、ドミンゴママの一言。
一緒に寝る人がいたらええ。
そう。
人は欲している。
リリアンもいらない、あったかい、愛情をくれる人。
戻ってくる。
E♭
【リリアン】
なんとなくそれなりに栄えている街に見える
なにもしないということかできるひと
水の中じゃなくても、陸の上でもみんな揺れている
本当に怖いのは中途半端にできてしまうということ
優しいやつは役に立たん。
気を使うやつの言葉は信用に足らない
シュノーケリング、人の記憶、暗いのは夜の海
学校も偶然。でもその偶然って全然意味ない
綺麗な音の重ね方は人間ができる前に生まれているけど、それを奏でるのは人間
最初からかわいいと思ってる人から、かわいいと思われても嬉しくない
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この著者初めて知りました
社会学者なんですって
大阪弁がええなあ
会話と風景が切り離されてなくて
静かにそして重く淡々と進んでいく
日常
二人の今と過去
浮遊するような沈むような
ジャズの知識はぜーんぜんないけど
なんか音が聴こえてきた
しらんけど
リリアンは覚えてるで
はやっとったから
すっかり忘れとったけど
≪ 大阪は おもろい街や しらんけど ≫
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大阪弁の語りが心地よい。男女の会話、大阪弁だとどっちがしゃべってるのか読んでいると時々わからなくなる。文字にすると同じなのがいい。二人で話してると一方が話した内容を受けて一方が思い出した内容を話したりしてジャズのようだなーと思ったり。
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『リリアン』『大阪の西は全部海』の二部作
岸政彦さんの小説、社会学的な立場の本が好きで学者の小説が気になっていた
図書館でパラーっと巡ってみて、もう一つの選択肢だった『ビニール傘』と迷って、空白が多く読みやすそうだったのでこちらの作品を選択()あとでビニール傘も読みますよ☂️
『リリアン』は、主に2人の登場人物、著者を題材にしたような主人公(俺)と、そのパートナーの生活を舞台にしてる、2人の関係性は、なんでいうのがいいのか、事実婚まで行かない関係?っていうのかな
距離感が面白いなと思った
ところどころ、気持ちに共感できた
(小説をどう読むかっていうのは、悩みというかそれだけ豊かに読めるということだけど。例えば、幅広い価値観を知るのに小説を読むとか、最近私の場合は、共感して自分の気持ちってやっぱり存在してるんだって自己を再確認するのがメインになってる感じ、ん?それって自信なさ過ぎねぇか?笑)
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まるで春の暖かく心地の良い風を頬に受けているような優しく安心する作品です。
大阪を舞台にした都会的で洗練された情景が目に浮かび、登場人物達の大阪弁での掛け合いがとても魅力的なでした。
ミステリーやサスペンスばかり読んでいる私にとって一度心と身体を休める事ができた1冊です。
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さらさらと流れるように
身体の中に入ってくる文章で、ほんとにほんとに
美しくて、日常が違って見えます。
美沙さんとの話、もうちょっと聴きたかった!
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初めて岸さんの小説を読んだ。
我孫子に行ったことはないけど、街の情景が浮かぶ。
描写が岸さんらしいと言うか、生活者として人や街をよく見てはる人なんやな〜と感じる。
本当に我孫子のどこかにあの2人がいそう。