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父が殺人を犯し、一夜にして加害者家族になってしまった一家の物語です。
毎日のようにどこかで殺人事件が起こっていますが、その倍する人数が加害者家族となっているのですね。自分は何も変わっていないのに、世間からの目が一気に変わってしまう。本当に悲しい事だし、どうしようも無い事でもあります。
特に親が犯した罪を子供が償う必要がどこに有るのやらと思いますが、世の中にはそう思わない人が沢山居るんですね。「犯罪者の子供」という冷静に考えれば異常なこの言葉が
、正義として扱われる頭の中というのは非常に恐ろしいものがありますが、そうでなくともはれ物に触るような態度になってしまう事は否めません。
本書は他のこの手の本としては青少年向けという事で柔らかくなっていますが、実際のドキュメンタリーを見てもこんなものではないと思います。
進学、就職、結婚に暗い影を落とすことになる事は明白です。個人ではなくチームで罪を被る辺りが本当に日本的だなあとしみじみ思います。生まれてしまえば違う人間なのに変な感じです。
とは言え、少年が殺人を犯せば、親としての責任を追及してしまうであろう自分もいるんだよなあ・・・。でも世の中から蛇蝎のごとく扱われる必要だけは絶対ないと断固として言えます。
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毎日報道されている事件、事故。どこかに、そしてどこにでも加害者がいて、被害者がいる。程度の差はあれ、いつ加害者家族となるかもしれない現実がそこにある。誰もその現実に気づいていない。その怖さとそうなった時の気持ちを考えさせられた作品だった。
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この本は四人家族の長男視点であるが、もし幼い次男視点だったら、もし母だったら、もし人を殺めてしまった父だったら、また別の描写があった。
読み手の家族が円満であればある程、この本は危機感を与えてくれるかもしれない。
一番身近にいて一番信頼できるはずの家族の誰かが犯罪を犯してしまう。しかもそれは突然起こる。
さっきまで平凡な日常を送っていたとしても、これから明るい未来が待っていたとしても、突然に起こる。
家族、友人が苦境に立たされた時、排除せず手を差しのべる事ができるだろうか。
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本作は父親が人殺しとなった子供の物語でした。主人公の涼平くんが、立ち直っていくのはかっこよかったです。戸高さんとの一件は驚きました。でも、実際私も読んでいて久瀬くん達にイライラしていましたし、涼平くんが殴るのも分からなくはないかな、と。この後、お父さんが戻ってきたときは、どうなるんでしょう…。勝手ながら、すごく気になります。
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加害者家族の物語。
あまりフォーカスされる人ではないので、面白かった。
父さんが人を殺した-...。
その日から変わっていく家族。
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お父さんが殺人をし、犯罪加害者家族になってしまった。15才の涼平の立場で書かれています。
父に対する愛情や悲しみや怒り。
自分ではどうすることもできない犯罪加害者家族という立場。そこから逃げたい気持ちと、向き合わなければならないという気持ち。
それまでは、なんの屈託もない15才の中学生だったのに、その日からガラッと変わってしまう。
周囲の心ない言葉や他人事のような慰め、腫れ物にさわる態度。そういうものに傷つけられていく。
小学校低学年の弟、周平も彼なりに受け止め乗り越えようとする姿が心を揺さぶる。また、涼平は、周平や母の辛さを助けたいと思う気持ちもある。
息もつまるような苦しい気持ちをよく書いてくれたと思います。
そのなかでも、希望の見える終わりかた。
人を傷つけ不幸にするのも人だけれど、人を助け温めてくれるのも人なのですね。
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いとう みくさん、初読み。
資料種別はティーンズだったが大人が読んでも考えさせられる。
いつもと変わらない朝の風景、突然訪問して来た警察官に父は連行されて行く。
どこにでもいそうな一家族が父の逮捕によって今までの生活が一変し「加害者家族」となってしまう。
中学3年生の涼平の目線で物語が展開して行くが、殺人を犯してしまった父親に対する思い、母親や弟、そしてクラスメイトへの思い、それらが丁寧にリアルな心理描写で描かれている。
本当の被害者は当然殺された者だが加害者の家族もある意味では被害者だ。
誰もが陥る可能性のある物語。
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大人向けとしたら物足りないけれど、YAと思えばとても良かった!
父親が殺人犯になったとしたら…
現実はもっともっと辛い思いをするだろうし、人間不信になってもおかしくないだろうけれど、そういうドロドロは大人向けにお任せしましょう。
明るい希望を与えてくれる結末は、未来ある子供たちには絶対的に必要なものだと思うのでこの終わり方はとても良かったと思います。
それにしても、いとうみくさんの書く物語の中の親はどうしてもどこか不甲斐なかったり、こうはなりたくないと思わせられるんだけど…
これはあえてなんだろうなぁ、と今さらながらに気づいた。
親のいないところで子供は格段に成長するのだろうし、また私みたいに親目線で読んだ時に、あるべき親の姿を考えさせるという狙いなんじゃないかなぁ。
たとえ現実がどうあろうとも、やはり子供たちには、未来は明るいんだって思ってもらいたい。そういう世の中にしていかなければならない。そのことは、忘れないでいたいな…
↑こういうのを、子供たちは敏感に感じでしらけちゃうのかもしれませんが…
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主人公は中学3年の男の子。ある朝、父親が人を殺した罪で逮捕される。加害者家族の再生を描いています。重いテーマの割にざっくりとしていて、これからもっと厳しい現実があるのではないのか?と思わされました。ただ、主人公や7歳下の弟の事を思うとやはり可哀相になります。被害者家族については触れていないので、家族同士の対比もないので淡白だったかな。
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児童文学とは思えないほど重いテーマ。
自分が加害側の家族になってしまったら、きっと涼平と同じ気持ちになるだろうと思った。逆に被害者側の家族になってしまったら…一生加害者のことは許せないし、その家族も同じ目にあわせたくなるだろうな。
「罪を犯した人間が罰せられるのは当然」
うん。正論。
だけど加害者にも大切な家族がいるかもしれない、守りたいものがあったのかもしれない。
善と悪で片づけられるほど、世の中単純じゃないなと思った。
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よかった。人物の心の動きも細かく伝わってきたし、まわりの人たちとの関係性も繊細に描かれていた。
父の行動に対して疑問に思っていたことも、最後のほう、長男の気持ちの吐露で、なんとなく理解できた気がする。
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「オレの父さんは人を殺した」から始まるのだ。もう悲しい予感しかしない。加害者家族の苦悩。自分は何もしてないのに大きく人生を変えることになってしまった理不尽さ。そこには切々と訴えかけるものがあり共感した。しかし物語の主旨には賛否両論あるのではないだろうか。過ちを犯さない人なんていない、許す事で救われる。勿論一理ある。だが私が息子なら一生許さないだろう。そして私が父親なら息子と会うだろう。どんなに罵倒されても会うだろう。そして根本的に違うのは、まず自首するだろう。何が正しくて何が間違ってるのか、難しい問題だ。
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ある朝突然父さんが逮捕された。殺人を犯したという。中学三年の涼平はその現実に戸惑い、どうしていいか分からずにいた。引越し、転校、離婚…。環境は変わっていくが涼平の心の中は父さんへの思いと友達への思いがあった。
「加害者家族」でありながら父親の行為による「被害者」でもある子供であるというジレンマ。
涼平の心の動きが切なく苦しい。児童書だけど大人にも十分読み応えのある作品。考えさせられたな。