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すごく良かった。
人は何者である必要もないし、求めているものは全て最初からある。
何もないと感じるのは全て持っているから、という考え方は刺さった。
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漫画家を目指す主人公がふとしたことで「ハウス」と呼ばれる、芸術家を目指す人たちが集まる下宿のようなとこに住むことになり、そこにいる人々と青臭い人間ドラマを展開していくという前半部分はそれなりに興味を持って読めたし、大学のサークル時代を思い出すようで懐かしい気持ちにもなった。
ただ、後半の沖縄で父親に会って出版のお祝いをしてもらうくだりがダラダラと長すぎて、急につまらなくなってしまった。今までの青臭い話はどこかに行ってしまい、前半に出てきた登場人物は一体何だったのかと思うほど関係のない話が延々と続く印象で、正直読書家ではない私にはこの世界観はよくわからなかった。
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文庫化に伴い再読。途中こんなだっけ?と思いながら読んだら案の定加筆されていた。
くだらない生き方をするライターに対する影島のまくし立てがすごい。相手の隙をタコ殴りにするようなどこまで行っても容赦ないその姿勢に、スッキリするどころか不安にさせられるし、描写があまりにも長いので笑ってしまう。
回想が入り交じる構成と、登場人物の境界が曖昧になる描写が時折入る。そんな中で永山と影島が邂逅する場面はとびきり輝いていて会話も高次元のラリーが繰り広げられる。言ってることは理解できる部分とそうでない部分があるが、ほろ酔いの空間での会話の熱が良い。
今回の加筆箇所について。設定がまるまる一場面足されていたのには驚いた。このシーンの有無で本の全体の印象が大きく変わるのではないだろうか。影島という存在にしか話せない台詞。当該シーンで影島が話すことは真摯そのもので何も間違っていないのに、形骸化したメディア側の雰囲気に彼が苛立つ様子にライターへの反論パート以上にハラハラさせられた。私も知らず識らずのうちに事なかれ主義になっているのか、と寂しくもなった。
この怒りの熱量から、1年後の最終章に繋がるのも不思議な感覚。全体の構成からすると逆に最終章のトーンだけ異質なほど爽やかだ。ずっとあたたかいので拍子抜けする。
人間の在り方を、他者の行く末によるステレオタイプの幸・不幸で描くのではなく、家族を通して自己の心の中に見出す物語としているのが良かった。母のセリフからのラストシーン、やっぱり好きだ。
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難しい内容であったが読み終わった後面白かったと感じた。永山や影島の人に対する考えは極端なものからなるほどと参考になるものもあり再読しもっと深く読みたいと感じた作品だった。
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人とここまで意見をぶつける機会がないけど
奥と主人公みたいな関係性ってなんかいいなあと思ったし
こんな考え方もあるんだな(もちろんフィクションとして理解してるけど)と発見にもなった
小説と言いながらリアリティあるし
なにより下北と沖縄にいきたくなった
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お父さんは何者でもないけれど、ただただ人間として生きているという象徴なのだろうか。自分軸で生きていてとても自由だ。けどそれは世間からは、はみ出しているとみなされる。
何者にもならずに、ただ人間として生きるって、なんて難しくて、なんと贅沢なことだろう。
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記憶とは誰のものか
「劇場」を映画で見て面白かったので読んでみた
永山は劇場の永田っぽかった
痛々しくてもがいててる感じ
カスミは神様だったのか
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久しぶりに付箋たっぷり刺さりました。
ずっと「何者か」にならなければならないと思っていたからなのか。子どもの頃から小骨のように刺さっていた違和感を、つらつらとあげてくれたような、遠い昔の自分に会ったかのような。
何者になりたいと足掻く永山か、
何者にもなりたくないカスミか、
どっちだろう?
