紙の本
新本格の王道
2001/11/24 23:26
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投稿者:本田亮司 - この投稿者のレビュー一覧を見る
柴田氏の作品は初めて読んだが、本当に感心させられた。並外れた才能をもっているのは疑いない。特に、前半部における人物造形、ストーリー展開、センスなどどれも素晴らしく、その青春小説としての完成度は、「異邦の騎士」などの青春本格推理の傑作群にも決して引けを取らない。
また、後半部のパズラーとしての完成度もかなり高い。前半でしっかりと描かれた登場人物たちは、21年後の後半でも見事に浮き上がっている。緻密に計算されたどんでん返しの連続には驚きとともに感動を味わわせてくれる。
唯一、動機が平凡だったのが残念だが、女史の筆力の前ではさほど気にならない。全体としての完成度は名作群に一歩届かないものの、新本格の王道をゆく力作であることは間違いない。
紙の本
少女達がいた街
2001/09/19 20:50
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投稿者:真 - この投稿者のレビュー一覧を見る
舞台は1975年の東京。若者たちはロックに熱狂しながらも、恋や友情、将来のことなどそれぞれに思い悩む。しかし突然起こった、謎の火災。現場からは、一人の記憶を失った少女が発見された……と、これが前半。後半は舞台を21年後の現代に移し、事件の真相を刑事が追う。前半は思いっきり普通の風俗小説なので、この時代に思い入れがない人にとっては退屈かも。でも後半に入ると、小さな謎が解けたり出てきたりするので、飽きずに一気に読める。前半部分もその世代の人には懐かしく感じられていいかもしれない。
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70年代の渋谷が舞台。三人の少女と不可解な出火事件。そして一転して90年代になってその謎が解き明かされる。テンポがよくストーリーに引き込まれます。70年代の風俗が感じられて面白いです。
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75年の事件が21年経った95年で解決するのですが、意外意外。
予想、大外れでした(笑)。
面白かった。
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前半はあの年頃にありがちな少女の恋愛や友人関係など。後半は怒涛の展開。
真相がまったく読めずに、どうなるのか夢中になって読んでしまった。
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登場人物の相関図を頭の中で組み立てるのに混乱して、結局は紙に書いて物語を追っていった。久しぶりに物語を読んで、こんなに怖いと思った。
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明かされる真相が次々くるくる回っていくような展開で久しぶりにハラハラドキドキしながら本を読むという体験をしました。
これはすごい。
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再読。
面白かった!!
前半は1975年、16歳の少女の視点でロックの熱狂する渋谷が語られる。
後半は1996年、1975年当時の事件を刑事が解明する。
ロック喫茶とか1975年当時の風俗が面白い。
この作者らしく次々出て来る意外な事実、もう少しシンプルでもいいけどなあ。
(図書館)
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最初は70年代に渋谷界隈でロックに熱狂する青春、そして21年後の90年代に事件の謎を追いかける刑事の動き。最後にきて一気にミステリーの勢いを上げていくが、それにしても少女マンガのような前半が長すぎる。ディープパープルやミュージックマガジンに郷愁を感じる同年代の自分としても読むのに疲れた。最後に20年以上前の若者たちの関係が様々な形で結びついていくストーリーは悪くはないが仕掛けを作りすぎたという感じ。
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70年代の青春小説にミステリーをブレンドした傑作です。
前半は1975年東京を舞台とした青春物語。ロック好きの女子高生がドラッグやロックンロールの渦へと巻き込まれる様子が綴られています。当時の風俗がとてもリアルで非常に面白いです。
後半は21年後の1996年が舞台。ここからミステリーに様変わりします。火事で生き残った少女は誰なのか。犯人は?動機は?既に時効となった事件の様々な謎が畳み掛けるかように一気に解けていきます。1975年の話が意外に伏線だらけだったのにも驚きましたし、それらの回収もお見事。
あまり知られていない作品ですが、読んで損はないと思います。
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面白かった。
そうか携帯電話のない時代の話なんだな、と。
自分が死んでも誰も泣いてくれない。人間の運命なんてそんなもんかもしれない。明日があるって保証なんかはどこにもないんだ。予定だとか約束だとか、そんなものはみんなサンタクロースのようなものなんだ。
そう、自己防衛。自分の身は自分で守れるように普段から準備しとくの。そうしないとね、つまらないことで不良とか出来損ないとかってレッテル張られて、排除されていくのよ。どんどん、排除。
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暗い話な訳じゃないのに、暗い気持ちになる。けして、面白くないわけじゃない。
あえていうなら、詰め込みすぎなのだと思う。消防士が火災現場から生存者の少女をみつけるところに始まる。物語は75年の渋谷、ノンノと呼ばれる少女を軸に進み、後半は時効もすぎた事件を追う刑事を中心にすすむ。
物語全体を包む刹那主義。その時代にしかない空気。10代特有の友情、恋、コンプレックス、孤独さ、それらが暗い気持ちにさせるのだろう。
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ノンノ、チアキ、ナッキー。
背伸びして大人に近づこうとするような16歳の少女達が起こしてしまう事件が21年も経ってから真実がわかってくる。
大人びたことをしながら、心は子供というアンバランスがすごく共感できて懐かしさを感じるようだった。
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そういう話なのか…と方向性を掴めぬまま読んだので
ある意味驚きの結末。
自分は面白さの判断が どれほど惹きこまれるか、登場人物たちにどれほど感情移入できるかになりがちなので
あまり趣味が合わない作品でした。
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あまり期待しないで読んだけど、結構よかった。
前半は青春グラフィティ的なストーリー。
ノンノとチアキの関係とかノンノのナッキーへの憧れとか、1970年代って自分よりは上の世代だけど懐かしいような気持ちになった。
中盤以降は休職中の刑事が事件の謎を紐解いていくんだけど、前半にたくさん散りばめられていた伏線が最後にはピタッとハマり、さすがの柴田サン。
刑事の正体もラストのちょい手前にやっと気が付き、あー!ってなった。
途中で止まらなくなってこんなに早く読めちゃうと思わなかったけど、、読後感としては物悲しい気分かな。