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夏に公開される長編アニメ映画の原作。古川日出男訳「平家物語」ともども、予習&参考資料としておむかえ(これに安野光雅「繪本平家物語」も加えれば、今年の大河とTVアニメの時代背景や流れもばっちりのはず)。
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父によって生贄として捧げられた身体を、芸を身につけていくことで少しずつ取り戻していく犬王が、どろろの百鬼丸を思い起こさせる。
これに音や動きがついたらどんなふうになるのか興味が湧くので、劇場版アニメはぜひ見てみたい
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夏の映画が楽しみ過ぎて、古川訳版平家物語のアニメも凄く良過ぎて、読み始めたら瞬でした。
声に出して読みたい物語。
歯切れ良く、五感良く、心地よく響く物語。
ものがたることをたのしむ物語。
醜を美に転嫁する物語。
親の欲望により子が呪われる、それを踊りで晴らす物語。
それを友魚であり友一であり友有がうたう物語。
なんとも心地よい物語でした。
親の業を子が追い、醜い姿として産まれる。このあたり確かに百鬼丸を思い出す。
闘って取り戻すというのでなく、踊ることにより寿がれる。それにより真の身体を取り戻していくというのが良いなあと。
読んでいるだけで本当に心地よかった。
夏の映画が楽しみすぎます。
2022年11冊目。
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平家物語を完全現代語訳した古川日出男さんの〝続編〟。伝奇であり、友情物語であり、歴史小説でもある。200ページに満たないが、中身は意外と濃い。友魚(琵琶法師)と犬王(能楽師)と平家、それぞれの物語が次々と切り替わって進み、最後余韻を残して終わる。とにかくテンポが良く、サクッと読めるが、講談調の独特な言い回しは好みが分かれるかも。5月公開予定の劇場アニメも面白そう。
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平家物語!時は室町!?
という表紙が気になって購入!
平家物語を語る光を奪われた琵琶法師と平家物語を舞う異形の能楽師の物語!
36章200ページとなっており、非常に読み易い!
タンタンと(べんべんと)したリズムを奏でるかのようなストーリー
でも何故か場面場面が印象的で所々が刺さってくる!
平家物語とは言うものの、平家物語を舞い語る室町時代の物語!
個人的には犬王よりも友魚の方がカッコいいと思った!
今年の夏に映画が封切られる様であるが、私の読んだイメージと映像音楽が近いものか遠いものか比べてみたいと思います。
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平家物語を訳したからこそのテンポ感!
平家物語も積んでるので、読みたくなりました。
これから映画見に行ってきます。
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湯浅政明監督映画「犬王」の原作本として予習読書。
巻末の池澤夏樹の後書きにもあるように「疾風」というのがこの本の評価として当てはまる。
友魚と犬王、時代を駆け抜けて走り去った。
これをポップスターとして描く湯浅政明監督も切り取り凄いなぁ
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本作を読み始めたが、今日先に映画の方を見てしまった、出来が非常に悪かったので、改めて原作の残りを大急ぎで読んで納得できた、映画の出来が悪かっただけで原作はちゃんとしていたのだ、全て納得できた。これまでも著者の作品を読んでみたいと思っていて、何作かは買ってはいるのに後回しにして来た、これを機会に読んでいこうと思う。ところで魔物に身体を取られる発想は本作が早いのか手塚治虫の「どろろ」がオリジナルなのかどちらなのかしら。
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親の業によって犬王がぐちゃぐちゃで生まれてしまうのは悲しい。悲しすぎる。呪いという言葉もまた悲しくてつらい。
でも犬王はそういった悲哀を感じさせないキャラクターで、生きる力が強くて、とても惹かれました。
すごい魅力ある人だなあと。目に映る美醜ではない美しさ。目の見えない友魚だから、犬王のほんとうの魅力がわかったのかもしれないですね。
映画も観ました。映画を先に観て、色々と確認したかったので原作を読みました。
映画も本も、すごく良くて映画のパワーに圧倒されましたが、この本が無ければ存在しなかった映画なのかと思うと、それもまた友魚と犬王の関係のように感じられて胸が熱くなります。
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映画を観てから原作を読みました。ので、かなり原作通りに作られていたのだなと。アニメを想像しながら読めたので、もし観ない前だったらどんな風に読めたのかなと、かなり不思議な文体でした。プロットを読んでいるような。平家物語はアニメで履修していたのですが、知識の下地がないと、読んでてもハテナ❓だったかも。
このプロットから湯浅監督が導き出した答えがアニメーションという映画になったこと、主人公のふたりのピッタリ感、奇跡的な出会いだなあと思いました。ぜひ舞台化してほしい。絶対観たい。
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映画館の下が書店で、映画観終わった後に買いに走りました(笑)語る側の物語。語ることは、亡くなったものの魂の浄化。だから、大切な人のために語る。映画の最後の無音の場面にあんな意味があったとは…。尊い!
