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小鳥と事件が上手く重なりすぎててまだ観てもいないのに映像が浮かんだ。切なくて苦しくて、信じて救われるのかもしれないけれどどうしようもないほどに虚しくなった
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この作品は通り魔事件によって、小学生の息子奏汰を突然亡くした母の響子、父の三知男、義理の姉の花音がカルト教団「永遠(とわ)の声」に入信する話です。
宗教って何なのかなあと思いました。
響子にとっては信仰は息子の奏汰に再会する場だと信じ込んだので、花音や三知男を誘った訳ですが。
三知男は妻の為に入信。
花音も義理の母の愛情を得るために入信。
最後に事件が起こって一家の再生となるようです。
永遠の声は明らかにカルトみたいだけれど、カルトには入らない方がいいという認識が一般常識としてありますよね。
響子は全く信仰に疑いがなく弱みに付け込まれて入信しています。
カルトと普通の仏教やキリスト教などの宗教って規模や歴史以外にやっぱり全く違うんでしょうね。
カルトは何か怖いところというイメージです。
でもカルトに入っているから人間的に劣っていて、仏教やキリスト教だから上ということは全くないような気がします。ただ騙されているということは大いにあると思いますが。
私は、高校がカトリックだったので、朝夕、お祈りは3年間強制的にやっていましたがその時も今も何も信仰は持ったことがありません。
私の友人に敬虔なカトリックの方がいますが、友人の御主人はなんと仏教の僧侶のお仕事をしています。
友人は結婚後にあえて仏教ではなくカトリックに入信しました。
友人曰く「信仰とは生きることが楽になること」だそうです。
友人はご主人に色々と哲学的な話を訊くのがとても面白いと言ってもいます。
二人は私の目からみても(Facebookでやりとりをしています)とても仲がよくてラブラブです。
人間にとって信仰というのはない人には何もないし、又ある人にはいくら話しても果てがないもののような気がします。
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神はいるのか、いないのか。
いるとしたら何なのか。
答えの出ない問いに挑む主人公達。
読み進めながら、自分にも問いかけてみたけど、答えは出ないまま。
永遠の難しいテーマだなと、つくづく感じた。
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「神とは何か?」という万人に共通の答えが出るはずもないことをテーマにしているので、ある程度は仕方がないのかなとは思うが、何かがありそうな雰囲気だけで、特に何もなかったように思う。
全てが綺麗めに格好つけて表現されていて、時々白けてしまった。この作家さんは初だったのでわからないけれど、いつもこうナルシスティックなのだろうか?
答えのないことでも、何かしらのその人なりの答えを探し求め熟考すること自体には惹かれる。作家さんが本を出してまでその考察を表現するのだから、そこはその作家さんの肝を見せることになるのだろう。その、挑む姿勢はすごいと思った。
この作家さんの初めての1冊がこの本でなかった方が良かったかもしれないと少し後悔した。
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小学校の校門の前で次々と小学生達を襲った事件。死者四人、重傷者八人という凄惨な事件で、犯人はすぐにトラックに轢かれて死亡した。犠牲者の一人・檀野奏汰の家族は、息子を失った悲しみから途方に暮れていた。父親は平穏を保とうと、店を開けたり、犯罪被害者の会に参加したりしていた。母親は引きこもりになったものの、謎の合唱隊に魅了され、今はその団体の慈善活動をしている。妹は戸惑いを隠せず、人生に迷っている。三人それぞれの視点から、今の現状をどう打破していけばいいのか。家族の「再生」の物語。
川村さんの作品というと、しっとりと時間が流れ、段々と感動が伝わってくる作品が印象的でしたが、序盤からかなりエッジの効いた展開でした。
次々と小学生達を襲った凄惨な事件。遺されたある家族の物語です。全3章からなる構成で、それぞれ父親・母親・妹の視点から、物語は進行します。周りから見た自分の印象、自分自身の印象、章によってそれぞれ違った思考が生まれてくるので、色々な味わい方がありました。
悲しみのどん底の状態にいると、誰しも何かに縋りつきたくなります。この作品では謎の合唱隊「永遠の声」に依存する姿が描かれています。それによる救いや恐怖が描かれていて、心が揺らぎました。
冷静になって考えると、怪しげな団体なのですが、当事者でしかわからない精神状態では、何でも信じてしまうのでは?と思うとどうにも複雑な気持ちになってしまいます。
何が「善」で、何が「悪」なのか。家族それぞれの心の崩壊や再生が丁寧に描かれています。善悪どちらも偏ることよく、宗教というものを常に中立の立場で表現している印象でした。
ただ、「永遠の声」内での登場人物たちに歪みが生じます。今まで「善」と思っていたものが「悪」、「悪」と思っていたものが「善」になるなど、あらゆるものが反転していきます。
「ラスト20ページの戦慄」と紹介されていますが、背筋が凍りました。それは序章で展開する凄惨な事件の模様と似ているものがあり、精神を崩壊する人間の描写が恐怖をそそりました。
こう書くと、よほど凄いと期待されるかもしれませんが、思ったよりは・・・と思った方が良いかもしれません。
