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オカルトかな?ミステリかな?
幽霊探しを生業(?)にする主人公はA.A.ミルンのとか、ポール・ギャリコのとかで読んだことがあるが、
全体的に明るい雰囲気だった印象だった。
カーナッキはもう少しオカルト寄り。
全体的にイギリスの雨模様といった薄暗い雰囲気。
いい雰囲気出てます。
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コアなファンも多いようだが、う〜ん、という感じ。友人4人を呼びつけて、カーナッキ自らが解決した事件を語って聞かせるという設定なのだが、「理解できるかね」「想像できるかね」等々、確認を促すような問いかけが頻々とあって、いささか鬱陶しい。“究極の恐怖”として語られることに対しても、あまりそう感じられなかった。まだ擦れていない若いうちに読んだのなら、また違った感想を持ったかもしれないが。
収められた10編のうちでは、「角屋敷の謎」、「魔海の恐怖」の雰囲気は好き。
――The Casebook of Carnacki the Ghost Finder by W.H.Hodgson
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「クトゥルー神話」の流れを汲みしもの(コズミック・ホラー)、という枠で捕えていたので、「ホームズのライバル」というタグにちょいとびっくりしてみたり。そうか、怪奇探偵小説、か……ホームズにも「バスカヴィル家の犬」とかあったもんなあ。
「電気式五芒星と古文献を駆使し、オカルトと科学を混合させて怪奇現象に挑む、名うての“幽霊狩人”」という紹介文が、このシリーズの魅力をすでに余すところなく語っています。
起こる事件も心霊・超常現象ばかりではなく、人目を欺くために幽霊の振りをした、というオチのものも入っていて、そういう意味でも楽しめます。つくづく作者の早世が惜しまれる……。
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基本はホラー、ですが
作品によってはミステリー要素も含まれます。
ミステリーのほうは深くは追求しないので
完全解決を望む人には向きません。
面白い作品は
ミステリーを含まない作品に多いです。
純粋なホラー作品である「魔海の恐怖」や「口笛の部屋」は
中々怖い怪物を拝むことができます。
最後はあまり…ですが、うわー…とは思わせてくれるはずです。
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『礼拝堂の怪』
アルフレッド・ジャーノック卿の屋敷で行われた礼拝の終わった礼拝堂で片付けていたベレット執事が何者かに刺された。司教もジャーノック卿も目撃する中の事件。呪われた礼拝堂の秘密。
『妖魔の通路』
アンダースン邸の回廊の突き当たりの部屋で起きる怪現象。夜中に開くドアのの音。執事のピーターズとの捜査。部屋の中から出られないという霊の秘密。
『月桂樹の館』
月桂樹の館で殺害された2人の浮浪者。その館で一晩を過ごす者は命を落とす。夜中にカーナッキが写した写真に写っていたもの。
『口笛の部屋』
アイルランドの館を買い取ったアメリカ人のタソック氏。地元の美女ミス・ドナヒューと婚約したタソック氏。その後聞こえてくる口笛の音の謎
かつて館で殺害された道化師の秘密。
『角屋敷の謎』
角屋敷の周囲を歩きまわる女の正体。井戸に隠された秘密。
『霊馬の呪い』
最初に生まれた女性が呪われるというヒギンズ家。メアリと婚約者ボーモントに聞こえてくる馬の泣き声。地下室に隠された秘密。
『魔海の恐怖』
トムスン船長が所有する船。その船で航海すると船員たちがおかしくなっていくという。船を襲う怪異。
『稀書の真贋』
1冊しか現存していた詩集。その本のもう1冊が発見された。鑑定の結果は本物ということに・・・。
『異次元の豚』
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心霊・怪奇現象を探求するカーナッキ先生が、怪奇事件を調査して解決する連作短編集。オカルト前提ではない中立な姿勢で調査して、時には合理的な解決がみられることもあるのが面白いです。
