紙の本
親子で読んで欲しい一冊
2005/03/04 23:36
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ミケ子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
作者は『鬼の橋』『えんの松原』などを書いた伊藤遊さんです。
『鬼の橋』が中学生以上を対象とした時代ファンタジーとしたら、
この『つくも神』は小学中学年以上を対象とするファンタジー。
時代ファンタジーほど時代がかっていないけれど、やっぱり日本の八百万の
神に通ずる不思議と古いものに対する畏敬をこめたファンタジーです。
幼い頃の幸せな記憶が、主人公たち思春期の揺れる心に優しく
沁みこんでいきます。
人生の中で、どうすればいいのか自分で自分をもてあます時、
どちらの方向へ進んでいいのか分からなくなってしまった時、
幼い頃の幸せな記憶がその波立つ心を鎮め、自ずと進むべき方向が
定まってくるのかもしれません。
我が家の息子達も人生に迷った時、一緒に楽しんだ本棚の絵本たちを、
木の上の隠れ家を、基地ごっこをした時に皆の宝物にしたビー玉を、
足の皮が剥けるまで練習した竹馬を、そんな幸せな時間を思い出すでしょうか。
紙の本
長い時を経て魂を宿した道具たち「つくも神」とは、どんな存在でしょうか。〜あなたもつくも神たちのなせるおそろしく、滑稽な業を楽しんでみませんか。そして、あなたにとってのつくも神を見つけてみませんか。
2004/12/20 19:11
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まざあぐうす - この投稿者のレビュー一覧を見る
ほのかの住むマンションで不審火が出た翌日、ほのかは、エレベーターの中にこわい顔をした奇妙な置物を見つけました。それが、つくも神のひとつ、物語の始まりです。
思春期を迎えたほのかの兄雄一は連日帰りが遅く、家族に心配ばかりかけています。奇妙な置物が、兄妹の心のコミュニケーションの始まりとなり、マンションの住人、雄一の幼な友達龍平を巻き込んで、つくも神にまつわる物語が進んでゆきます。
マンションの建て替え問題と隣の古い家に住むおばあさん、思春期の雄一と龍平とほのかとおばあさんの土蔵の中の道具たち、雄一や龍平やほのかの幼児期と現在が交錯するなかに、長い時を経て魂を宿した道具たち「つくも神」が現れます。
思春期を迎えて心揺れる雄一やすっかり変り果てた龍平の元に現れた道具たち、つくも神たちは、思春期の危うい二人に幼い頃の楽しい思い出をよみがえらせてくれます。二歳だったほのかの記憶に残っていない思い出も…。 つくも神に物語の中で出会うたびに、どこからかなつかしい香りが漂ってきます。幼い日々の思い出の大切さをつくも神たちから教えられます。
つくも神たちは、おそろしく、また、かわいく、滑稽に描かれています。つくも神とは、どんな存在でしょうか。あなたも、つくも神たちのなせるおそろしく、滑稽な業を楽しんでみませんか。そして、あなたにとってのつくも神を見つけてみませんか。
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つくも神って、どんな神様なの?古道具に魂が宿っていて、そういうお化けのことを昔の人はつくも神と呼んだそうな〜へ〜。土蔵の中にしまわれている、しょうき様、根付、煙管、臼、風呂敷達が、つくも神になって、現代の子供達と交流する場面が、ワクワクする。
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高校の図書室で見つけて、鬼の橋の人だ!とすぐに手に取りました。モノを大切にする心は、今の人間には必要な心ですね。
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可もなく不可もなく。つくも神が自然に出て来ていました。でもファンタジーではないかな。いくつかの筋があって、その一つ一つがきちんと終わっています。なので消化不良にらはならないかな。
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古くから大事にされているモノには、神さまになれるものがある。主人公の住むマンションの隣のおばあちゃん家には土蔵があり、そんな不思議な神さまたちがたくさん住んでいます。
人を昔からみまもり続けた道具たちは、自分がこわれようが、それによって姿を変化できなくなりようが、人のために命をはって守ってくれています。
モノは大事にしよう。
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児童書の分類で、小5の息子に借りてきた本なんだけど、大人が読んでも内容も質感も十分味わえる。
と言うかむしろ、日々慌しく生きている大人こそ、感じるものがあると思う。
大切なものを思い出したい人にオススメ。
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2010.04.07 図書館
これは読んでなかった
2010.04.20 読了
んー……もう一山欲しい感じ?
クライマックスの印象が弱い。
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伊藤さんの書く本の雰囲気がとても好きです。鬼の橋とか。
『つくも神』は子どもたちにもほんの少しだけ物の大切さを学んでほしいなという気持ちも
込めて読んでほしいです。
でもそんな教訓を抜きにしてもいい本だと思うけど。
ドキドキ、ハラハラするような描写はないけれどどこかしらほっとする雰囲気のある本です。
でもちょっと難しいかなと思う低学年(もちろん高学年の子でもOK)には斉藤洋さんの『真夜中マイフレンド』がおすすめ。
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物にも命が宿っている。今でもワタシはそう思っている。
この本と出会って、その気持ちをより強くさせてくれた。
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つくも神が可愛かったですね。
現代が舞台で、どんな話になるのかと思ったのですが、
有る意味正当な児童文学で、子どもの気持ちや、今直面している、
友達関係、兄弟関係、親子関係、ご近所関係、そうだよねぇと、現実を思い、
でもファンタジーで、ちょっびり悲しいですが、心温まるお話。
読み終わったら、ちょっびり大人になった気分になります。
いや、この年でちょっびり大人になったって、どうよ、ですけど^^;
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タイトルと表紙の絵が気になって借りてみました。
小五の少女ほのかと、ちょっとグレてしまっている中学生の兄のまわりで不思議なことが起こり始めた。原因はお隣に住むおばあさんの家の土蔵にあるらしい。
小さかった頃に遊んでいたという蔵で、一体何が起きているのか?つくも神とは何者なのか?
読み終えたあと、自分が子供のころのことをふと思い出しました。
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今どきグレて煙草をすっているお兄ちゃんってどうなんだ?と思いつつも楽しく読めた。岡本順さんの挿絵が良い。割に物に執着し長く大事に使うタイプなので、こういった愛嬌のあるつくも神たちならお目にかかりたい。同コンビのえほんもよかった。
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平安ものがあんまりおもしろかったので、現代ものも読んでみる。
主人公の少女と兄、父、母の関係がステレオタイプで、ちょっと残念。つくも神さんや、おばあちゃんのキャラクターは大変素敵だったので、主人公の状況が好みだったら、愛読書になるのかも。
つくも神に関しては、先行に多くの作品があるので、難しい題材なのかもしれない。
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ほのかが住むマンションのゴミ置き場でボヤ騒ぎがあった。それ以来マンションの周りで不思議なことが起こるようになった。マンションの隣の家の土蔵が怪しい。そんなほのかの前に不思議な置物が現れて…。
さよならを言わないさよならの演出にだだ泣きしてしまいました。設定や説明がしっかりとあり、淡々と進みがちだったので、最後突然すぎてびっくりしてしまいました。
表紙の蛙が可愛くて期待してました。期待通り、愛嬌あるつくも神達に読み終わる頃にはすっかり愛着が湧いてしまいました。物を大切にできているかなと省みるきっかけになるお話でした。