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江戸時代の百姓というと、武士に決して逆らわない存在というイメージがある。
しかし、百姓はそんなひ弱な存在ではなかった。
武士たちは、百姓たちに気を使っていた。
武士よりも百姓のほうが圧倒的に多いので、百姓一揆を起こされると大変だからなあ。
百姓が武士の罷免を求めて「物言う」とは思っても見なかった。
百姓が領主の人事を左右するなんて意外とたくましく生きていたのだな。
「くまのプーさん」と「ロケットマン」のいる国では、この本は出版できないだろうなあ。
支配者に物申す百姓の存在は迷惑にしかならないからなあ。
そして意外だと思ったのは、百姓たちがよく裁判を起こしていたことだ。
とは言ってもけんか腰ではなく、「恐れながら・・・願い上げたてまつり候」(恐れ入りますが、・・・(訴訟の審理を)お願い申し上げます)と、へりくだった言い方でお願いしていた。
その上、徹底抗戦ではなく、示談・和解で解決ことが多かった。
ハッキリ白黒つけると狭い地域での人間関係がまずくなるからだ。
教科書では習わない百姓の違う一面を知ることができて興味深いなあ。