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『リボルバー』はゴッホの死に迫ります。ゴッホは拳銃自殺したとされていますが、その真相は謎に 包まれています。実際、2019 年にはフランス・パリのオークションにてゴッホの自殺に使用され た拳銃が 1570 万円で落札されました。物語は、とあるオークション会社に「ゴッホの自殺に使用 された」と、さび付いた一丁のリボルバーが持ち込まれることから始まります。「ゴッホの死は本 当に自殺だったのか」読み進めるほどにゴッホという人物がわからなくなりそして、深く理解でき るようになっていき、ゴッホが晩年を過ごしたサン=レミの街を感じることができます。
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パリの小さなオークション会社で働く主人公冴の元に『これはゴッホが自殺した時に使ったピストルです。』と錆び付いたリボルバーが持ち込まれる所から話は始まる。
本当にそれはゴッホが自殺した時に使ったリボルバーなのか…
そしてそのリボルバーを持ち込んだ持ち主は何者なのか、どんな意図があるのか…
調べていくうちに行き着く疑惑。
ゴッホは本当に自殺したのか?
実は殺されたのではないのか?
題材からしてワクワクせずには居られないこのテーマをアート小説を書かせたら右に出る者は居ないマハさんが書くのだから堪らない!
まるで今目の前に見せつけられたかのように描写されるゴッホとゴーギャン2人の傑作。
その絵画に流れる深い物語。
そしてゴッホとゴーギャンと言う歴史的画家2人の血の通ったやり取り。
これが本当の話だとしたら歴史は確かにひっくり返る。
でもタイムマシーンでもない限りこの謎はきっと永遠の謎。今すぐにでもオーヴェール=シュル=オワーズ村に行って『あの並木道』に立ってみたい。
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誰が引き金をひいたのか?_
ゴッホの“ひまわり”の絵に
印象的なリボルバーというタイトル
そして 心躍らされる帯の言葉を目にしたら
絶対読まずにはいられない…
兵庫県立美術館のゴッホ展に以前訪れたとき
どんなに絵に疎くても 生活の中にふと現れる非日常_だと感じた
マハさんの小説に出てくる“アートは友達_”という言葉ほど
私は絵画に詳しいわけではないけれど
でも 不思議だけどゴッホの絵と会話したい気持ちになった
どの絵も荒々しくて 自分だけの世界を描きたい…という
情熱をひしひしと感じた
傷ついた心を光にかえて描いてきたのだろうか…
自分だけの本当の“美”を追い求め
時にのたうちまわりながら
才能という“風穴”を開けるために
もがきながら描いたのだろうな…と想像した
ゴッホの絵画を観た時にも感じたように
この作品を読んだ時も
マハさんがゴッホやゴーギャンで感じてきた想いと
マハさんが表現されるものの間にある
目に見えない風穴をあけて
この作品が生まれてきたのだろうな…と想像した
どれだけの時間と情熱をかけて この作品を描いたのだろう_
想いを馳せずにはいられない…
ゴッホが描いた絵を 目の前で観れるという“奇跡”_
そして
この時代に マハさんのアート小説を読めるという“幸せ”_
どちらも感動した!!!!
感動した想い…ずっとずっっと大切にしたいなぁ
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ゴッホはなぜ自殺したのか、本当に自殺だったのか…
ゴッホを撃ち抜いたのは誰か…
この先、解き明かされることのない課題。
そんなテーマをコンセプトにして、史実とフィクションを調合したストーリー。
オークション会社に勤める高遠冴を主人公にして、この謎を紐解いていく。
ゴッホ・ゴーギャンの研究者である冴にとっては、論文の研究材料以上に興味の方が優るのではないか。
ゴッホとゴーギャンの関係、それは親友か、それとも嫉妬・ライバルか!?
今では2人はとても高く評価される画家だが、ストーリー上では、たくさんの葛藤を抱えながら今を生きているひとりの人間として描き出され、すぐ目の前でもがき苦しむ一個人のように親しみを感じる。
「解き明かされることのない課題」を解明して欲しいと持ちかける人物サラ。書名にもある「リボルバー」を所持していた。このリボルバーが本当にゴッホを撃ち抜いたものなのか!?
本を読み進めていくうちに、次々と疑問が立ち上る。
ゴッホファンの誰もが抱く「死の真相」について、問題解決形式で進んでいくアートミステリー!
