電子書籍
後味も
2022/07/22 20:36
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
読んでいる最中も、気分が悪くなりました。そんな感想なのに、候補に上がっているのか……と思ってたらナント受賞しちゃったのですね……。スミマセン私の読み方が悪いのか。でも、ホント、嫌な奴しか出てこないのですよ。
紙の本
読後はモヤモヤかも
2022/08/18 22:51
3人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぶるる - この投稿者のレビュー一覧を見る
たまたま書評で興味を持って読んだら芥川賞を受賞しましたね。なんで?というのが感想です。
今どきよくある会社の人間関係ですが、活字で読むと妙にリアルで、会社行くのが憂鬱になりました。確かに芦川さんのように年中休んだり早退したりする人いますが、こうはっきり意地悪するとかそういうのがまかり通る世の中って悲しいですね。仕事できるできないの判断って何なんでしょうね、残業してればえらいのかと思うと仕事遅いから残業だったり。
二谷さんがなぜ芦川さんのお菓子を捨てるのか、気に入らないとしてもなぜそこまで???でした。
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「おれは、おいしいものを食べるために生活を選ぶのが嫌いだよ」←めっちゃわかる〜〜
二谷の食事の優先度が低すぎるところと芦川さんの高すぎるところ絶対に合わないふたりなはずなのに二谷は芦川さんとの結婚を考えているという矛盾すぎる感じめちゃくちゃ人生だな…
二谷はきっと今よりもっとしんどい思いをしながら食事に向き合わなきゃならなくなるんだよなそれでもいいか、かわいいなら…みたいな妥協、もらったお菓子を踏んでぐちゃぐちゃにしてしまうくせにそれを芦川さんの机の上に置いて嫌がらせする人間なのに…
こんなに食べるという行為が生活から遠い人間の話なのに「おいしいご飯が食べられますように」のタイトルは皮肉すぎる?と思ったけど二谷がいつか心から“美味しい”と思って食事ができるように という祈りでもあるかもしれないと思った。
芦川さんタイプ個人的に好みじゃないから絶対イライラすると思う。できる人とできない人がいてできない人の分をできる人がやる。“できない”のラインは個人で違うけど我慢して“できる人”になっている人もいる。わたしは多分できてしまう側の人間だからバランスを取らさせる方だと思う。でもそんなのでき損じゃん……お菓子作ったからって全て許されると思うな!!!!!ってブチギレちゃうよ…
押尾さん好きな人の前で嘘をついてしまうところ自制心があるところ人の前ではっきり意見を言えるところ自分の気持ちに正直なところ好きだった。
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押尾さんの「おいしいおいしいってなんで言い合わなきゃいけないんだ?」っていうところわかるなあ。
美味しいって思うだけじゃダメなんだ?めんどくさいなぁって思う側なので。
二谷さんみたいに食べること自体が苦痛っていうのは全然違うしその思考はわかんないけど。
芦川さんはそういう人なんだ、って時間をかければ折り合えるだろうけれど二谷はムカつきました。
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もったりした。これは何?
