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「お前がお前やと思うお前が、そのお前だけが、お前やねん」 自分は自分自身の誰よりも付き合いが長いんだから、そんなん自分が一番わかっているはずやねん。嘘をつくことも、自分がわかっていることがいちばんつらい。 「燃やす」と「孫係」がいちばん心に残った。
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この本は短編がいくつかあるのですが、私は孫係とマタニティが特に胸に刺さりました。私は昔から自分の人前でいい子を演じてしまう所に嫌気が指していて治さなくちゃと思ってもなかなか治せないって言う葛藤がありました。でも、本書の正直と優しいは違う。という言葉に救われました。このままの自分でいいんだと肯定してくれ、明るい気持ちになりました。どの章を読んでもすごく共感する所が多く、登場人物に自分の身近な人を重ね合わせあの人にもこういうところがあるのかなと思うと優しい気持ちになれました。何かにつまずいた時、また読み返したいと思います。
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ぐっとくるフレーズがありそうと思ってブックオフで購入。休みの前の日とか1000円以内と決めて厳選する時間がすき。
孫係がとても好きだった。周りからみてお上品でとても素敵なおばあちゃまが、疲れたらおじいちゃまにだけ悪態をついていたっていうエピソード、そういう人はとても信用できる。割と人よりも尖った見方をしがちで、マイナスなことを思う自分は性格が悪いといつも思っていたけど、おじいちゃまは「本当にいい子なんだよ」って言っていて安心した。信用できる人だけに悪態をついたり、ゆだねられるところはゆだねて係だと思って行動するのもいいのかも。逆にいつも誰に対しても性格良くて自分なんかが関わりにくいなって思っている人も見た目ではわからなくてもそういう一面があるんだな。
「自分が弱い人間なんだってはっきり自覚したらぼく、強がっていたときよりなんていうか、生きやすくなったんです。」
「あなたがいてくれて、本当に楽しいです。」
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不思議な日常の短編集。
・燃やす
・いちご
・孫係
・あねご
・オーロラ
・マタニティ
・ドブロブニク
・ドラゴン・スープレックス
私、こういう本から『何が言いたいのか?』を読み取るのが苦手みたいですね…
何が言いたいのか?何がよかったのか?全くわかりませんでした。すみません。
どうやら合わなかったようです。
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自分の中の黒い部分、醜い部分、嫌いがちな部分を肯定してくれる、包み込んでくれるような優しさが詰まっていました。
お守りみたいな本。
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「ほらねを、燃やすことはできますか。」
「いちご見るか。」
繰り返し唱えたい言葉、救いを求める言葉――あるいは行動、もの。
縛られることもある、でも、それがあるがゆえに解放されることもある。
それが"おまじない"なのかな。
「おめでとう」という何気ない言葉でも、あるときは自分を通過する実体のないもので、あるときは手触りと重みを持ったうつくしいもの――そんなことを表した『ドブロブニク』が良かった。
『ドラゴン・スープレックス』は「サラバ!」の匂いがする。
西さんの物語はけっこう容赦ない感じが強くて、ぬるま湯につかって暮らしているような私にはなかなか想像しづらい部分もある。でもそれだけ引力がすごくて、読まずにはいられない。これからもっと、西さんの作品を読みたい。
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おまじないという題の短編集。
おさめられた中に、おまじないが鍵になってる作品はあるけど、おまじないという作品はなし。
この本自体が、読む人にとってのおまじないかな。
西さんの作品には、幼子がクレパスで力いっぱいに描いた絵のような、小さなことに捕らわれない、生きるエネルギーにあふれた率直さがあると感じてきました。この短編集では、それがそっと奥に隠れてるよう・・・。
私は自分の弱さを認められているかな。
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何かに悩んだときにふっと少し荷物を軽くしてくれるような本。
悩みすぎず、少しくらいありのままでいても誰かは分かってくれるよって安心感をくれる。
私は特に孫係のお話が好き。