何度も積読意欲を掻き立てられるものではなく、1度じっくりと読んで納得し、心の中でさらに真相を妄想したくなる作品だった
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ミステリーとうたってしまうには、あまりにも早く結末が見えてしまって興醒め。大好きなパリらしさがあまり感じられなかったのは、舞台のほとんどがオーヴェル=シュル=オワーズだったからか……。原田マハさんらしいアートへの畏敬や羨望、憧憬、希求に溢れる話ではあったけれど、やはり展開の短調さで先へ読み進める推進力がわたしに取っては不足していたような気がする
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「リボルバー」
ゴッホが自らを撃ち抜いた(自殺)とされる一丁の拳銃。
でも、それは本当にそうだったのか?
誰かがゴッホの胸を撃ち抜いたとは言えないか?
そしたら
誰が、その引き金を引いたのか?
その帯を読んだだけで、
なんだかドキドキしてしまう”曰くありげ"の物語。
原田マハさんは、その前に
『たゆたえども沈まず』という小説で、
ゴッホについて書いている。
これは、
ゴッホと、その弟テオを中心に、日本との関わりも含めて書かれていた。
ゴッホの絵画への熱すぎるほどの情熱と
それが世間に認められない傷ましさに胸が痛んだ。
そんな居た堪れない生涯だったゴッホのことを
『リボルバー』では、ゴーギャンの視点から描いている。
美術のことはまるで分からない私なので、
ゴッホとゴーギャンとの関係性や
ゴーギャンの生き方、遺した絵画にも
興味が広がるきっかけとなりました。
小説=フィクションなんだけど、
どこまでが現実でどこがフィクションなのか?
ひょっとして、これ?...◯実かも???
と思えてしまう読後感でした。
原田マハさん、スゴイ❣️
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原田マハさんの本は大好きで色々読んでいるけど実は絵画が絡んだお話はまだ読んだことがなかった。ひまわりの絵に惹かれて読み始めて、取り憑かれたように読んでしまった。面白い。読み終わったらゴッホの絵画展に行きたくなった。
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原田マハの芸術小説に外れなし。
多くの小説に描かれてきたゴッホとゴーギャンの物語に、新たな「事実が」。
弱小オークション会社に持ち込まれたさび付いた拳銃。それが「ゴッホの胸を撃ち抜いたリボルバー」だという。
ゴッホとゴーギャンの研究をしている日本人女性、冴がその真実に迫る。ってなんというスリリングな設定だ。
芸術に疎い私でもゴッホとゴーギャンの絵を目にしたことはあるし、二人が一時期一緒に暮らしていたことも、ゴッホの耳削ぎ事件のことも知っている。けれど、ゴッホの死についてはぼんやりとしか知らない。
そのぼんやりとした「死」はアート史上最大のミステリだと言われる。なぜ、どうやって、死んだのか。
その秘密に原田マハが迫る。
オークション会社のスタッフである冴の研究者としての姿勢。膨大な資料の中から必要なものを選び出す眼。ひとつひとつの文献に丁寧に当たるその真摯な姿勢に思わず姿勢がのびる。
会社員である以上、会社にとっての利益を考えなけばならない。大手で活躍する友人へのライバル心もあろう。けれどその前に一人の芸術を愛する者であり研究者である、そのはざまにある冴のゆるぎない信念の凛とした美しさに惚れる。
それにしても、あぁ、もうこれが「本当のこと」としか思えない。この物語こそがあの日、あの時、あの場所で起こった「事実」だとしか。
芸術に生きる、いや、芸術の中でしか生きられなかった二人の男の、熱く濃い命が鮮やかによみがえった。
読み終わった後、自分が黄色い世界の祝福の中にいる気がした。
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エンタメ小説はこう来なくちゃ!虚実おり混ぜた世界に、浸れる時間が待ってます。高みの世界への到達と人の幸福とは何か、背景にあるテーマです。
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変わらず一気に読み切りたくなるような展開が続いていて良かったが、なんとなく私にとってはきれいに分かりきれなかった気がする。
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この本を読んだら、ゴッホとゴーギャンの作品を見てみたくなった。普段美術館に行かない私が。暗幕のゲルニカを読み終わったときには、ピカソを見に行きたくなったのと同じで。偉人には、本人同士にしかわからない感情、関係が存在して、私たちは今想像しかできないけれど、2人と2人を取り巻く人たちの人生に大きく興味を惹かれる作品だった。
