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スペインの知人宅に招かれた男女が発見した刺殺死体の犯人はだれ?
海辺の街で、崖から女を突き落としたとして逮捕された男は本当に犯人なのか。
テラスハウスのバスタブで溺死したアリスを殺した犯人は。
百貨店の大火災のすぐ脇のレストランで起きた撲殺事件。
家から見える島に不審を抱いた夫婦が発見した遺体たち。島で何が起きたのか。
引退した医師の元に訪れた女性が知りたがった、田舎屋敷の女主人が窒息死した謎。
一人暮らしの刑事の元に届く不審な品と写真。
20年前に出版された「ホワイトの殺人事件集」の復刻のため、隠棲生活を送る作家のグラントと編集者のジュリアは、7つの短編を読み返して議論していくが。
それぞれの短編が後味は良くないものの、クリスティやエラリーを思わせて、ドキドキする。
そして、その短編たちがラストに驚きの展開をみせ、さらに作家と編集者たちにも秘密が!
盛り込みすぎーっと思いつつ、最後まで楽しかった。
ソフトクリームを食べたら、コーンの最後までアイスが入ってるような幸せ。
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これはとってもお得な本!作中作が七本もあってそれぞれ楽しめるし、とにかくボリュームがすごい。
今作がデビュー作だなんて、その才能におどろき。
今後発表されるお話が楽しみです。
解説がミステリの歴史を読んでいるようで面白かった。
興味をそそられる本もたくさんあったので、書いてある本全部読んでみたいな。
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最後から3章目は、なかなかどんでん返しで面白かったが、そのあとの2章はだいたい読めたので不要かその前の章で解決すれば良かったのでは。
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作中作1つ1つが面白いのはもちろん、話がどこに向かっていくのか読んでいてもわからず・・・。てっきり作中作にヒントがあると思っていたのですが・・・さすがにこれは全く予想できませんでした。
最後まで読むともう1度読み返したくなること必須です。
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「作中作」と聞くと、どんな仕掛けがあるのかと疑いながら読み進めるのは、ミステリ慣れした読者の悪いクセですが、この『第八の探偵』の作中作のある真実が語られたとき、「そうきたか~」と心中で唸りました。
本格ミステリ好きが本格ミステリへの愛をこめ、そして技巧を凝らし、不敵な笑みを浮かべながら作り上げた作品のように感じます。
かつて『ホワイトの殺人事件集』という短編集を発表し、その後小島で隠遁生活を送るグラント。彼の元にその短編集を復刊したいと、編集者のジュリアが訪れる。二人は『ホワイトの殺人事件集』の短編を読み返しながら、ミステリついての議論を重ねていくが……
作中に収録されている作中作は7編。それぞれ犯人に色々なパターンがあり、これにグラントとジュリアの議論が加えられることで、作中の人物の言葉を借りると『殺人ミステリ』の要件が浮かび上がってきます。
『三つの棺』のフィル博士の密室講義や、有栖川有栖『マジックミラー』のアリバイ講義などを思い出される。そういう本格ミステリにどっぷり浸った人こそ、よりこの作品の面白さが伝わってくるはず。
収録作品の様々なパターンであったり、クリスティーのオマージュを感じさせるところも、ミステリ好きは楽しみながら読めそう。
そして7つの短編の真実が明らかになるとき、改めてミステリとはどれだけ突き詰めても、一方では不確定要素に満ちていることに。そして、だからこそ時に腹立たしく、面白いということに気づかされます。
正統派? メタミステリ? アンチミステリ? そんなミステリのジャンルもろもろを、貪欲に取り込んだ作品だったと思います。
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作中作7篇とそれらを中心に作家と編集者が対話する作品でした。
作中内の疑問点や引っ掛かりを覚えた点が最後に解決されていったのも含めとても面白かったです。
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こんなにふんだんなネタで、なんだかちょっと贅沢。多くの先行作品も思い出させてくれ、ラストのほうで明かされていく2人の謎も、新鮮味はあまりないもののよくまとまっている。面白かった。
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――