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派手じゃないけど、じわじわあつい。
ハッとさせられる一文がところどころにある。
私は燃やす話が一番好きかなぁ。
裏の校舎で、真っ赤な炎がメラメラしているのが、西加奈子っぽい。
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久しぶりの西加奈子。
易しいし、優しい。
女性としていつも無敵でありたいけれど、そうは言っても疲れるときも悩んでしまうときもある。おまじないとはその通りで、そんなひしゃげた気持ちを少しだけしゃんとさせてくれるささやかな言葉。
「孫係」「ドラゴン・スープレックス」が好き。
どの短編も優しくて、あなたはあなたでええねんよという西加奈子のやわい関西弁が聞こえてきそうな、全部受け入れてくれる安心感があるし疲れたときには沁み渡るなと感じ入るけれど、
それでも私は女性として世界に立ち向かいたいんやと思うなら、そっちの気持ちの方を大事にしたいとも思うのだった。
だからあくまで「おまじない」。
ささやかに、自分で自分に魔法をかけて、明日へ生きていくため、女性を消費しようとする視線に負けないため、女性の型にはめ込まれてしまわないための、ほんのささやかなお守り。
この本は気持ちのどこかに仕舞うけれど、それでも私は無敵を目指していきたいのだった。
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読みやすい本で、活字が得意でない私でもサラッと読めました。
掴みが魅力的な分、オチが少し物足りない…
と思っていました。
しかし、最後までゆっくりじっくり読んでいくと、
ひとつひとつのストーリーの片片に自分を見つけることができました。
特に作者と長濱ねるさんとの対談がよかったです。
対談を聞くと、ストーリーが身近なものに感じたし、作者もねるさんも、とても素敵な方だなと思いました。
読んで良かったと思える本です。
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個人的には、家族との関係を特に考えさせられる、かな。
これはにほんがとくにそうなのかなーとか。親子とか、欧米の場合は子どものときから他者として、一人の人間として、関わる傾向が強いように思うけど、日本ではいろいろと汲み取らないと行けないこととか、家庭によって度合いもいろいろ。
人間関係でみんなが悩みまくっている社会で、人と付き合うのは大変だけどそれだけじゃない、って少し回りを見て自分の仲間を見つけられたらいいな、とか、そう思える本。
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2021.9.5
様々な年齢の女性に「弱くていいんだよ」とそっと唱えてくれるような本。
自分の存在価値を見出せずお酒に頼っても、妊娠してすぐ母親になる自信がなくても、いい子ぶりっ子だも、自分を小さく奮い立たせるおまじないがあれば。
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全8作の短編集。女性ならではの悩みなどを抱えながらも、後ろ向きにはならず、「おじさん」に出会うことで、心が少しづつ洗われていく。
悩みを抱えた女性達が「おじさん」の言葉に救われるのですが、そっと背中を押してくれるような文章で、ほんわかとした気持ちになりました。
状況としては性被害や見た目の悪口といったヒドい場面はありましたが、全体的にオブラートに包まれたような優しい雰囲気を醸し出していて、気持ちとしてはそんなに重く受け取らず、心が軽くなりました。
女性からの共感もあるかと思いますが、男性から見ても、「おじさん」としての存在が良かったです。強くもなく弱くもなく、何気ない存在なのに良い具合に主張してくれるので、男性はダメな人間だけじゃないんだよと教えられてそうで、内心ホッとした自分もいました。
個人的には「孫係」という作品が印象深かったです。孫係という言葉に意表を突かれたこともそうですが、孫とおじいちゃまの会話や雰囲気が、ほんわかとしていて、心が温まる気持ちになりました。
どの作品も量としては短く、物足りない感じはしましたが、読んだ後にジワジワとなんとも言えない温かさがきました。
何年か後に再度読むと、経験を重ねた分だけ、また違った共感や視点が出てくるかと思うので、味わい深い作品かなと思いました。
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たとえばタイトルを隠されて読んだとしても『おまじない』という言葉が思い浮かんだんじゃないかと思う。それくらい、気持ちの沈んだときに効く言葉が散りばめられている。ある人にとってはホームのような、居心地のいい人から発せられる言葉に私も救われた。