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原田マハのアートミステリ。大好き。
フィクションではあるが、まるでそれが本物であるかのように、体温を持ち、本の中に息づいている。私はそれが大好きである。
私は美術に明るくない。
ゴッホとゴーギャンに関しても、耳切り事件とゴッホの最期くらいしか知らない。むしろ、ゴーギャン冷たいくらいに思っていた。
でも、もしかしたらそうじゃなくて…彼らの心にはタブローしかなかった。だからこそ、二人はああいう結末に至ったのかも、と考えると、何だかとても切なくなってしまう。
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高遠冴は、フランスの小さなオークション会社に勤めている。ある日、オークション会場の入り口に見知らぬ女性が立っていた。声をかけてみると、見ていただきたいものがあるということで訪ねてきたとのこと。それは、錆びついたリボルバーだった。話を伺ってみると、そのリボルバーは、ゴッホが自殺の時に使ったピストルであると主張した。
さらにそれは、以前ゴッホの展覧会で展示されたリボルバーだという。
半信半疑のまま、冴はその展示会を主催した美術館を訪ねた。しかし、出展されたリボルバーと女性が持ってきたリボルバーとは異なっていると言われた。
果たして、その真相とは?
原田さんのアートミステリーということで、今回はゴッホとゴーギャンにまつわる話です。持ち込まれたリボルバーは、本当にゴッホが使ったものなのか?
実際にゴッホが自殺に使用した可能性のある拳銃は、2019年の6月にオークションに出品されています。
そこから着想を得たということです。
史実を元にしたフィクションですが、ゴッホの死に隠された真相に原田さんの筋の通ったストーリーに思わず納得してしまいました。細切れの事実を膨らせて、一つの壮大なストーリーに仕上がっているので、どんどん引き込まれました。
普通ならば、現在編と過去編を提示し、すぐに当事者の視点が始まります。しかし、この作品は、現在いる関係者の語る話から始まり、そこから数珠つなぎのように当事者へ繋がっていきます。語る話、の中の話、の中の話といった具合にマトリョーシカのようになっていきます。順々に真相に近づいていくので、気づいたら沼にハマり奥底にいた感覚でした。
個人的に美術に疎く、ゴッホやゴーギャンについてわからないことだらけだったのですが、様々な史実や情報を知ることができ、勉強になりました。
絵画は見たことあっても、画家の歴史まではあまり触れてこなかったので、へーなるほどと思うばかりでした。
こういった知識を知ることで、改めて絵画を見てみると、また違った捉え方が味わえるので、見てみたくなりました。
ゴッホは果たして自殺?事故?他殺?
本当の真相は闇ですが、この作品でのストーリーがもしかしたら本物なのかもしれません。それほど違和感なく、感じたので、思わず信じてしまいそうでした。
読み進めるたびに新たな謎が登場していくので、早く真相が知りたいという欲が湧いてきました。
何が本当で、何が嘘かわかりませんが、実際の史実を守りつつ、壮大なミステリーとして仕上がったことに驚きと共に勉強にもなりました。
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幼い頃から美術が好きな母に育てられ、美術に携わる仕事がしたいと、パリでオークション会社に務める冴の元に、これまでの美術史を覆すものだというものが持ち込まれる。
その真贋を見極めるために冴はゴッホとゴーギャンの間に横たわる歴史と相見えることとなる。
たゆたえども沈まずと同じくしてゴッホにまつわる事実に基づいたフィクション。
フィクションとわかっていても胸が踊る展開にページをめくる手が加速した。
正解などない途方もない世界で生きたふたり。ふたりの喜びも苦悩もきっと誰にもわからない。
今わかるのは素晴らしい画家とその支えになる人たちがいたこと。その人たちはもうこの世にいないこと。その人生にはそそれぞれ様々な出来事があり、交差することもあれば向き合うことも背を向けることもあったこと、ただそれだけ。
そこからこのような物語を紡いでくれた原田マハさんに敬服する。
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史実とフィクションがとてもさりげなく混ぜられていたので、読みやすく面白かった。
舞台の風景や絵画が目に浮かび実際に見てみたいと思わされました。