私が今こうして書いているのは、ちゃんと自分の言葉なんだろうか。
今はそれしか言えないけど、また細々感想を書きたい。持ち歩き読み歩きたいと思った本に出えた。文庫本は加筆されているようなので、単行本も読んでみることにする。
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又吉さんの脳みそがそのままぎっしりと詰め込まれたのうな小説。
狂気さえも感じる圧倒的な筆致に、読むごとに物語の中に沈みこんでいくような気がしました。
最後の話を読んでいたせいか、読了した日に見た夢は仏壇と、付けたはずのない線香の香り、蝋燭が灯っていて、声は出ないけど頭のなかで又吉さんがずっと語りかけてきてました。笑
何にもなれない絶望を感じてる人は、是非読んでみてほしいです。
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2年ぶりに読んだのだが、大学生になり将来を考えることが現実味を帯びたせいか、痛切に響いた。
自分にとって新しい読書体験だった。
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又吉の自叙伝?なのかと思いつつ、起承転結が最後まで読めない作品、、又吉さんの人柄やYouTubeが好きなので、がんばって読破した感じです。
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人間が拙い人たちのお話。正直少し分かり難かった。何者かたらんとする若者の自意識と、不器用ながらにも自意識と折り合いを付けつつ生活をやり過ごす嘗ての若者たち。
お笑い芸人・又吉直樹の手に為る作品として読むことを前提としていると思う。そうでなければ多分よく分からない。一部の登場人物は又吉の半身とも読める。或る種の自伝的作品とも言えるか。勿論多かれ少なかれ騙りは含まれるのだろうし、彼一流の破綻も忍ばせてあることだろう。
作者とテキストを切り離して読むことの是非によって評価の分かれる作品かも。
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ぎっしりずっしりの内容
芸術観の話とかハウスでの話とかカスミの話とか影島の話とかナカノタイチとのメールのやり取りとか記者会見とか沖縄の親戚たちの話とか。詰め込まれ過ぎてて整理できてない
いろんな経験して苦しんで絶望して、もがいてもがいてそれでも生きる「人間」がこれでもかと描かれてた。最後は主人公なりの、生きて生き方の答え、みたいなのを見つけてる気がして、明るかった。何者にならなくてもいい。
又吉が人間失格を何回も読んでるのは知ってる。人間失格の敬愛作品であり、人間失格へのアンチテーゼなのでは、と思うくらい、あらゆるところに人間失格の影響を感じる。人間失格ってずっと最後まで暗いと思うんやけど、この作品は希望があった。「自分は人間が拙い」。でも、それでいい。お前は何者にもなれない、と言われ、その言葉に縛られてきた主人公が、「でもそれでいい」と最後は思えた。それは影島だったり両親だったりのお陰で。人間が拙い。私もそうだし、みんなそうだ。一生懸命「人間」をやってるなと思う。
又吉久しぶりに読んだけど、文章が純文学くさいというか、読んでたら、ああ久しぶりに又吉だなあと思った。笑 主人公永山が又吉っぽいんやけど、さらにめっちゃ又吉みたいな芸人、影山が出てくること自体おもしろいし、その人の考え方とか長ゼリフがおもしろかった。
あとがきからも、「このどうしようもない自分こそを受け入れるしかない」と、又吉なりの生き方の答えが示されてた。
勇気をもらえた。
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これは又吉さん自身の話なのでは?という箇所がたくさんあり『人間失格』を読んだときと近い感情になりました。
又吉さんの書く人物の物の見方、面倒だし自意識と嫉妬すごいし繊細すぎて心配になるんだけど、面白いんだよな。又吉さん自身の魅力でもあるのかな。
『火花』のような分かりやすいカタルシスはありません。『劇場』と比べてもストーリーとしては分かりづらいかもしれません。
ラストが、とか展開が、とかではなく、ところどころの場面がすごく心に残るような作品でした。
特に影島とのバーでの会話が好きです。再会した二人の高揚感がめちゃくちゃ伝わってきたし、その時間の濃密さと、そこから主人公の創作意欲やアイディアが湧いてくる感じがすごくよかったです。
ひとりの人間の多面性や自己認識の曖昧さなどの描写が難しくもあり、ふわふわした幻想のようでもあり、でもリアルだなぁと思いました。
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久しぶりに本を読んだ。
この作家の作品は癖があって多少読むのが面倒だが嫌いでは無い。
第三章が読んでいてキツかったな、、、、、