ミステリという形式の上にミステリならざるものを描いたミステリ、という意味ではなるほど千街氏の解説にもあるように、新本格と比べて読んでもいいのかもしれないけれど…もっと裾野の広いエンタメ重視な仕掛けモノだなぁというのが正直な感想。
一本の映画みたいに読めました。ふむ。
にしてもまったくグラント・マカリスターひでぇやつだな…
☆3.4
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面白いとの情報が飛び交ってたが、昔のミステリーに似たような作品ありで、うん?と思いながら読んだ。パロディかと思わせながらの後半は素晴らしいと思う。先入観なしで完読して欲しい。☆5かどうか悩ましかった。
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わざと矛盾があり凡庸に書かれた作中作の七篇を読み進めるのはなかなか骨が折れますが、ラストの回収で納得。よいアイディア。
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事件には嘘がつきもの。
様々な事件に、ラストで明かされる真実。一冊でここまで楽しませてくれて大満足です。
解説で作中作のある本を紹介しているけど、結構あるんだなあ。そちらも読んでみたい。
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数学者が独自の理論に基づいて書いたミステリ短編集。それを復刊するために作者の元にやってきた編集者が、その短編集の一作、一作を読み返し検討していくという話。ネットで書評を読んで、絶対好きな奴と思い喜び勇んで買ったもの。
内容は巻末の解説にもあるように日本の新本格に近い。仕掛け先行の作品ではあるが、パズラーとしてはフェアではないし、結末はかなりとってつけた感じ。あと、数学だ理論だという割に、それがあまり巧くいっているようにも思えない。
短編集をまるごと作中作としていれこむアイデアは面白いけど、手放しで喜べる内容かというと微妙なところ。
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アレックス・パヴェージ『第八の探偵』読了。
ミステリに関する数学理論を応用して書かれたという7篇の作中作とそれを巡る作家と編集者の対話からなるミステリ。久々にこれは!と引き込まれるミステリ。よくもまあこんなにも凝りに凝ったものを書くな、と。
ミステリに数学理論を持ち出し、さらには(日本の「新本格」という特殊な文脈で熱心に議論されてきた)後期クイーン的問題がモチーフになっているという点では陸秋搓『文学少女対数学少女』を想起せずにはいられないのだけれど、この問題に正面切って数学色濃くアプローチしたのが陸秋搓ならば、本作はある種の割り切りというかエンタメとしての面白さこそが正義であるとも言わんばかりの怒涛の展開というか超絶技巧で読者を捻じ伏せてくる感じ。
陸秋搓の場合は日本の新本格の影響下にあることは本人の弁からも明白なのだけれど、本作がその埒外で書かれたものだと言うのはにわかには信じ難い…某古典的名作へのオマージュ含めたミステリ愛も含めて。
これが英米圏でも高く評価されているというのだから、改めて日本のミステリ文脈の特異性とかまかり間違っても迂闊に口走ってはいかんよな、と。
兎にも角にも読めば唸らずにはいられない、ひたすらに巧いミステリ。ミステリ読まない人はいい意味で先入観なくこの卓越した技巧に酔いしれるだろうし、ミステリ読む人は言わずもがなにグサグサ刺さることでしょう。今年イチご一読をオススメしたい一冊。
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ミステリ短篇集「ホワイトの殺人事件集」を著した後隠棲した作家を追って、彼のもとへ訪れた編集者。その本を復刊するために、短篇のひとつひとつを読み返し考察していく二人。しかしそれぞれの作品に潜む不自然な矛盾点と謎。いったい物語はどこへ向かうのか。ミステリの楽しさがこれでもかというほどに詰め込まれた一冊です。
作中作のミステリの数々が楽しいです。どれもが王道のように見えて変則的でひねくれた作品が多いです。仕込まれた矛盾点も気になるし(自力ではなかなか気づけませんでした)、なんとなく据わりの悪い気がする結末もそれはそれで魅力的。なのだけれどまさか……ああ、これ以上は語れない! 言うべきことは、この本が一度で二度も三度も美味しいミステリだってことです。
作中作では「青真珠島事件」がお気に入り。なんといってもあれがモチーフですし。罠の数々も邪悪で素敵です。
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作中作はそれぞれ素直に納得できない作品ばかり。主人公の作家の過去作を振り返っていると思いきや、という流れだった。どんでん返しというよりは御苦労様でした、という感想。