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必ずしも望んで秋田大学の医学生になったわけでもない第五班のメンバ−4人のそれぞれの事情.でも6年経つうちに,いろんなことを経験し,医者としてあるいは人間として育っていく.きれいごとではない本音が見え隠れするのが良かった.
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~1.2
ドクターになるのは本当に大変だよね。そう思わせる、「遺体解剖」のシーンが多いのが、良かった。そんなことを乗り越えて、彼らは医者になるんだ。今の秋田大学は違うけど、創立当時って、寂しかったんだね。心が折れそう。
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誰しも必ず死と隣り合わせで、必死で生きてるんだなと思わせてくれた小説だった。人生、経験を通して、何を大事と思うかで生き様が変わってくるのだろう。
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この年代特有の揺れ動く心が見事に描かれています。自分の学生時代を思い返しながら読みました。医学生ではありませんでしたが、共感できることがたくさんありました。
医学生特有の生死に関わる問題に真剣に向き合う姿にも感動しました。名作中の名作です。
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まさに私小説という感じだったが、なかなか人間臭い医者が書かれてある。
安易に偏差値の低い伝統のない医学部を目指す若者が、低きに流れる。
読む人は自分のようだと思っているに違いない。
専門病院の自己顕示欲の固まりみたいな医者の人間的な小説も読んでみたい。
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裏表紙に曰く"軽やかに爽やかに綴る永遠の青春小説"と。
ナヌー!!南木佳士が"軽やかで爽やか"だと!!!というわけで、興味津々、読んでみました。
確かに"軽やかで爽やか"ですね。ええ、あくまで南木作品としては、ですが。普通の人なら普通の作風くらいでしょうね。
"意識して大衆小説にした"と作者自身が言ってる様に、普通の南木作品とは大きく違います。自己の経験を下敷きにしては居ますが、主人公も"自分"では無いようです。しかし、別の言い方をすれば"らしさ"が消えて、平凡な作品になってしまったと言えるかも知れません。
しかしさすがにまとまりは良く、また終わり方はポジティブで綺麗でした。
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新設間もない秋田大学医学部で解剖実習でチームを組んだ4人の物語。皆医者になっていく過程で考え方を変えながら一人の医師として成長していく。青春物語。
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著者自身の経験をベースに、新設間もない秋田大学医学部を舞台に描かれる、学生たちの物語。同じ班で学ぶ特徴的な四人、それぞれに成長の物語があるので、テンポよく話が切り替わっていく感じが、軽く読めて丁度よい。末期ガンの患者の最期の迎え方、そこで疲労してしまう医師のエピソードは、著者自身の経験。1994年の作品だが、それ以前から難しい問題だったらしい。
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再読。
何度読んでも、改めて心動かされる。
確か、南木佳士さんはこの本を読んで知って、当時刊行されていた本は、ほぼ全て読んだ。
この本以外はちょっと暗いというか、辛いというか、そこまで好きになれなかった記憶がある。
この本のあとがきには、「この本は大衆小説、本当に書きたいのは純文学」というような記載があった。
僕はもしかしたら、大衆小説派なのかもしれない。
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テンポが良く、簡潔かつ率直で読みやすい。医学部がテーマであるため死に直面する部分などシリアスな部分もあるものの、大衆小説っぽく気軽に読める本であり、筆者がこの本は自分の過去だといっているのにも非常に納得した。
自分の専攻と近い分、カリキュラムや学生特有の空気感、日々の悩み等、読んでいて共通、共感する部分が多く、重苦しく凝り固まっていたモヤモヤした感情が若干ではあるものの昇華していくような気がした。読後、こんな風に悩むのは当然だし、答えなんてないし、こんな生き方をしていくのもありなんだろうな、と思えた。まだまだ青い
以降、心に留めておきたい部分。思ったこと。共感した部分。
・医療に関わっていく上で、患者の死を他人事と思うのではなく自分事のように捉えることは、真摯ではあるけど自らの精神も削っている。
・医者は決して人命を預かっているのではない、人間が人間を救える範囲など限られている。
・神に近づこうとする人間と、自然の摂理に身を委ねる人間がいる。
・医者の役割は、予防、行政への関与、診断、治療、看取る、研究など様々な役割がある。
・綱渡りみたいな生活は長くは続かない。
・もしかしたらこの病気は己の内側ばかり見つめて小説を書いてきたことへの罰なのかもしれない。
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舞台は田舎の医学部で、学生4人のそれぞれの成長が描かれています。
都会の本命大学の滑り止めで入学した者、ただ惰性で医学部に入学した者、家庭の経済事情から入学した者、人生をやり直そうと入学した者、どの人物もリアリティがあります。
目指すものが医師であろうと、必ずしも大志など必要ない、志など半ばで良いという事実や、医学部だろうと仮に文学部だろうと当人の意識の程度には個人差があるという点でも、彼らはみな人間としての未熟さを持つ大学生です。
そこから医学生の現実を目の当たりにしていくことで、各々の意識が変化していきます。人体解剖実習、終末期医療の現場などの体験を通し、やがて訪れる自身の老いや死、生きているものへの渇望、人間らしい死とは何かとの思いに心が揺さぶられながらも、手一杯の学業に取り組む現実。
4人の成長を見届けたとき、不思議と同級生を思うような気持ちになる青春がつまった一冊です。
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地方の医学部という特殊な環境に集まった学生たちの決して明るくはない青春を描いた1冊。
様々な境遇にある登場人物の交流がリアル。
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6年間という人生においては一瞬に過ぎない時間の中で、解剖や臨床実習など医学部特有の経験を積み、浮き沈みを繰り返しながら、医師として巣立っていく脆くも頼もしい医学生達の姿に親近感を覚えた。
作中でも取り上げられている中島みゆきの「時代」が学生達の葛藤を上手く表現していた。
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姉が医学生で、彼女から聞く医学生の生活とよく似ていてかなり現実に即した話なんだということがわかった。
日常を綴ったような話で特別な起伏はないけれど、登場人物の鬱屈とした気持ちなどはかなり巧みに表現されて伝わってくるため、飽きずにサクサクと読み進められた。
青春時代に誰もが悩んだり鬱屈とした気持ちを抱えたりしたことはあるはずなので共感しやすい物語だと思った。
また、日常の中にも登場人物の精神的な成長や変化があり、楽しめたし同世代として刺激も多少もらえた。
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どう感じたんだろう…と振り返っても、どこか他人事に、面白かった〜としか言えないんだけど、でもなんだかすごく好きな小説だった。
好きの理由を少しだけ掘り下げてみると…
・色々な設定にリアリティがある※自伝的だから
・キラキラしてない普通の登場人物達に親近感
・世の中って、働くって、ほんとそうだよね、という共感
・医学部ってこんな感じなのかと知ることができた
→医者の友達が多い割に、医学部のこと、なんとなくしか分かってなかったんだなぁ。
読書好きだなー、小説っていいなー、って思わせてくれた小説だった。
そりゃそうか。芥川賞受賞作家の小説なんだから。
ざっと4時間くらい、子育て中だが睡眠時間を削って夜中に読んだ。寝不足だけど、読書の世界に浸る時間が持てたことのほうが嬉しくて、寝不足なはずなのにむしろわたしは元気で過ごせる。