こんなにも生クリームに重みのある本は読んだことがない。
スポンジというやわらかでおぼつかない舞台の上に、ボタッと落とされた生クリーム。
それは、そうするのが当たり前のように表面をならされて、余分を垂れ落とすように側面をも覆う。
パレットナイフを真っ直ぐ垂直に当てがい、回転台は一方方向に回りながら、スポンジを守るように優しくに塗られ、余分は削り取られる。
ナッペというのは、塗りたくるようでいて、実は削る作業だ。甘くコーティングされたスイーツから、削り取られる生クリーム。
甘いクリームがホイップされて、立ったツノが可愛くおじきをする。そんな幸せの象徴みたいな生クリームは、全ての人に笑みをもたらすものではない。
べっとりととぐろを巻いてる姿に胃の中までまとわりつくようなそれを、誰もが好きと思うなよと言わんばかりに、頭からツノが立ってくるように疎ましく思う人もいる。
綺麗にデコレーションされたケーキは、どこにもぶつかって潰れたりしないように、箱に入れて丁寧に扱われる。そっと優しく、壊れないように。
それを愛おしく大切に思う人もいれば、煩わしく重荷に思う人もいる。
食に興味がなく、食べること自体が面倒な人にとっては、誰もが喜ぶとされ喜んでもらえるという前提であるおやつの存在は、迷惑にのしかかる。
違和感や、わだかまり。
納得のいかないもの、いかないまま諦めてること。
吐き出したいものを飲み込む毎日の中で、それでも生きてく為に食べ物は口にしなくちゃならない。
鍋にスープを拵えても、スープが煮詰まるほどに、自分は薄まっていく。
スープに映った自分の姿は、まるで沈まり溺れているかのように、ゆらゆら揺らぐ。
おいしいごはんって、なんなんだろう。
それはきっと、人それぞれなんだろうけど、読む前には単純明快だったその答えは、今や消え失せてしまった。
ごはんを食べる度に考える。
ひと口、ふた口と口に食べ物を運びながら、ずっと考えている。
心がざわつく読書が好きな人にオススメ。
勿論、私も大好物。
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初めからモヤっというかザワっというか
とにかくいったい何を読まされているんだ
っという今まであまり自分が持っていない
感覚だった。人間関係なんかはそつなく
こなすが食べることに嫌悪感すら持つ二谷。
仕事はできないがなぜか周りから守られる
存在の芦川。仕事はできるが集団行動が
あまり得意ではない押尾の3人の仕事と
食事と恋愛の話なんだろうけど、
ちょっと私には合わなかったかな・・・
二谷の行動に理解ができなかった。
食べ物の嫌悪感をここまで表現した作品を
読んで食べることに対してそういった考えを
持っている人がいるってことがわかったこと
が凄く新鮮で反省もする発見だった。
色んな人がいて会社という小さな社会が
成り立っているってこともこの作品で
改めて気づかされました。
結局のところ本のタイトルにもなっている
「おいしいごはんが食べられますように」が
誰に対して向けられた事なのかが自分にはよく
わからなかった。もう少し掘り下げて
読まなければならなかったのかな?
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NHKの芥川賞特集で著者の高瀬隼子さんが「みんなでおいしいごはんは食べられないと思う」という話をされていてその訳がこの作品には滲み出ているなあと考えたりしました。やっぱり押尾さん派だなあ、二谷のような人間が大体を占めているから芦川さんは守られるんだよなあ
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登場人物の誰も好きになれないお話って久しぶり。
頭が痛いからと早退しておきながら、お菓子を作ってくる女なんてなんで守られる存在なのかがまったくわからん。
先が気になって一気読みしたものの、終わり方も???でモヤモヤが止まらない。
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おいしい食べ物と恋愛を描いているのに、こんなにも気持ち悪くなる小説、初めて読んだ気がする。
なんだろこれ、このうすらさむい感覚はなんなんだろ、と眉間にしわを寄せながら読み続ける。
得体の知れない、不気味で理解不能な人って、いるんだなあ。
何が正解だったのだろう。二谷と芦川と押尾の、それぞれの思惑は全く重ならないまま、かといって平行線でもない。
あぁ、そうか。このうすら寒さは恐怖なのだな。どこまで行っても分かり合えないという恐怖。
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おいしいごはん
すれ違う社内の人間関係をそれぞれの「おいしいごはん」の価値観の違いを通して描く。
一人で食べるコンビニ弁当、体にやさしい食事、おしゃれな手作りお菓子、大勢で食べる豪華で楽しそうな食事、食べるとは、美味しいとは一体なんなんだろう。
細かくも感情を捉えた機微で秀逸な描写が印象に残った。
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どこにでもありそうな会社の小さな営業所の毎日の光景。こんな人いるいる〜、こんなことあるあるだわ、とか思いながらサラサラ読めるんだけど、途中から息苦しくなってくる。
弱々しくて周りに守られている存在の芦川。仕事でそのとばっちりをくらう主人公・二谷と同僚の押尾が居酒屋で芦川の悪口を言い合うシーン。その部分を読んで同調する人と、反発する人に分かれそう。
芦川のような人はどこの会社にもいるだろうし、それはそれで迷惑なんだけど、片方で嫌悪しながら芦川と付き合っている二谷は屈折してるな〜と思う。その屈折の根はかなり深そうなことだけは伺える。
物語のクライマックス、弱者vs強者の戦い。これは怖い。そして弱者が勝利し強者が去る。。。このあたりは実に今の時代を象徴しているな〜と思う。
職場の同僚からすれば、どちらも迷惑でしかないんだけどね。
押尾が最後に言った言葉、
「わたしたちは助け合う能力をなくしていってると思うんですよね。その方が生きやすいから。成長として」
いや、それは成長なんかじゃないよと思う。
わたしたちは自ら楽を求めて面倒をどんどん手放した結果、今になってどうしようもない孤独に苛まれているんじゃないのかな。
心に刺さる言葉が随所にあって、読みながらも、読後も、あれこれと思いを巡らせる作品でした。
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1人称が入れ替わって語られけど誰も語り尽くしていないのでストレス。そこが作者の狙いかもしれませんが。誰にも共感できませんでした。
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不穏なカンジははじめからある。
芦川さんみたいな人は本当にいるんだな。
なんか狡い人。守られている人。
同じ職場で同じ給料なのに、ヘビーな作業はこっちにばかりやってくる。
「あの人はこの作業が苦手だから」とか「あなたの方が早いから」って、育てろよ!
