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或いは古代から近世までの、日本の通史が判るような一冊に巧く纏まっているのかもしれない。
色々な観方が在るのかもしれないが、古くから“政権”の中枢には「天皇」とか「将軍」というような「トップ」が据えられる。その他方で、時代毎に様子も変わりながら「トップを補佐する」という名目で色々と実権を振るった、またはそうしていたと見受けられる「ナンバー2」が必ずと言って構わない程度に存在した。
本書はその「ナンバー2」に着目し、各時代にそういう立場に在ったと見受けられる人達のことを紹介しているのだ。
特定の時代や人物を深く掘り下げているということでもなく、時代のあらまし、そのあらましの中で当該人物が登場し、台頭した経過等が要領よく纏まっている。結果として「権力を手にする過程の変遷」や、時代毎の「“権力”の定義のようなモノの変遷」が判った。
或いは「歴史関係について“敷居が高い”という程度に感じている方」には御薦めな一冊となるかもしれないと思った。