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犬王の映画を鑑賞し、新たな気づきを得るために原作を読んでみた。
琵琶法師が語っているかのように進んでいく2人の物語
章が進む中でも内容が重複するところがあるところからそれを感じられた。
友魚と犬王のやり取りは予想よりも少なく、余白がある。
物語の流れが線香花火のように小さく灯って盛り、静かに消えていくような印象があったが余白がそう想像させたのかもしれない。
犬王の人柄が伝わってくる最後の台詞がお気に入り。
平氏や足利義満をはじめ登場人物が多いが人物像や出来事に関する知識が不足しており感情移入がし辛いところもあったので、関連書籍を読んでから読み直したいと思った。
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映画で話題になっているので読んでみた。
熟練の話芸のような語り口で、文章のテンポが良く、スルッと読めた。焦点が定められ、ぶれない。物語が走る、疾る。
映像的なイマジネーションが豊かな感じで、アニメになるのも頷ける。
犬王の人生、友魚の人生。
それぞれ過酷ながら、切り拓き進む二人を固唾を呑んで見守った。
読んでよかった。
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映画を先に見て、とても好きだったこともあり原作をすぐ手に取った。歯切れとテンポが良い文体で紡がれる、重厚で壮絶な物語。読了後の感覚がこの200ページくらいの質感ではなくて困惑してしまう。するすると読めて入り込んでくる、初めて見聞きする恐ろしく強大な何物か、という感覚、まさしく犬王を目撃した感覚なんだろうな、とどのレイヤーからか分からない感動を覚えています。
追儺の方相氏が面を被っていたところからいつしか面を被っている側が鬼とされている、というところ、「呪い」、犬王の父、そして犬王の在り方を通じて考えると唸ってしまうものがある。そして犬王を語り謡うことで解呪する友一…… 構成が凄まじすぎる。
これ、先に小説を読んでから映画を見ていたらどう感じるのだろうと思います。私にはもう絶対に出来ない体験なのでとても興味がある。
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映画を観て、とても良かったので原作も気になって。
200ページにこれだけの物語が詰まっていることに驚き。
歴史モノ?はふだんあまり読まないのだけれど、わかりやすく端的に、でもドラマがしっかりと書かれてる本作はとても読みやすかったなぁ。
「腕塚」や「鯨」のはなしは映画では掴みきれなかったところを補完できてなるほどーー!となった。
映画の印象に比べてわりと穏やかな印象で、湯浅監督はここから“ポップスター”の像をひりだしたと思うと面白い。
でも別物かというとそうでもなくて
“新しい物語を切り拓いていった”
“その真新しいさやミステリアスさが人々の心を掴んで行った”
“…ということが故に、「犬王の巻」は消えていった”
っていうことを映像ができるちからと湯浅さんの表現を持って形にしたんだなーって感じがした。
映画をきっかけにこの本を読んだけど、本を読んでから映画を見ていたらどう感じていたんだろ?
こればっかりはもう二度と出来ない体験だからなぁ…!