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途中までは読んだことのない感覚を覚えて中々良かった
ただ、最後の家族の話がなんで出てきたのか分からなかったし、単純に話が面白くなかった
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「なにより自分にこの小説を捧げたい。生きるために書いたから」。あとがきの又吉さんの言葉が、まるで文鎮のように、私の心にこの小説を留めておく。又吉さんに好感を抱くのは、彼が「考える人」だから。地表からではなく、深い海の底から太陽を見上げるような、そんな人間に感じるからだ。
又吉さんの素顔が、永山と奥という二人の表現者として現れる。「変な人」とか「妖怪」だとか、自らを歪な者として捉えざるを得なかった、その原因は、周囲にいた「人間」の気持ち悪さ。「人間失格」上等だ、みたいな叫びが聞こえる。太宰好きもダダ漏れ。
又吉作品、三作目。
今後も読ませてください。
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「生きるために書いた」というあとがきがトドメのように刺さった。
又吉さん含め、魂を削るようにして何かを紡ぎ出す人の作品はこちらも向き合うのに体力がいる。
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よかった
書き出し部分では、文章がすきでもうわくわくした
あとがきを読み始めたら泣いてた
この作品をうみだしてくれて読めたことに感謝した
感想メモ
(第一章)
ハウスの雰囲気、気まずさ、どうにもならないこと、ほんの些細といわれるようなことにいちいち動かされる気持ち、恥ずかしさ、場違いな感情、自分に思うしょうもなさ、美化してしまうこと
自分の過去の蓋してた記憶を引っぱりだされて、目をぎゅっと閉じたり、本を置いてため息でたりしながら読んでた
生みの苦しみを持つ若者たち同士のやりとり尖り嫉妬も生々しく
永山と重なると自分だけじゃないんだと思う一方で、彼は作品を生み出す側の人間でありそもそもそこに自分のを並べることなんてと思ったり
章のおわりの修羅場に自分がいたらどうしただろう、その場から去ることができなそう、見届けてそうな自分のが嫌だった
永山への嫉妬をみっともないと自然と断言する奥がまっすぐにうらやましかった
(第二章)
影島のメール文、ここまで言えるなんてと笑いつつ誰もやらない中で当り前に当事者が思うまとまってない感情をそのまま代弁してくれているようで気持ちよくもつらかった
後半のメール文はページをめくってどこまであるのか確認して笑いがこぼれたので永山が同じことをしていて笑ってしまった
カスミと出掛けた際の「誰かの人生に近づいてしまったことを後悔」この気持ちは1歩踏み出した勇気に対していつもなぜこの代償があるんだろと落ち込む
永山の記憶の話、防衛本能から自分も都合のよい記憶に上書きしている怖さ、それを他人たちもそうしている怖さ、考えたら動けなくなりそうだった
(第三章)
永山と影島の関係が心底羨ましかった
途中自分が会話の内容についていけなくなってきた時、そのことより2人にしかわからない会話をしてるなとまた羨ましかった
自分が1番好きな作家、太宰治の話、人間失格を深く読み込んでいて悔しくて少し恥ずかしく感じた、本棚にある人間失格には付箋がついていなくて(別の太宰作品にはたくさんついてて)近いうちにまた読み返そう、太宰治のことをこんな風に言い合えるなんてこれ以上深い理解者っていないんじゃないか
ゾウの件は中学生の頃に似た経験がありだいぶ引きずったのでこんなとこで思い出させるなんて!
