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星へ行く船シリーズ第二巻
火星でのトラブルエージェント業も少しずつ板についてきたあゆみ。微妙な関係の太一郎とも、少しづつ進展…。そんなある日、彼の家の前で襲われた美女は彼のかつての妻らしく、不可解な依頼をあゆみに託してきた…。
人類の進化と、疎かにされる生命。
その価値は…?
というのは、古典的なSFの登場から、ずっと変わらぬ大事な命題ですが、この小説に出てくる事件も、実はそれをヘビィに描いています。ただ、軽く柔らかな語り口と登場する人物の魅力で、それほど凄惨な印象を与えずに読ませるのが新井SFの魅力。
なんて、ちょっとお堅い書き出しですが…。扱うプロットはこのシリーズ、相変わらず正統派です。
ただ、本当の魅力NO1は、この本の主役。
木谷真樹子―レイディ。もとの太一郎さんの奥様。最高にいい女なのです。
そして、彼女に精一杯の愛情と憧れを捧げて、二人の復縁を…と、自分の恋に目を閉じて願うあゆみのいじらしさとパワーが読みどころ。
太一郎さんも出番は少ないのですが、ほろ苦く気障でほんとうにいい男。
レイディと彼のロマンスが、どんなに熱く激しかったか…予想つきすぎてあゆみちゃん目線の読者は、胸が痛いです。
それだけに
「こいつ!よくも…俺のあゆみに」
という言葉に、ドキッとするのですけども。
今回はかなり加筆されていて、いかにこのお話の陰謀がシリアスなものかよくわかります。レイディの印象も、ただのいい女というより、ぐっと大人度が上がっていて、小説としてはこっちの方が読み応えがありますね。
次のお話も楽しみです。
スピンオフの主人公はあゆみの同期入社。
中谷くんですが、はい。
こんなにあゆみの事、好きだったんですね。
解ってましたけど、こうストレートに言われると。
くすすす…彼にもいいひと、出来たらいいですね。
それから…フレーズに引用した後の場面。
159ページ。
字数制限でフレーズのところには入り切らなかったので…こちらに引用を。他の方も挙げておいでですのでやはり印象的なのね。
この言葉の後、あゆみは、守られる可愛いいいところのお嬢さんから、本当の女性への一歩を踏み出したのだと思います。
あたし…レイディ、好きよ。本当に……好きよ。あの人を守ってあげたいと思った。だとしたら…。
あたしだって、後悔は、絶対したくない。楽な道をいきたいのは確かだけどーでも、それ以上に、後悔をしたくない。
「あゆみ!!」
電話口で絶叫している太一郎さんにウインク一つ。
「大丈夫。あたし、ぜえったい、死んだりしない」
目を閉じる。いつかのー火星の夜景を背に微笑んだレイディを思い出して。そうよ。
「誰が…誰が、従容として運命に従ってやるもんですか」
「あゆみ!!」
叫ぶ太一郎さんの顔、ちょっと眺めて。あたしは、電話を、切った
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コバルト文庫(オリジナル)の「星へ行く船」シリーズのリメイク版。
作者自身が内容を見直し、オリジナルを違和感ないように修正をし、さらにスピンオフ小説も新たに加筆。
ただ残念なのは、オリジナルにあった挿絵がこのリメイク版では、なくなっています。
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この本はタイトルは鮮烈に憶えていました。発音としては正しいんだけど、文章で「レイディ」と書いている例はあまりないですよね。
このお話は事件の大きさと隠蔽工作の徹底ぶりが印象的ですが、その割に現れる殺し屋がいまいち間抜けなところにちぐはぐ感があります。まぁ完璧な殺し屋が出てくるとあゆみちゃんが活躍てきないってものありますが。
これはレイディの話ですけど、あゆきちゃん暴走編でもありますね。
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30年ぶりくらいに、昔大好きだった人と再会した。
再会した彼は相変わらず素敵で、夢中だったあの頃に戻ったみたいな気持ちになれる。そんな感じ。
お久しぶりです!
