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出世コースから外れた検事・久我修平、その部下のはねっ返りの倉沢ひとみ、真面目だがついていない交番巡査・有村誠司の3人が、自動車ディーラー営業職の男の転落死の真相に取り組む。転落死の裏には驚くべきことが隠されていた。一見冴えない久我だが、検事として確実な力量を持つがゆえに出世できないという矛盾。小橋という検事に徹底して妨害され馬鹿にされるのが、なかなかのストレスなのだが、物語が終わってみると、却って、久我の誠実さ、正義感が際立って来る。女検事の倉沢もそのはねっ返りぶりと短気さが最初鼻につくが、だんだんと許せてしまうのが不思議。巡査の有村君には好感が持てる。作者は元新聞記者で、検察庁に出入りしていたというだけあってリアル感があり、結構読ませる。
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区検検事久我周平がどう活躍するか楽しみに読んだ。しかし、酔っ払ったり、一歩引いたり、家族に軽くあしらわれたりと期待した活躍が今一つ。最後はと期待したが、盛り上がりがなく結末を迎えた。その意味でスッキリしない部分が残る一冊。直島翔。1964年生まれ。
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あらすじ
東京浅草。東京区検察庁浅草分室に勤務する検事、久我周平。部下の倉沢研修期間?で若く、気が強い。高架下で男性の遺体が発見される。河村友之、中古車販売店の社員。家族は兄がいるだけだ。幼い頃に両親を亡くし、兄が高校を中退して理容室で働きながら育ててくれたらしい。友之には武藤結花という恋人がいる。ボクシングジムで知り合った。
捜査に駆り出されたのは地域巡査の有村。.調べていくと、友之は法人の代表取締役になっていた。中古車販売と見せかけて麻薬を輸入していたのではないかという疑惑も出る。
久我たちが働く検察は小さめの部署。そのため、特捜部などの大きな組織からは下に見られることが多い。今芸能プロダクションの大きな事件を捜査するため、久我の事務所が使われることになった。
巡査の有村は、元プロボクサーの松井を尾行していたが、気付かれ重傷を負わされる。しかしそのおかげでわかったことがあった。松井は宝石店強盗の一人だった。5億円もの大金を奪った。さらに、松井の共犯者は武藤由花。強盗だけではなく脱税も目論んでいたのだった。武藤はドラックも使っていたが、怪しんだ友之を説得するためにドラッグを飲ませたのだった。
武藤松井を逮捕し、一件落着。しかし、久我たちは解決する直前、久我のライバル小橋から事件を取り上げられていた。ところがその後、二人は気づく。亡くなった友之の髭が綺麗に剃られていたことを。つまり亡くなる直前に会ったのは理容師の兄だったのだ。時すでに遅しで、兄は自殺していた。遺書を残して。ドラッグでハイになった弟にショックを受け、誤って死なせてしまったのだった。こうして事件は本当に決着がついた。久我は、先輩の元ヤメ検弁護士から誘いを受けていたが、断る。倉沢は研修期間を終え鹿児島へと赴任した。
手堅い作品だなー。これが作者のデビュー作らしい。ミステリーだけじゃなくて、お仕事小説でも読める。一番の感想は、検事の仕事って地味だなぁということ。小さな部署だからかな?でも日本全国の検事さんの大半は、こういう仕事をしているんじゃないだろうか。無銭飲食とかの。ドラマで見るように、裁判でバサバサ事件を解決するんじゃないんだろう。役所のように、手続きを踏んで、関係者から聞き取りして、書類を書いて、提出して・・・の繰り返しなんだろう。後輩倉沢のように、無茶捜査するなんていうのはフィクションだと思う。検事も組織の一部の人間としてコツコツ働いていくということがよく分かった。
あと、主人公の久我が面白い。人情味があって、曲がったことが嫌いで、容疑者を落とすことが上手い、世渡りは下手だけど、安心できる検事。しかし、大事な用事、なにか事件が起こる直前に必ず酔っ払ってる。組織内ライバル側の田中博宏という公認会計士を持つ検事と意気投合して、ベロベロに酔っ払うシーンが好きだ。次の作品にも是非登場してほしい。
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130まほろ氏の作風にちょっと似てるところがあるね。少し文章が甘いけど展開はスッキリしててスピード感がある。もう一冊続きを読みたい感じですね。
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本格検察ミステリー。
