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ルポライターの取材先は老老介護の状態のお宅。健康保険に介護保険、日本の制度は万全か?と言うこのライターの正義感は正しいのかどうか
完璧な制度などありはしないとは思うけれど、より良いものであって欲しいと思う。
ライターさんも適度にね
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Amazonの紹介より
京都の地元情報誌の記者・国吉冬美は、尊敬するルポライターの杉作舜一が京都に来ていることを知る。
次回作の題材が老老介護で、冬美もよく知る医師の三雲が取材先を紹介したのだ。
だが訪れた取材先で、寝たきりで認知症の妻は絞殺され、介護していた夫は首を吊って死んでいた。
老老介護の末の無理心中?
杉作の事件調査に協力することになった冬美は、やがて哀しき真実を知ることに――。
ミステリー小説としてだけでなく、事件の過程や背景など社会問題にも取り扱っていて、他人事ではないなと実感させられました。
題名である「残心」とは、武道の世界では、一つの動作を終えたあとでも緊張を持続する心構えという意味ですが、ここでは「心残り」として解釈されているかと思います。
主人公の冬美が、無理心中として処理された事件に異議を唱えて、自力で取材をしていきます。
後半になるにつれて、もしかして事件の真相はこうなのでは?という推理がなんとなく想像ができるかなと思いました。
無理心中じゃなければ、こうだよねといった選択肢しかないので、ミステリーとしては微妙かなと思いました。
むしろ社会問題としての老老介護について、色々な苦悩も描かれているので、考えさせる作品として楽しめるかなと思いました。
事件の真相が判明した時、なんとなく「ルポライター」としてや「記者」としての意義を問われているように感じました。「書く人」として何ができるのか?何のために書いているのか?自分の欲望だけで仕事をするのではなく、それぞれの「正義」に責任感を持って活躍していただきたいなと思いました。
冬美の真っ直ぐな精神は理解できますが、様々な取捨選択するやり方には勝手すぎるなぁという部分もありました。
嫌なものは嫌だという気持ちはわかりますが、もう少し記者としての信念というものも貫いて欲しいなとも思ってしまいました。
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老老介護の末に評判の良い夫婦が無理心中。
しかし、そこには不可思議な痕跡と心理が漂っている。雑誌記者・ルポライター・医師によって真相が明らかになっていくミステリー。
老老介護、在宅医療、国民皆保険制度など現代の高齢社会の課題が炙り出されているように感じた。