あ、でも、素敵なのは彼だけじゃなく、むしろ彼よりも彼女の方が・・・そのへんの男よりもめっちゃ強い、でもとてもチャーミングなレイディ。
憧れだったな。
そして、そんなレイディの元ダンナである太一郎さん。
この似た者同士な二人が活躍するこのお話が、シリーズの中でも特に好きだった。
こんな素敵な2人に大切に思われるあゆみちゃんが、それはもうめちゃくちゃ羨ましくて、
「こいつ!よくも・・・・・・俺のあゆみに」
のあたりを何度も読み返しては、にまにましてたあの頃。
30年経っても、同じことしてるなぁ。
名コンビと言えば、あゆみちゃんと村田さんのかけあい漫才調なやりとりも、ものすごく好き。
書き下ろしの短編は、中谷くんの話。
太一郎さんのキャラがぶっ飛んでいるので、存在感が薄れがちな時もある彼だけれど、この短編もなかなか良い。どんな内容かは是非読んでみて下さい。
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[図書館]
読了:2016/11/19
なんとなく2巻目も読んでみた。
相変わらずスラスラ読める。そして相変わらず殺し屋さんは能天気な人が多い…。
「ふざけてないもん!痛いな、手、放してよ」
「放してよって言われて放すと思うか」
「思わないけど放してほしい」
「あんたな」
ちょっと笑った。
あと、コンテナにレイディが入ってて「ごめんなさい。はいってます」も。
太一郎さんとの関係は一気に飛び過ぎじゃない?1巻の時点で単なる同僚以上のものは何もなかった気がするんだが…。
あと、2巻目にして彼の元カノどころか元妻が出てくるってすごいね…。作者本人もあとがきで書いてるが。
1982年だなぁと思ったところ。
主人公が20歳で相手の男が26歳なのを「年齢的にちょうどつりあう」と述べる。今だったら6歳上って結構少ないと思うが…。
なお、1982年の平均初婚年齢は、男28.0、女25.3歳(2.7歳差)。
2015年では男31.1歳、女29.4歳(1.7歳差)。
子どもが産まれるのに、両親の戸籍が入ってないとまずいだろう、と考えるところ。
今ある習俗のうち、何が残って何が残らないかなんて予想しづらいよなぁ、と思った。
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『二〇一六年 九月 一六日 第一刷 発行』版、読了。
シリーズ第二作目。
コバルト文庫版を読了して、軽く数十年は経過しているから「あー、こんな話だったかー」と、思いながら読了しました。
今作も前作同様、加筆修正が施され、なおかつ新規の短編が収録。そちらの短編が誰をクローズアップしているからタイトルでわかりますww そして今回用の新たなあとがきが収録されてます。
作者自身があとがきで明記しておりますが、女子キャラを描くのが好きというだけで描かれた内容だったことは読了すれば一目瞭然でしたww
女子が目上の「できる女子」に憧れるというシチュエーションのもと、ドタバタな展開が描かれていくわけですが……割と、その背景にある事件の要因ともなる出来事がヘビーなので、その点では「うわ……」なんて、思う内容です。
あと表紙が男性キャラなので「あ、この人が今回のメインなのか?」なんて、思うかもしれませんが、どっちかというとキーパーソンな感じで、終盤でオイシイところをちょこっとさらうカンジです。
読み終わって改めて思い返すと、割とヘビーな点が垣間見えるのですが、そういう意味では、短編はいいカンフル剤として良かったです。
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レイディ、なんて素敵な女性でしょう。この方がいないと役者が揃わないものね。あゆみちゃんが憧れるのよくわかるよ。さぁ、次、次、3巻目を読まなくちゃ。
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"あたし……レイディ、好きよ。本当に……好きよ。あの人を守ってあげたいと思った。だとしたら……。
あたしだって、後悔は、絶対したくない。楽な道をいきたいのは確かだけどーーでも、それ以上に、後悔をしたくない。
「あゆみ!!」
電話口で絶叫している太一郎さんにウインク一つ。
「大丈夫。あたし、ぜえったい、死んだりしない」
目を閉じる。いつかのーー火星の夜景を背に微笑んだレイディを思い出して。そうよ。
「誰が……誰が、従容として運命に従ってやるもんですか」
「あゆみ!!」
叫ぶ太一郎さんの顔、ちょっと眺めて。あたしは、電話を、切った。"[p.150]
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コバルト文庫版で読んで以来、シリーズで最も記憶に残っている作品。といってもストーリーを覚えているわけではない。“レイディ”という単語が頭に残っているのだ。本書では省かれていたが、自分の中では、森村あゆみの「“レディ”というより“レイディ”と呼ぶのが相応しい」という感じのフレーズを覚えていて(30年も!)、それが格好いいと思い続けていたのだ。コバルト文庫版を読んで以来、私は“レディファースト”とは言わない。“レイディファースト”と発音することにしている。さて、本作は冒険SF要素も強くなり、一言で感想を述べるなら、“面白い!面白い!面白い!”だ。これ以下の感想は書けない。
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レイディめちゃくちゃ格好いい・・・!これはみんな惚れてしまうのわかる
勢いのあるストーリーで女の子たち大活躍だけどディスクの下りだったり内容はかなりハード
あゆみちゃん無鉄砲すぎるよ・・左腕が義手になってしまうなんて 涙
ラストの太一郎さんとのシーンはムズキュンこれぞ少女小説という感じ 笑
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40代のおっさんが初めて読んでますが、ドキドキしました。あゆみ嬢の無鉄砲ぶり、義手の登場、太一郎さんの良い性格した王子様ブリ。これは少女小説の醍醐味がつまっているなぁ、と。当時、リアルタイムで読んでいた皆さんは熱狂、トリップしたんだろうと納得の1冊。これはシリーズを読み進めていくのが楽しみ。
番外編。中谷君が順風満帆ではなかたっと知り、色々な角度から登場人物が知れて、これも嬉しい。
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レイディとあゆみちゃんがむちゃくちゃ好きで、太一郎さんがうらやましかった(笑)
ほんとうに子供の頃に読んだ(当時はコバルト文庫だった)けど、たぶん人生を変えてくれた一冊。
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新井素子が描く女性って、なんでこんなにカッコイイんだろう?
て思うくらい、カッコイイ人たちが出てきた。
レイディもあゆみも、麻子さんも、ほんと素敵ですわ。
これ発刊時に読んでたら、めちゃめちゃハマってただろうなぁ。