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紙の本

撮影される側に思いを馳せながら

2009/07/09 12:49

9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:まむ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 現在公開されているドキュメンタリー映画、想田和弘監督の『精神』の副産物として書かれたものだ。想田監督が『精神』で「作品からこぼれ落ちてしまった大事なこと」を文章にしたのが本書だ。

 想田監督の生い立ちから始まり、大学時代に「燃え尽き症候群」になってしまったこと、ニューヨークへ移り住み、現代の日本が「病んで」いるのではないかという疑問を持ったことなど実体験を交えながら、なぜ『精神』を撮ろうと思ったのか、ということが記されている。

 タイトルの「精神病とモザイク」は、ドキュメンタリーを撮るにあたり、精神病の人のプライバシーを守り、人権を守るために「モザイク」にするというが、それは社会と精神病者を隔てる「見えないカーテン」、つまり「恐怖心」「偏見」「タブー」を助長するものではないか。またそういう映画にはしたくないという思いから、自らの映画『精神』では「モザイク」を使わないようにしようと考えて臨んだ映画だ。

 「モザイクが守るのは、被写体ではなく、往々にして作り手の側である」(p.53)。被写体からのクレームや名誉毀損で訴えられることや、社会からの批判されることがなくなり、「被写体に対しても観客に対しても、責任を取る必要がなくなる。そこから表現に対する緊張感が消え、堕落が始まるのではないか」(p.53)と想田監督は述べる。「モザイク」は、被写体である精神病の人を守るよりも、むしろ作り手を守るものであるという。また、モザイクをかけないことが被写体のイメージを守るという逆説を学んだとも言う。

 僕は、この本は映画を観てから読んだ。確かに映画ではこぼれ落ちてしまったような大事なことが多く書かれているように思えた。「精神病とモザイク」という観点からいえば、「モザイク」にしないということは、「精神病」患者に対して、監督の「誠実さ」の現れであるようにも思える。
 
 しかし、映画『精神』を撮るにあたり、患者一人一人に撮影許可を求めたところ、10人のうち、8~9人には断られたという。また精神病の患者の「撮影許可」をめぐり、その「家族」からは許可をもらうのか、という質問をしばしば受けたというが、監督は家族に聞くということは、当事者本人を尊重していないのではないかとの思いから本人だけの了解で構わないとした。
 
 そんな中で、映画『精神』に出てもいいと撮影許可をした患者たちはどういう思いからだったのだろうかと思う。本書には映画に出た患者や医者と想田監督との「座談会」も収録されており、精神病患者として撮影許可した人たちの思いも語られている。ほとんどが断る中、映画に出てみてもいいと思った人たちは何を求めていたのか。それは自分を観てもらうことにより、精神病の「苦しさ」を理解してもらうということもあっただろう。自分を記録してもらおうとの思いもあっただろう。撮られることを通して偏見や差別をなくしたいという思いもあったのかもしれない。 
 
 「誤解」されることが多い精神病患者の中にあって、あえて撮影されることを選んだ患者にはエールを送りたい。「精神」という映画では語り得なかった部分を補う形で、映画とともに本書を併読されることを願う。

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