怒りを持続するのも疲れるから、何も感じないフリして働いてます。
天罰よ下れ!
ラストはなんかモヤモヤす。
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いるいるこんな女と思った。
芦川さんみたいに無駄にお菓子作ってくる人いた。
私が苦手な女のタイプ。
自分も繊細で気が弱いタイプだけど手作りお菓子作って女子アピールしてくる人はずっと苦手だ。どの会社に行ってもそういう子いる。本人はアピールとかそんなの何も思ってなく自然にそうしてるんだろう。みんなが喜んでこんでくれて嬉しいと。純粋に。素直に。私は、ここは職場だぞと強く思う。
押尾さんや二谷さんほどあからさまではないけど、家に持って帰って旦那にあげるかちょっと寝かせて捨てる。自分でもひどいことしてるなと自覚はある。
潔癖ではないけど、母親が作ったもの以外の手作りお菓子あんまり食べたくない。店で作られたものは躊躇なく食べられる。二谷さんと一緒だ。こういう人も少数ではないんじゃないかと思う。
だから原田さんみたいな人、芦川さんみたいな人ウザいって思う。でも、押尾さんとか二谷さんとかはやり過ぎと思う。この中間みたいな人結構多いのでは?
最後は二谷さんがよくわからなかった。妥協して結婚しそう。そんな気持ちで結婚してうまくやっていけるわけないのに。芦川さんは本当に気づいてなかったのか?だったら逆にそう言う性格羨ましい。気にしすぎる私としては‥
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推しの高瀬さん。
安定的におもしろい。
ー ワークライフバランスや多様な働き方は、推進すべきものとして語られる。だが仕事の総量が変わらず人手も増えない中で誰かが自分の都合を優先させれば、誰かにしわ寄せがいく。そんな現実を鋭くえぐる小説だ。(日本経済新聞2022年4月16日朝刊より)
なるほど、日経的にはそういう書評になるよね。わかりやすい。
同じ部署に配属された二人の女性の働き方(生き方)の対比が鋭い描かれていて、登場する場面もほとんどが、会社内か終業後の飲み屋だ。
がんばり屋で仕事ができる押尾(女)は、体が弱くて負荷がかかるのを避ける同僚の芦川さん(女)にイラついている。そんな押尾に要領の良い二谷(男)は同意しつつも、かわいらしい芦川さんと付き合ってしまう。
タチの悪い三角関係で、めちゃくちゃおもしろいシチュエーションだなぁ、と。
で、繁忙期になり、芦川さんが日頃残業できないことのお詫びに、職場に手作りの菓子を差し入れはじめる。
すると、不穏な事件が起きる…
働き方については、
ー 誰でもみんな自分の働き方が正しいと思ってるんだよね…
という藤さんの意見がもっともだ、と思った。
で、この小説、タイトルは「おいしいごはんが食べられますように」なわけで。
「おいしいごはんの食べ方」にも多様性がある、ということこそメイン・テーマなのかな、と思いました。
唐突なまとめですが(笑)
ところで、これから結婚する女性に「わたし、毎日、おいしいごはん作りますね」とまっすぐ見つめられる時、何割くらいの男性が心から「しあわせだ!」と思うのだろう?
昔は「年貢の納め時」なんて言葉もありましたが…
えっ、ぼく?
僕は当然、心から幸せだと思いましたよ!