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2017年の9月3日のこと。
地下アイドルの中央線防衛軍という五人組ユニットの一人、荻窪ひとみ22歳がストーカーによるものとみられる犯行によって公園で刺殺されます。
武蔵平市の市役所に勤める倉多佑美28歳は、荻窪ひとみ(本名馬場ひとみ)の恋人と名乗る男から武蔵平市のひとみの転居先のアパートを電話であてずっぽうに問われ、答えはしませんでしたが「違います」と言ってしまったことから逆にひとみの住むアパートを知られてしまいます。
そして、ひとみが刺殺されたのちにもう一度男から「あなたがひとみの住所を教えてくれて助かった」という嫌がらせの電話がかかります。
そしてひとみのストーカーは防犯カメラに映っていた原付の映像から、野上昇という前科のある男が怪しいとされ、家宅捜索により殺害に使った凶器が見つかりあっけなく逮捕されます。野上は「知らない」「やっていない」の一点張りです。
そして2020年、市役所に居られなくなって辞職して喫茶店でアルバイトをする倉多佑美のところへ、星谷隆弘という30歳の男が訪ねてきます。
星谷は中央線防衛軍のひとみ推しの青年でした。
そこへ3年前の担当刑事の源田とひとみ推しだった星谷の仲間たちも招かれて、星谷は「犯人は意図的に倉多さんを巻き込んだ」「倉多さんに対する嫌がらせ」「倉多さんの人生を狂わせた」という言葉を口にし、星谷の思うところの事件の真相を語り出します。
以下、私の感想でネタバレありますので、お気をつけください。
ここまでするんだと思いました。
復讐をしたい気持ちはわかるけれど、不幸な復讐事件だったと思いました。
ひとみは何も殺される理由などなかったのですから。
星谷の最後の「オタクをナメるな」が響きました。
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初の横関作品。図書館本。
ルパンの娘の原作者さんなんですね。
推し地下アイドル殺人事件を、ファンのほっしーが謎解く。
ほっしーの誠実キャラがよいですね。
テンポよく読ませて頂きました。
後味ちょっぴり苦い作品。
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3年前のストーカー殺人事件で、人生を狂わされた元市役所職員・佑美のもとに、星谷と名乗る謎の男が現れる。彼による事件の“再検証”が、壮大な悲劇の連鎖を明らかにし…。書き下ろしクライム・ミステリー。
重層的というか、凝った構成の作品だと思う。それに加えて横関大特有の巧みな文章に誘われて、ページを捲る手がなかなか止まらなかった。結末の何とも言えない虚しさも印象的だった。
(B)
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逆恨みも混ざったやりきれない事件でした。
星谷の”ひとみん”を思う気持ちが事件を解決に導きました。
すごい執念だと思う。
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*
横関大さん初読
3年前、自称オタクの星谷が推す地下アイドル
グループのひとみんが殺される。
星谷は何故ひとみんが殺されなければ
ならなかったのか、この3年間
ずっとずっとずっと考えていた。
事件の関係者である元市役所職員の佑美、
担当した刑事の源田、
星谷を含めたひとみん推しのグループメンバー4人、
メンバーは揃い殺人事件の再検証が始まった。
物語は、関係者の当時置かれた状況や心境が
時間を明示し当人の視点から語られる。
ひとみんが殺された本当の理由は何か、
単なる地下アイドルの殺人事件に留まらない
事件が起こった因果関係の真相が解き明かされる。
推しのファンが事件の根本解明に動く話は
初めてで新鮮でした。
アイドルファン、野球部ファン、バンドファン、
地下アイドルファン、のめり込む対象は違っても
熱量や想いは共通だと感じれました。
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偶然かと思っていたら必然だった。
小さな因子が積み重なった悲しい話。
でも、巻き込まれてしまった人はなんとも声を掛けられないくらい可哀想。
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読み易く素直に物語は面白かった。惜しむらくは、自転車で飛び出した女子高生が誰なのかの最後のどんでん返しが希薄だったこと。ここまで練られたプロットならもう一つ伏線を用意していてもと感じた。