事件の真相は面白かったけれど、検察内部のゴタゴタ話は私にはちょっと難しく想像しにくかった。こういう世界の中の人達はきっと楽しめる作品。
ドラマ化したら面白いかも。
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極めて愚直ながら、これで良し。まだまだ流れにも文体にも、こなれてなさは感じるけれども。
初期の池井戸さんのような。
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ミステリ小説として、目を見張るような出来栄えか、と言われるとそこまで全身全霊で推す本ではないかもしれませんが、「検察官」という立場から語られる物語は新鮮でした。
一つひとつの細かな場面では「あれ、うまくいきすぎでは?」と思うところもありましたが、全体を通して、組織の出世の論理からはじかれた主人公が、英雄的な活躍をするわけではなくとも、少しずつ事件の真相に向けて進んでいく姿に、どんどん引き込まれて読み進めてしまいました。
警察官同士(所轄と本庁)の関係も、よくドラマで描かれているように憎み合っているわけではないし、検察官と警察官も、互いに理解し合っている者がいる、ということも、検察の一つひとつの仕事を丁寧に描写していることと相まって、物語にリアリティを与えていると思います。証拠を自ら探して回る警察官(捜査官)とは異なり、目の前にそろっている証拠から事件を推理することが中心の検察官の視点から見ると、事件がより客観的に見えるのだ、ということを実感できたのも、収穫でした。
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警察小説大賞受賞作とあったので、期待して読んだが、話に入っていけず、途中で断念。どこの世界も派閥争い、昇進争いなのかとがっかりしたが、主人公はそうではないのが、少しホッとした。
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久々の警察小説(検察物だけど)
毎日の通勤の行きと帰りで一週間、楽しく読めました。最初の主人公が検死まがいの事をするらへんは違和感があったけど、そもそも検察って、どんな所から仕事がスタートするか知らないから、そんな事もあるのかな?と思って読みました。
前作があるのかな?と思う様な描き回しがあるけど、これが一作目ですよね?どうも二作目が出てるみたいなので、そちらを次に読んでみます。
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検事のお仕事系ストーリー
ぬぼーっとした頼りなさそうな(しめる時はしめる)中年検事が主役
気の強い女性後輩と
ツキのない交番勤務のおまわりさん
男性の謎の転落死をきっかけに徐々に真相を明らかにしていく
うーん、おもしろいんだけどなにか物足りなさを感じたまま読み終わった
主人公のキャラクターか?
ダメおじさんが頑張る系は好きなんだけど
なんか愛着の持てないかんじでした
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Audible読了
捜査モノのミステリーとして、丁寧に基本を押さえられていると思った。ようやく目が肥えてきた(ほんとか)私には、それが少し物足りなくも感じた。
検事、という視点が変化球なのだと思うが、もう少しリアルな職務も綴られていたら、きっともっと楽しめたなー。
警察は犯人をおとす。
検察は犯人をわる。
読んだ時はほぇー、と思ったはずなのに、今振り返るとしっくりきてないぞ。2つの違いが分からなくなっている自分に軽く衝撃。
やだわ、もやもや。
しばらく違いを考えて楽しもう!
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窓際検事と新人女性検事、所轄の交番巡査がともに事件を追う。検事と警察官の泥臭い矜持が人間味に溢れていた。文章も読みやすかった。キャラに魅力のある登場人物も多くて続編が楽しみ。
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ちょっと池井戸潤さんの作品的な、地味だけど真面目な正義が最後には勝つ、検察もの。丁寧にそれぞれのキャラクターが描かれておりドラマにもできそうな、よくできたミステリー。
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題名を見て ゆる~い検事ものなんだろうなぁっと思って読み始めたのですが
しっかり検事・警察ものでした。面白かったです。登場人物たちもいろいろ悩みや問題を抱えていたりして、最後まで楽しめました。
次作も期待ですね~。
有村君頑張れ!