自分のことを褒めるとも違う、受け入れてくれる人がひとりいることの力すごい、凡人Aの懲役は終わってみればこんな簡単なことだけど、ひとりで開放できることはそうそうなくすごく難しいことで、永山よかったよね
影島の記者会見、こんなヒーローはいないから架空でも嬉しかった、SNSは人間に絶望することが多いから
(第四章)
いいお父さんとは違うけど、エピソードから見えてくる永山父はどんどん愛せる人間になっていった
いい家族だなぁ
こんな人たちに育てられ暮らしたあとに上京して第一章につながるんだ、そうだよ誰にでも家族がいるんだもの、いきなり19歳からはじまる人生なんてないんだからと当たり前のことが染みた
芝生を踏んでいった父と母の言葉、ほんとにすごいね、私もそん���風に○×をまっすぐにつけられる人間になりたい
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人間が何者かである必要などないという無自覚な強さに行き着く結末と、そこに行き着く変化とジメジメした感じが好き。
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主人公、永山くん。
一章は、大学時代
2章は、現在の女
3章は、芸人の影山
4章は、父と母と親戚
おそらく又吉さんの実際のエピソードを軸に書かれているフィクションだと思う。
4章の家族との思い出の所は自分の境遇と重なり
読み進めるのが苦しかったが、ラストに差し掛かり
気持ちよくなる。自分自身が家族との関わりに変化が起きればもう少し楽に読めるのであろう。
人間失格ではなく、あくまで人間。
現代に生きる我々にとって正解も失格もへったくれもないのだと感じた。
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芸能界、芸能人、不良といった中で生きていく人たち、独特の世界観、それならではの苦悩。奔放で自由に生きているように思える父親。
沖縄の話が出てくるが、偶然にも行ったばかりだったので、見てきた風景が蘇ってきた。人間失格、もう一度読んでみようか。
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前半はすごく読んでいて苦しかった。自意識に囚われている主人公と自分に重なる部分があったからかもしれない。きっと主人公は著者自身で、影島道生は著者の胸のうちをさらけ出せる登場人物だったのだと思った。
人間というと簡単だけど、ひとりひとりをクローズアップするとそこにあるのはその人自身で、人間として共通のものはないのかもしれない。自分の拙さに苛まれ自意識が過剰になることもあるが、これからはそんなところも自分という人間らしさなんだと受け入れられるようになる気がした。
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途中まですごく重い話だとおもったけれど、なんとなくこの作品は太宰治の「人間失格」のアントニムなのかもしれない、と全部読んでおもった。
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見当たらなかったので文庫版にチェックを入れたが、ハードカバーを読んだ。
芸人としてのピース又吉のことはよく知らず、彼の本は初めて読むので解像度は低いだろうが、まずは会話文がとてもうまいなと感じた。そして、はっきりラベル貼りできない心持ちを表現するのがうまい。
暗くまとまりのない話ではあるのだけれど、ものすごく読みやすい。売れるのも納得。明るく楽しく面白くためになる、わけではないけれど何度も読みたくなるのはすごい。
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4章構成。1章の途中からかなり作品に引き込まれていった。
それぞれの章に意味があって、4章は特に良かったように思う。
作品全体の雰囲気とポロポロと溢れる面白さが本当に好き。
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又吉さんの文章、非常に私の肌に合っているようで水を飲むかのように読み切りました。葛藤していく様がおもしろかった。他の作品もそうですが又吉さんの作品は会話が面白くて好きです
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自分が心の奥底に抱えてるものを言葉にして、代わりに吐露してくれたような気持ち良さがある一方で、まるで自分自身に向けて言われているかのようなセリフがいくつもあり、その度に心がぐっと締め付けられた。人間を「やる」どころか、人間を「演じる」に留まっている自分が情けなく思えた。
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厚い本で読みきれるか不安だったが、そこはさすが又吉先生。集中して読み切ってしまった。とてもリアルな「人間」の様が描かれている。ノンフィクションかもしれないなぁ。彼女の三河弁?がちょっと変で気になってしまった笑
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よかったなーー
身内のサブカル集団みたいな話で終わるのかと思ったら最後は故郷とか色んな世代の人がでてきて、人間そのものの話に段々ズームアウトされていく構成が素晴らしかったです、、
「僕達のことを少し変わった感性の持ち主だということにしたのかもしれない。角度が変われば色が変わる蝶の存在は受け入れることができる人なのに。」
この話の主題の一つである多様性の概念への警鐘を鳴らす上手い文章だとおもって心を動かされました。