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電子書籍
宝物のような一冊
2021/09/19 00:06
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投稿者:きなこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
はらださんの著書は『日本のヤバい女の子』もその続刊も読んでいるけれど、本書がいちばん好き。
「女同士だから」
「恋愛関係ではないから」
「遠く離れてしまったから」
ふたりの関係性は“おしまい”になってしまうものなのか。
いつか必ず“終わる”ことを運命づけられた、あるいはなかったことにされてきた繋がりを、異性愛規範という強固な楔から解き放ち、ただただ終わることのない
「あなたが好き」
という感情へと解放してくれる。
読みながら、何度も多幸感に泣きそうになってしまった。
正直なところ、わたしも著者のはらださんと同じように『女ともだち』という書名に、身構えてしまうところがあった。
けれども、本書を読み進めるうちにその不安は自然と解消された。
「私は『ともだち』という言葉を使うことで、性愛をことさらに友情に『薄め』ようという隠蔽に加担しているかもしれない、と意識し続けなければならない」
と、はらださんは本文中で丁寧に書いている。
『女ともだち』は、今まで異性愛規範によって単純化されて理解されてきた「女と女」の関係性を解きほぐそうとしつつ、同時に同性愛的絆を排除していない。
証拠に、「日本最古のレズビアンカップル」と(面白半分に)称されることの多い「前斎宮と中将(我が身にたどる姫君)」についてのエッセイも、本書には収録されている。
そのことに心底安心したし、同時に非常に繊細な手つきで、異性愛規範とともに恋愛伴侶規範※を解体しようとする試みに共感し、そして救われた。
異性同士じゃなくても、恋愛関係であってもなくても、「(たまたま、あるいは必然的に)女としてわたしの前に現れた、あなたが好き」という感情を、はじめてこれほどまでにシンプルに受け入れられた気がする。
※「人間は、主に異性同士によって営まれる一対一の永続的なパートナーシップを至高とし、他よりも優先すべきだ」という思想。
実は、取り上げられている作品そのものは未見のものも結構あるのだけれど、『テルマとルイーズ』だけは、これから見ると決めているので、読まないままにしてある。
これから読み返すうちに、またあたらしい発見があったり、あるいは同じ一節に励まされたりするんだろうなぁ、と今から思っている。勝手ながら「ほんとうにありがとう」という、一抹のしあわせな気もちでいます。
自分のすべての女ともだちに買って配りたいくらい。
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