それによって、また家族に大きな変化が生じます。どうそれぞれが再生していくのか。震えるほどの感動というわけではないですが、ぜひ頑張っていただきたいなと思いました。
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『神の正体を、知っていますか。
天国も地獄も、すべてここにある。
次々と明かされる家族の秘密。
ラスト二十ページの戦慄。
そして驚くべき終曲(フィナーレ)。』
この帯の言葉に惹かれて、手に取りました。
小学生の息子・奏太が通り魔に殺される凄惨な事件から物語は始まります。
第一篇・檀野三知男(小鳥屋を営む檀野家の父親)
妻にも娘にも寄り添うことができない不甲斐ない男性。あくまでも、わたしの感想ですが。
第二篇・檀野響子(奏太の母親)
苦しい本音に向き合えず、家族もと共有できず・・思わぬ方向へ。恐ろしくて哀しい。
第三篇・檀野花音(娘・奏太の姉)
思春期の女の子の揺れ動く心、葛藤、成長。物語も大きく展開します。一番読み応えのある第三篇です。
帯の通り、『ラスト二十ページの戦慄』は、納得です。が、反対に、このラストがなければ読んだことを後悔しそうなほど、この物語はラストに全てが集約されている。
それは、花音と青年・入江隼太郎の心の触れ合う会話です。深くて素晴らしい。
花音と父親、花音と母親との、今までとは違う会話にも心打たれます。
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宗教をテーマにした物語。
宗教も道具も使い方次第?
信じる事の大切さと危うさ。
宗教の2面性をわかりやすい物語で語る。
ストーリー的には普通であったが、宗教について考えさせられたし、読みやすい1冊。
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*
神曲/川村元気
父 檀野三知男
母 檀野響子
娘 檀野花音
三遍
弟の奏汰の死をきっかけに崩れていく家族。
何が神なのか、それぞれの心を覗き
家族の姿を問うた話。
響いた言葉
・好きなものより、
苦手なものが一緒って方が信用できる
・苦手なものはなかなか変わらない、
でも、好きなものはすぐ変わってしまうから
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何かを信じる事の大切さと難しさ。自分と愛する人を信じる事から始めたい。信じる事で救われる事もあるが、信じると縋るは大きく違う。
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期待しすぎたかもしれない。。
喪失というキーワードについては、
村上春樹氏に似ていた。
でも、ノルウェイの森のように引きずり込まれる怖さはなかった。
途中で飽きてしまった。
最後の展開も、衝撃はなかったかな。
イスラームを出してきたのはいいなと思った。
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おもしろくないわけでもなく
おもしろいわけでもなく…
個人的にはどこを書きたいのか
よくわからなかった
おそらく、こちらの読解力の問題
印象的なシーンはあちこちにあるんだけど
印象的なお話ではなく…
誰かにオススメする本ではないけど
いつか読み返したら
心震えるかも
というなんとなくな予感はある
読み返すのを忘れなければたが
まぁそんなお話
星はギリギリ三個
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川村元気さん、ということで手にとった本。
息子が殺され、そこから宗教へとのめり込んでいく家族の話。
なんとなく最近この手のストーリーの本が多い気がする…。
ストーリーとしては単調で特に驚くべきフィナーレはなかった。
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久しぶりの長編が出た直後、ということで、メディアで激しく番宣(本宣か)してるけど、期待が膨らんでしまう分、評価が難しいところかも。
コロナ禍のような人の生死にかかわる歴史的局面を迎えて、改めて宗教(的なもの)とどう向き合うか、みたいなテーマだと思うのだけど、どうしても、昭和、平成に起きた新興宗教関係の事件やゴタゴタを連想してしまいます。
元気さんはエルサレムに取材にいったのかなあ~。中東って、一度行ってみたいけどいつになるやら。。。
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川村元気の新刊だとゆうだけで
即購入してしまった。
信じる者は救われる?のか
信じるから騙される?のか
信じると騙されるはセットなのか?
神は漠然と どのようにも形と存在を変え
救ったり試練を与えたりするのだろうか?
その辺のラジオで流れる
音楽の方がよっぽど沢山の人を救ってる
かもしれないw
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被害者家族の悲しみが深い。
息子を亡くした母の落ち込みが深い。
ポッカリと穴のあいた心を埋めるためなのか?
何かにすがりたくなるのはわかる。
悲しさに支配されてばかりではいけない。
しかし、宗教はよくない。
300百万円も持っていかれるのは、怪しまないと。
神様→ただの壁
どうして生きることがこんなに苦しいのか、なぜこんな辛い目に遭うのか。
人は理不尽を壁に向かって嘆きながら、そこに神を感じるしかない。
と、隼太郎くんは言う。
「神」ごめんなさい。私はまゆつばって思ってる。
ラストの最上さんの狂気は怖くてドキドキした。
この家族は大丈夫。きっと。