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なぜ、用意周到な犯人があんな致命的なミスをするのか。なぜ、警察がこんなに不甲斐ないのか。なぜ、オタク探偵ホッシーはこんなに頭脳明晰なのか。読み終わっても謎は深まるばかり。地下アイドル殺人事件発生。犯人は彼女のストーカーらしい。犯人に彼女の住所を教える手掛かりを与えてしまった市役所職員の祐美。結果佑美は退職に追い込まれ3年の月日が流れた。祐美の人物描写は丁寧に書かれているので人柄や心情はわかったが、その他の人はアッサリした文章。特に被害者のことがもっと知りたかったので、ひとみんの視点もあれば良かったな。
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最初と最後で事件の見え方がくるりと変わる、私の好みどんぴしゃりの作品だった。
地下アイドルの呼び方の由来は、メジャーでないからってことだと思ってたけど、そうでない説の方が浸透してるのかな。(諸説あるんだろうけど。)
殺された地下アイドル荻窪ひとみの事件の真相を求めて調査を行った星谷の粘り強さには感服する。
その調査は詳しくは語られないけど、アイドルおたくならではの気付きがある。
壊された人生は元には戻らないけれど、新しい道に進むきっかけには、きっとなる。
それにしても、「因果」って、どこに転がっているか分からない。
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始まり方が結構謎が多くて、どうなるんだと気になって読み進めた。
途中までほんと面白かったけど、最後がな~というか犯人の思考がえーって感じで・・・。まあ犯人からしたらそう思うのかもだけど、いまいち勝手すぎる気がした。佑美、悪くないよね、ってのが強い。
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こんな因果関係があったなんて……。
とんだとばっちりって感じがしなくもないけど。これを実現させた人の執念を感じる。
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2021/12/25
罪の因果性
横関大さん。
なんとも、
こんなことって?!と、、。
正直に生きないといけないなぁー。
隠したら、ダメだなぁー。と
痛感した。
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「あの時、ああしてさえいれば!と思って読んでいたけど、結局そこを変えたからといってどうしようもなかった、とわかって、結局どうしようもなかったのか…と後味が悪かった…」という感想とともに紹介された本。
なんというか、職場の危機管理的な研修を受けたばかりの身につまされる。まあ、たしかにね?バッチリな対応ではなかったと思うけどね?しゃーないやん?いや、がんばったと思うよ、うん!って感じと言いますか。
読後、タイトルを見返して納得したりすることがあるけれど、今回は「もうちょっと情状酌量っていうか~、勘弁してくださいよ~」と頼みたくなる感じ。
考えてみると、「妥当(ざまあみろ枠)」、「微妙(大衆に晒せば炎上することもあるよね枠)」、「冤罪」という3パターンだったのか…まあ、やっぱ私刑はいかんのだなあ、というところに集約されるなあ。
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ふとした事がきっかけになり、それが負の連鎖となって自分の身に降りかかってくる。
誰にでも弱さや迷いはあるが、隠すことで余計に在らぬ疑いをかけられ、自分自身を追い込むことになるという…
どうなるのだろう…と最後まで目が離せなかった。
市役所職員の倉多佑美は、大学時代に自動車事故をおこした。すでに終わっている事で気にも留めていなかった。
それが、市役所で働き6年目、かかってきた一本の電話により人生が狂わされる。
人生を狂わされたのは彼女だけではなく、命まで奪われるという地下アイドル、そしてその犯人にされた男。
真相を突き止めたのは、地下アイドルを推していたファンだった。
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いったいどう話が繋がるのかとハラハラしながら読みました。
そう来たかーと言う結末でしたが、共感はしづらかった。
復讐の動機としては弱かった気がします。
復讐の相手、三人のうちいちばん復讐しなければいけなかったのは野上では?
原因を作った(と思っていた)女子高校生、そして急ブレーキをかけて追突事故を誘発した佑美については致し方ない行動だったのでは?
佑美の電話対応も取り立ててミスがあったわけでもないし、佑美とひとみんが気の毒でモヤモヤしました。