正直なところ盛り上がりに欠けて若干退屈な作品もあるのですが、独特の魅力があります。
独自の理論体系や用語にはなかなか惹きつけられるものがあります。シグザンド写本、サアアマアア典儀、サイイティイイ現象などなど。
また、カーナッキのキャラクターのおかげで楽しめている部分は大きいです。説明好きで、探求好きな彼ですが、超然としているわけではなく、幽霊に怯えたり、怪奇現象に焦りまくりだったりと意外と臆病でかわいらしい。
探偵ものとしても読めますが、オカルト寄り作品の方がおどろおどろしい雰囲気があって好みですね。「口笛の部屋」「魔海の恐怖」「異次元の豚」あたりが好み。
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以前、図書館で国書刊行会版を読んでいた物の新訳と聞いて。あーやっぱ訳者が変わると多少読みやすくなるね。ヘタに心霊的なメカニズムについてマニアックな解説しないから「ジョン・サイレンス」よりは楽しめる
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届いたばかりの創元推理文庫版W.H.ホジスン「幽霊狩人カーナッキの事件簿」を耽読中。角川ホラー文庫版と比べて全て1人の訳者が翻訳しているので統一感がありテンポが柔らかい。
ホジスンという作家さんはファンタジー作品を書く人ではないらしく異世界を描いても明快で分かりやすい。
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ジョン・サイレンスと並び称されることの多いオカルト探偵
カーナッキの短編集。こちらの方がより事件簿らしい。
すべての事件が怪奇現象というわけではなく、中には人の
手による作為的なものも含まれており、最後までどちらか
わからないのがこの作品の一つの魅力になっている。
だが、どうにも主役であるカーナッキに魅力が乏しいのが
残念。幽霊狩人といいながら人並みに恐がりだし、推理力が
飛び抜けているわけでもない。事件として最後まで怪奇か
現実かわからないというのはいいのだが、主人公カーナッキ
自身も最後までどちらかわからずに振り回されてしまうのも
いただけない感じだ。わたしはジョン・サイレンスの方が
好きである。
カーナッキが一番輝いて見えるのが、オカルト現象の一切
関係ない「稀書の真贋」というのも皮肉である。
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思ったより、コズミックホラー度合いが低いのがちょっと残念でした。
短編のいくつかは単純な事件だったりしますし。
それでも、「異次元の豚」など一部の話では異形の存在が出てきたりと、雰囲気は楽しめるのではないでしょうか。
なんとなく、電気に過度な期待があるようなそんな時代の話でした。ノスタルジック?
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オカルト探偵カーナッキの怪奇探偵小説10編収録。ゴーストハンターものならカーナッキだが、正確には彼はハンターではなくゴーストファインダーらしい。電気五芒星や古文献を使って難事件に取り組むがゴーストをハントしない。事件はどれも人為的なものばかりでタイタスクロウのように魔物と対決はしない。むしろ中禅寺秋彦のように一見オカルトな事件を人の手によるものであると見破り、被害者たちに憑いたものを落とす。すべて怪奇趣味たっぷりの奇談揃いなので存分に楽しめる
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彼――カーナッキは怪異専門の探偵だ。科学と魔術、双方の知識を駆使し、依頼を解決して自宅に帰還するたび、食事に招いた私たち友人を前に、依頼の一部始終を語って聞かせるのだ。人を縊り殺す怪魔、肉眼で捉えられない霊馬、夢を通じて相手を狙う魔豚。はたして、今夜はどのような話を聞かせてくれるのか――。
ラヴクラフトが評価したことで、後にクトゥルフ神話に取り込まれることになった、10編の怪異奇譚連作集。
