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今韓国のフェミニスト系の本がキテいる中、この本はぜひ読んで欲しいと思った小説。
実際にあった「ソラネット」という韓国のアダルトサイトに対して女性蔑視にうんざりしている女性集団の戦い。
ジスという広告代理店でインターンをしている女性とその同期、ジスの親友のそれぞれの視点からこの物語が展開していく。
ジスは最初周りへ意見をあまり言わず、周りのインターンとも仲良くやりながら過ごしていたが、男性からの差別的な発言や身の周りに起きていることに対して不快に感じ始める。そしてどんどん自分の意見を言うようになり、インターンの仲間とも喧嘩する事態が起きるくらい目覚める。
ごく一般的な韓国人女性3人が様々な男性からの嫌がらせや性暴力に対して恐怖や苛立ちを感じながらそれぞれ戦っていく、強い女性になっていく。
一見さわやかな見た目の上司がソラネット上では集団レイプをしている可能性が発覚されたり、バイト先の塾長がお酒に睡眠薬を盛ってモーテルで意識朦朧としているのにも関わらず性行為をして動画としてソラネットにアップしたり、同じマンションの高校生が盗撮などなど…どんな見た目をしていても本性が分からないので、男性不審になりながらも、いかに身近な人からの被害がとても多いというメッセージとして受け取れた。
話の中で集団レイプの勧誘する投稿に対して警察へ電話して連絡するが、警察が動いてくれないし、動こうとしなかったが、そもそも日本でそのようなことが起きた場合にみんな警察へ連絡するのか?と言う疑問と動いてくれない警察はとても日本と似ている部分だろうなと思った。
そしてソラネットに上がっている投稿や言動がとてもショッキングで信じられない物ばかりだった。すぐに雑巾女やキムチ女、女性をモノとしか見ていない発言が多くて、潜在的に思っていることや社会的に表でそのような発言ができないが、そのサイトでは何でも書き込んでOKという風潮が日々の鬱憤を晴らしているようにしか思えない。
浮気した彼女を酔わせて復讐のためにソラネットの知らない男たちに声かけたり、隠し撮り、などなどの投稿があることにショックを受けた。
韓国では雑巾女、キムチ女などネガティブなレッテルを貼られることがあり、『82年生まれ、キム・ジヨン』でも話されていたが、女性に対する肩書きがつけられることが多いのかな、という印象がある。
韓国ドラマでは気が強い女性像が多いイメージですが、それだけ女性への目線が厳しいように思える。
日本と似たように周りの目線を気にする文化はそうなってしまうのかなとも思う。
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泣きながら読んでしまった。私たちは一体いつまでこんな恐怖に怯えながら生きていかなくてはならないんだろう。
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性犯罪をおかした人が絶対的に悪い。
それ以上でもそれ以下でもない。
これがしっかり浸透してない気がする。
例えば、そもそも痴漢がいなければ女性専用車両は存在しなかったかもしれないし冤罪も生まれなかった。だとしたら元々の原因は痴漢がいるからでは?
いや、肌の露出が多かったから。
だって酔っぱらって寝ていたから。
なんて戯言を言い訳にする人が存在してきたと思うが
それが性犯罪をおかしても良い理由になると本気で思ってるの?ちゃんと本人に確認した?OKもらった?
なんて偉そうなことを書いているが、読んでる最中は
登場人物のこれからもまだ続く人生を想像して絶望し落ち込んだ。同時に抑えきれない程の強烈なムカつきを覚えた。ただ、じゃあ自分がAVを1度も見たことがないのか?と問われればそうではないので、しょせんあなたもそっち側じゃない!と言われているようで
苦しいし申し訳ない感覚がピッタリ貼り付いたままで読み進めるのはなんとも言えない気分だった。
もちろん犯罪者の中には個人個人のバックボーンをしっかり把握する事で見えてくるそうせざるを得なかった原因がある場合があるのは理解している。
今更ながら本書の感想としては色々あったファヨンのプレゼンでオレンジチーズタルトを半分こさせる相手を知った時は、あまりに強い感動に隣に人がいるのにあやうく落涙&声をもらしかけた。
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フィクションだと思っていたらドキュメンタリー小説だったんだ。デジタル性暴力の温床「ソラネット」を撲滅した韓国女性たちの戦いを描いたものだった。解説で初めて知ってショックを受けたのは、韓国にAV産業はないということだった。だから韓国で通報したらそれは日本のAVだったりするらしい。とても複雑な気分だ。日本軍のアジアでの性暴力を減らすために慰安婦を設けたことと通じるものを感じる。官製でないだけ救われるのだけれど。
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ドキュメンタリー小説。
アダルトサイトを閉鎖に追い込み
女たちのための解放区を誕生させる。
それは小説として書かれている以上に大変なことだったと思う。
大島史子さん翻訳のお陰で読みやすく
チョンさんの思いがストレートに伝わってきた。
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売春女のドキュメンタリーだと勘違いして手にした本だった。あまりの衝撃的な内容でしかも実話をもとにして書いた本と知り二度衝撃を受けた。
韓国人の癇癪持ちは有名な話で、登場する人物の感情の激しさや言葉遣いにやきもきしていたが、内容がそれを凌駕しているので途中で気にならなくなる。
内容にも驚くが、それ以上に韓国人の進学、就職に対する向上心には感心する。日本人見てるとほんと平和ボケ過ぎて呆れるくらいだ。サッカーW杯見るために退職するやつとか舐めてんの?って言いたくなる。
男尊女卑の傾向は韓国だけでなく、いまだ日本でも根強く残っているし、アダルトサイトへのリベンジポルノも日常だ。読んでいると男であっても男死ねよって思いたくなる。まぁAVのタイトル見てるといかに男性がそっち方面好きかも露呈しているわけで、まさに獣としか言いようがない。日本でも大学生が後輩に酒を飲ませて集団レイプとかも明るみになっていないだけでいくらでもあると思うし、性犯罪者は年々増えている。デジタルカメラ=スマホが性犯罪を助長しているといっていいくらいで誰か起訴すりゃいいのにとさえ思ってる。女性に明るい社会をと願わずにいられない。
実在するメガリアの有志に喝采を!
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韓国で起こった性犯罪にを題材にした小説。実際に起きた事件をそのまま小説にしたらしい。女性たちがみんなで力を合わせて男たちに立ち向かい、犯罪的なポルノサイトを閉鎖に追い詰めるという物語だが、男性と女性で受け取り方がだいぶ違いそうな小説にも見えた。
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韓国で起こった実際の事件が題材で犯罪は本当に許し難く、悪質で恐ろしくなりました。しかしそれにネット上でも果敢に立ち向かって行く様子がスリリングに描かれていました。ネット上の犯罪がエスカレートしてゆくのに警察が対応が出来ず徐々に女性達が連対し自警団的に動き出さなければならない程被害が深刻だったのでしょう、そして後に法整備まで至るけれどそれでも未だネット上に拡がる誹謗中傷や差別、ヘイトが後を立たない。加害者を擁護する気は毛頭ないが、それもこれも抑圧され社会が押し付ける役割から弾かれまいとそういう気持ちが結局弱い立場のものに向かってしまう構図なのだろうか...