以下、なるべくネタバレなしの各話感想。
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『礼拝堂の怪』
とある館の内にある古い礼拝堂の中で、執事が短剣に刺されて重症を負う事件が発生する。しかも事件が起きた時、執事の周囲には誰もいなかったことを複数の目撃者が証言したのだ――。
(某鹿撃ち帽を被った探偵よろしく、知識と道具で謎を解明していく様は、本シリーズの推理小説としての面が強く出ている点で代表作の一つと言える。ホラーとして読んだ人は当てを外されて面食らうかもしれないが、著者の創作の源泉にコナン・ドイルの影響があるのも事実である。)
『妖魔の通路』
人里離れた所にある一軒家の部屋の一つ。そこでは毎夜、掛けたはずの鍵が開けられ、部屋が荒らされる怪奇現象が起きていた。下調べを終えた後、その部屋で一晩を過ごすことにしたカーナッキを襲ったのは――。
(本作では、科学と魔術を融合させたカーナッキ独自の技術が存分に活躍している。そして本作で登場した典籍や用語は、後にクトゥルフ神話に取り込まれることになる。)
『月桂樹の館』
その館は、怪しい噂が尽きない曰く付きだった。新しく館の所有権を継いだ依頼者が実際に一晩を過ごしてみると、はたして怪異を体験する。依頼を受けたカーナッキは、この案件をどう解決するのか――。
(カーナッキの技術が効かない案件は、敵が彼の想像を超える相手か、こういうパターンである。)
『口笛の部屋』
二ヶ月後に結婚をする予定の男女。男は近場にある小屋を購入したが、その部屋の一つが曰く付きで、毎夜、不気味な旋律の口笛の音が聞こえるのだ。依頼を受けたカーナッキが依頼者らとともに問題の部屋に入ると――。
(シリーズ中屈指のおぞましさ漂う一作。)
『角屋敷の謎』
彼がまだ年若い頃、カーナッキは母親と小さな借家で暮らしていた。住み始めて二年後、ドアを開く音や物を叩く音、異臭など様々な怪異が発生する。家主に頼み込み、彼とともに夜間家内を探索すると、二人は幽霊を目撃する。しかし、お互いに見た者の姿は異なっていて――。
(明言はないがカーナッキ第一の事件か。異臭とともにジュブナイルな香りが漂う一作。)
『霊馬の呪い』
その一族には、夫婦の長子が女子だった場合、彼女が長じて婚姻の時期を迎えた時、霊馬の呪いを受けるという伝説が伝えられていた。長年迷信とされて埃を被っていたが、七代ぶりに誕生した長女が男と結婚の約束を交わしたその日から、馬を思わせる怪異が続発するのだった――。
(どこまでが魔の仕業で、どこま���が人の仕業だったのか。全てすっきりと解決とはいかない点も本シリーズの特徴である。霊馬は後に"見えざる馬"と名付けられ、クトゥルフ神話に取り込まれることになる。)
『魔海の恐怖』
乗組員が発狂する船。知己である船長から依頼を受け、その船に同乗することとなったカーナッキ。出港してから数日後、船長に促されて海上を見ると、遥か遠くからこちらに迫ってくる影が見て取れた。しかも東西南北の四方から。しかし、これはまだ始まりに過ぎなかった――。
(船乗りだった著者の経験を活かした海洋ホラーの一作。)
『稀書の真贋』
クラブで、知人から稀書を購入する予定を聞いたカーナッキ。それはこの世で一冊しかない唯一無二のはずの詩集で、それは図書館に収蔵されているという代物だった。専門家はこれを真作と結論するが、引っ掛かりを覚えたカーナッキは独自に調査をすることに――。
(珍しく依頼がないのに調査をするカーナッキ。こういう作品があるのも、本シリーズが探偵ものに属すると言える本拠の一つだろう。)
『異次元の豚』
カーナッキのもとを訪れた依頼者は、妖しい豚の群と戦い逃げる悪夢に悩まされていた。自作の装置で依頼者を救い案件解決を試みようとしたカーナッキを襲う、最大の危機とは――。
(シリーズ中一番の傑作。危機を回避するたびに新たな危機が訪れる展開は、王道ながらも読者をハラハラさせてくれる。本作の魔豚は後に"サーイティ"と名付けられ、クトゥルフ神話に取り込まれることになる。)
『探偵の回想』
過去の作品の要約をカーナッキに語らせるという、自著の宣伝を思わせるような掌編。読み物より資料的側面の方が強い。